出っ歯の原因6選!体への影響と治療法も解説【気になるなら歯科医院へ】

「出っ歯の原因ってなんだろう?子どもをきれいな歯並びにしたい」
「前歯が出てしまっていて気になる」
「出っ歯を治したい」
という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

出っ歯は上の前歯が出ている状態のことです。笑うと歯が飛び出て見えてしまい、コンプレックスになっている方も多いでしょう。

遺伝が原因の場合もありますが、後天的な理由で出っ歯になることもあります。
原因を理解しておけば、出っ歯になるのを防ぐことができます。

この記事では出っ歯に関する以下のポイントを解説しています。

  • 出っ歯の原因
  • 出っ歯が体に与える影響6選
  • 出っ歯の治療法を段階ごとに解説
  • 出っ歯が気になるのであれば歯科医院で相談しよう

詳しく解説するので、参考にしてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

出っ歯の原因6選

出っ歯の原因は以下の6つです。

  1. 遺伝
  2. 口周りの癖
  3. 柔らかいものばかり食べている
  4. 背中を丸めて食事をしている
  5. 虫歯によって歯並びが悪くなる
  6. 口呼吸で歯並びが悪くなる

それぞれ解説します。

【原因1】遺伝

遺伝が原因で出っ歯になってしまうことがあります。以下のような特徴があると、出っ歯になりやすいです。

  • そもそも前歯が前方に位置している
  • 上下の顎の骨のバランスが悪い

遺伝でそもそも骨格が原因の場合は、個人の努力で改善は難しいです。歯科医院で矯正治療を行って歯並びを整える必要があります。

【原因2】口周りの癖

口周りの癖があると、出っ歯になってしまうことがあります。

以下のような癖がある場合は要注意です。

  • 指しゃぶり
  • 舌を前に出す
  • 爪を噛む

癖の影響で、上の前歯が圧迫されて前に出たり、下顎が下がったりします。歯並びに影響が出やすいので、子どもが無意識にやっていたら、やめさせるようにしましょう。

【原因3】柔らかいものばかり食べている

柔らかいものばかり食べていると、出っ歯になってしまうことがあります。

前側で噛む癖がついてしまい、舌が前側に出てしまう前方位になります。舌が前歯を押してしまいやすくなるので、歯並びが悪くなってしまいます。

【原因4】背中を丸めて食事をしている

背中を丸めるなど、姿勢が悪い状態で食事をしていると、出っ歯になってしまうことがあります。

背中を丸めて食事をすると、前歯だけで噛んでしまいやすいです。長期間前歯だけで噛むのが続くと、舌を奥歯付近まで動かす筋肉の発達が悪くなってしまい、出っ歯になりやすくなります。

【原因5】虫歯によって歯並びが悪くなる

虫歯が原因で歯並びも悪くなることがあります。

むし歯で乳歯が通常より早く抜けると、そのスペースに向かって残りの歯が動いてしまいます。その結果、歯並びが崩れる原因になりえます。

乳歯だからといって虫歯を放置せずに、永久歯を守るためにも早めに治療しましょう。

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【原因6】 口呼吸で歯並びが悪くなる

口呼吸をしていると、歯並びに影響が出やすいです。

舌が上の前歯についているのが正常な状態です。ただ、口呼吸をしていると舌が下の前歯側にずれてしまいます。

舌の位置がずれると、口の中のバランスが崩れ、頬が押し込む力の方が大きくなったり、舌が歯を押し出す力が強くなったりします。歯に圧力がかかり続けるので、歯並びに影響が出ます。

また、口呼吸で口が空いている時間が長くなると、唇が歯を押さえつける力が弱くなり、出っ歯になりやすいです。

子どもが口呼吸をしている場合は早めに改善しましょう。

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出っ歯が体に与える影響6選

出っ歯が体に与える影響は以下の6つです。

  1. コンプレックスを抱きやすい
  2. 歯垢が溜まりやすくなる
  3. 食べ物を上手く噛めない
  4. 上手く発音ができない
  5. 頭痛や肩こりになりやすい
  6. 口呼吸になりやすい

それぞれ解説します。

【影響1】コンプレックスを抱きやすい

出っ歯はコンプレックスになりやすいです

コンプレックスに感じていると、人前で話をすることに苦手意識を覚えてしまいます。

重症だと口を開けなくても出っ歯だと分かってしまうので、人前にも出たくないと思っている方もいらっしゃいます。

【影響2】歯垢が溜まりやすくなる

出っ歯になって歯に段差ができると、歯垢がたまりやすくなります。

歯並びが悪くなっている部分は磨きにくく、歯垢や食べカスが残ってしまうためです。歯ブラシを細かくあて、ほかの歯以上に気を使って磨く必要が出てきます。

【影響3】食べ物を上手く噛めない

噛み合わせが悪いので、食べ物を上手く噛めなくなってしまいます。

前歯を使わずに奥歯や片側の歯だけで噛んでしまうと、噛み合わせがさらに悪化したり、顎関節症になってしまったりするので注意が必要です。

また、同じ歯ばかりを使い続けると痛めてしまい、最悪の場合歯が欠けてしまう場合もあります。

【影響4】上手く発音ができない

出っ歯が原因で上手く発音ができないこともあります。

歯と歯の間に隙間ができると空気が漏れてしまうので、言葉が聞き取りにくくなってしまいます。重症化して隙間が大きくなっていくと、さらに聞き取りにくくなります。

【影響5】頭痛や肩こりになりやすい

頭痛や肩こりなどの症状が体に出ることもあります。

噛み合わせが悪いと顎の関節に負荷がかかりやすいです。左右の顎の筋肉のバランスが崩れてしまい、顎関節症になってしまいます。

また、噛み合わせが悪いと就寝中の歯ぎしりや食いしばりで、顎が緊張することがあります。
そこから首周りも緊張し、肩こり・頭痛を引き起こしてしまいます。

【影響6】口呼吸になりやすい

出っ歯がひどくなると口呼吸になりやすいです。

前歯が出ていると口が上手く閉まらない状態となり、口呼吸が増えてしまいます。
口呼吸をすると唾液量が減って、口臭が悪化したり、虫歯になりやすくなったりするのがデメリットです。

口内への影響のことを考えて、改善するようにしましょう。

出っ歯の治療法を段階ごとに解説

出っ歯の治療法を段階ごとに解説します。

  • 永久歯が生え揃う前
  • 永久歯が生え揃った後

永久歯が生え揃う前

永久歯が生え揃う前の出っ歯治療は以下の2つです。

  1. 口周りの癖を改善
  2. 小児矯正を行う

それぞれ解説します。

 

口周りの癖を改善

乳児期〜幼少期に多い口周りの癖を改善します

特に、指しゃぶりの癖は上の歯が前に出てしまいやすくなるので、注意が必要です。
歯に負担をかけないためにも、早めに改善しましょう。

小児矯正を行う

小児矯正を行うことでも、出っ歯の改善が見込めます。

筋肉を鍛えるMFT(筋機能療法)や床矯正(しょうきょうせい)を行い、上下の歯の噛み合わせを整えます。
また、骨格が原因の場合は、ヘッドギアや上顎前方牽引装置を使って骨格調整をします。

永久歯が生え揃う前から骨格の成長を正しい状態に誘導する治療がすすめられるので、早めにご相談ください

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永久歯が生え揃った後

永久歯が生え揃った後の出っ歯治療では、歯並びを調整する矯正治療が行われます。

基本的な治療は、歯にブラケットをつけてワイヤーを入れる矯正です。骨格の歪みが大きくなければ、歯を移動させて改善される場合があります。

ただ、矯正で治療できないほど重症の場合は、下顎を切断して後ろに下げるような外科手術を行う場合もあります。

出っ歯が気になるのであれば歯科医院で相談しよう

「出っ歯を治したいけど、どうして良いか分からない」と悩んでいる人は、歯科医院で相談してみましょう。
専門家がヒアリングしてくれ、最適な治療方法を一緒に探してくれます。

出っ歯がコンプレックスで苦しんでいるのであれば、1度相談してみてください。

また、出っ歯の治療中は必ず定期検診に行きましょう。

矯正治療で使うブラケットやワイヤーは、歯垢が溜まりやすいです。虫歯になっていないか、定期的に診てもらう必要があります。

出っ歯の原因を知りたいのであれば歯科医院へ

この記事では、出っ歯に関する以下のポイントを解説しました。

  • 出っ歯の原因
  • 出っ歯が体に与える影響6選
  • 出っ歯の治療法を段階ごとに解説
  • 出っ歯が気になるのであれば歯科医院で相談しよう

口周りの癖や姿勢の悪さなどが出っ歯の原因になります。意識すれば改善できるものが多いので、生活習慣を見直してみましょう。

永久歯が生え揃う前から、矯正治療ははじめられます。特に、顎の骨を広げて歯のスペースを作る治療ができるのは早い時期だけです。

お口周りが気になる場合は、定期検診に行く際などに、出っ歯の治療についても相談してみましょう。歯科医師があなたに合った治療法を提案してくれます。

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