皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
「シーラントって虫歯予防になるらしいんだけど、一体どんなことをするの?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
お子様に受けさせるならば、体に害がないのかも気になるところです。
この記事ではシーラントが気になっている方に向けて以下の内容を解説します。
- 概要
- 治療内容
- メリット・デメリット
「シーラントを子どもに受けさせるか悩んでいる」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
シーラントとは奥歯の溝を埋める虫歯の予防治療
シーラントは虫歯の予防治療です。
奥歯の溝の部分を、レジンを始めとしたプラスチック樹脂で埋めることで、奥歯の溝に汚れが着くのを防ぎます。
奥歯は歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい場所です。
埋めてしまうことでそもそも汚れが溜まりにくくなり、虫歯になってしまうのを防ぎます。
また、シーラントにはフッ素が含まれており、副次的な効果で歯質の表面を強化する効果も見込めます。
治療をする場所は、主に生えて間もない6歳臼歯や乳歯の奥歯です。
生えたばかりの歯は表面が未成熟で弱いです。
唾液中のカルシウムなどを吸収して強くなっていくので、その過程で虫歯にならないようにシーラントを施します。
シーラントの危険性は?
「シーラントは子どもの体に害がないのか心配」と考えている方もいるのではないでしょうか。
シーラントは、1996年に一部のレジン系のシーラント剤に含まれる「ビスフェノールA」という化学物質の環境ホルモン様作用の危険性が指摘されました。
しかし、その後の研究によって、危険性がないことが分かっています。
そのため、シーラントは子どもにも受けさせられる安全な予防治療です。
シーラントの治療の内容を解説
シーラント治療は以下の流れで行います。
- 歯を清掃する
- 薬品をつける
- シーラント剤を流し込み固める
詳しく解説していきます。
【シーラント治療の内容1】歯を清掃する
まず、歯の清掃を行い、歯の表面や歯と歯の間等の汚れを丁寧に落としていきます。
ここでは、歯科医院専用の機械を使って行います。
シーラントとしてプラスチック樹脂を流し込むので、その下に汚れが残っていると返って虫歯の原因になることもあります。
虫歯を防ぐためにもきれいに清掃していきます。
【シーラント治療の内容2】薬品をつける
歯にシーラント剤がしっかり接着するように、酸処理として薬品をつけていきます。
その後、薬品を水できれいに洗い流し、一度しっかりと乾かします。
【シーラント治療の内容3】シーラント剤を流し込み固める
シーラント剤を歯の溝に流し込み、光を当てて固めます。
固まったら、咬み合わせのチェックを行い、問題なければ、治療終了です。
治療後は、歯表面のデコボコしていた溝が埋まり、ツルツルしている状態になります。
汚れが溝にはまりにくくなる上に、歯磨きで汚れも落ちやすくなります。
シーラントの2つのメリット
シーラント治療には、主に以下2つのメリットがあります。
- 虫歯になる可能性を減らせる
- 歯を削らなくて済む
詳しく解説します。
【メリット1】虫歯になる可能性を減らせる
シーラント治療は虫歯になる可能性を減らすことができます。
奥歯の溝は、汚れがたまりやすい場所です。
特に、生えたての歯は未成熟で溝も深いので、ケアをしないと虫歯になりやすいのです。
さらに、生えたての歯は柔らかいこともあり、虫歯の進行が早いというところも懸念点です。
シーラントを施せば溝が埋まるので、虫歯になる可能性を減らすことができます。
【メリット2】歯を削らなくて済む
シーラント治療をすると、歯を削らなくて済むことが多いです。
虫歯が悪化してしまうと、歯を削ることになってしまうことがほとんどです。
歯科医院で治療する際のキーンという音が嫌な人も多いのではないでしょうか。
虫歯になって苦しい思いをしない為にも、シーラント治療で予防し、歯を削らないようにしましょう。
シーラント治療自体にも歯を削る作業はないので、不安な気持ちを緩和して治療を受けることができます。
シーラントの2つのデメリット
シーラント治療はメリットばかりに感じるかもしれませんが、注意すべきデメリットもあります。
主に、以下の2点です。
- 定期検診に行く必要がある
- シーラントが取れてしまうことがある
子どもにシーラントを受けさせようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【デメリット1】定期検診に行く必要がある
シーラント治療をした後は定期検診に行く必要があります。
シーラントした部分の歯の表面は見えにくく、虫歯になってしまうと発見が遅くなってしまうこともあります。
予防目的でシーラントをしたのに、逆に虫歯になっては意味がありません。
定期検診には必ず行くようにしましょう。
【デメリット2】シーラントが取れてしまうことがある
シーラントは取れてしまうこともあります。
通常の詰め物であれば、取れにくいように歯を削って形を整えることが多いです。
しかし、シーラント治療は樹脂を流して固めているだけなので、通常の詰め物より取れやすくなっています。
取れてしまった場合は、もう一度治療することもできるので、早めに歯科医院を受診しましょう。
【後悔しないように】シーラントをしても歯磨きはしっかりしよう
シーラントでは奥歯の溝を埋めるだけで、虫歯になるのを完璧に防ぐようにするわけではありません。
大切なのは、歯垢をしっかりと取り除き、溜めないようにすることです。
シーラントをしても歯磨きをせずに口の中が不潔な状態なら、その歯は虫歯になります。
普段から子ども対して、正しいブラッシングの指導をします。
仕上げ磨きをしてあげるのも良いでしょう。
▼歯磨きのタイミングについて詳しく解説▼
>>歯磨きするタイミングはいつがいい?お口の健康を保つブラッシングの習慣とは
気になることがあれば歯科医院に相談しましょう
シーラントを使うと奥歯の汚れが溜まりにくくなるため、生え変わりの弱い歯を守る効果が見込めます。
しかし、シーラントで虫歯になる確率をゼロにできるわけではありません。
普段から、正しいやり方で歯磨きをしていきましょう。
シーラントについて気になることがあれば、お近くの歯科医院へご相談ください。
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当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。