歯医者で根管治療をするときのピピピ!という音は何?根管長測定器を使うメリットも解説

こんにちは、むかえ歯科小児歯科です。

根管治療をしているときに聞こえる「ピピピ」という音が気になる、という質問をいただきました。たしかに、治療中にアラートのような音が聞こえると不安になる方もいらっしゃいますよね。

この「ピピピ」という音は、根管長測定器という機械を使うと鳴るもので、エラー音ではないのでご安心ください。

この説明だけだとまだ不安が残る方もいると思うので、今回はピピピという音の正体「根管長測定器」について説明します。

  • 根管長測定器とはなにか
  • 使用するメリット

をまとめ、治療の流れも説明してみましたので、ぜひ根管治療に不安がある方はご覧ください。

根管治療中のピピピ音の正体は根管長測定器(EMR)

冒頭にも説明した通り、根管治療中に「ピピピ」や「ピー」という機械という音がなるのは、根管長測定器(EMR)によるものです。

根管長測定器は根管の深さを測る機械です。「ピピピ」という音は、測定機が歯の根の奥まで到達した合図であり、治療のトラブルではないのでご安心ください。

ちなみに、根管長測定器が最初に発売されたのは日本なんです。1969年にリリースされ、現在は世界中で用いられています。

根管長測定器を使うメリット

根管長測定器は、根管治療では欠かせない器具の1つです。根管長測定器を使うメリットをまとめました。

  • 治療の精度が上がる
  • 治療の負担が少なくなる

わかりやすく詳細を解説しますので、ぜひご確認ください。

根管長測定器を用いると治療の精度が上がるから

根管長測定器が開発されるまで、根管治療はレントゲン写真の結果や手の感触を頼りにおこなってきました。しかし、根管治療では歯の根の先まで処置を行う必要があり、その精度を保つのは非常に困難でした。

根管は細くて複雑で、目視だけでは深さがわからないためです。根管料では歯の根の先端まで神経を取り出す必要がありますが、深さが分からず手探りで治療をした結果、再治療が必要なことも多くありました。

根管長測定器を用いることで先端の位置が把握できます。歯の根の先までしっかり清掃したり、充填剤を詰めたりでき、治療の精度が上がるのがメリットです。

治療の負担が少なくなるから

神経の取り残しをなくすために根管内を触りすぎると、痛みを感じたり、歯質を突き抜けたりしてしまうリスクがあります。そのため、再治療を防ぐために丁寧に治療を行おうとすると負担が大きくなるのが課題でした。

根管長測定器を活用すると根の先が分かるため、負担を緩和して治療ができます。

根管長測定器を使うと痛みを抑えられる

根管長測定器は細い器具のため、使うと痛そうだと感じる方もいます。しかし実際は、痛みを抑えるのに役立つ器具です。

麻酔を打ってから処置をしますし、治療中に根の先の位置を把握できることから、むしろ精度をあげて痛みを抑えられます。

痛みを感じる場合は、歯根の神経を取り除く別の器具が触れるのが主な原因です。器具が触れるのを少なくして、痛みを抑えるために根管長測定器を用いていますので、ご安心ください。

根管治療の流れ

根管治療そのものに不安を感じる方に向け、治療の流れも確認していきましょう。

  1. 虫歯の部分を削る
  2. 神経を取る
  3. 根管を拡大する
  4. 根の清掃・消毒をする
  5. 根管を充填する
  6. 歯の土台を入れる

詳しく解説します。

虫歯の部分を削る

まずは虫歯の部分を削ります。

目視やレントゲン、虫歯検知液を使って、虫歯の位置を確認したうえで、バーという器具を使って削り、除去します。

神経を取る

歯を削って神経部分である歯髄を露出させたらファイルと呼ばれる器具で取り除きます。さらに、根管内の神経も取り除きます。

このときに、根管の先端を把握するために用いるのが根管長測定器です。奥歯の場合、神経が複雑に入り組んでいるので、他の歯よりも時間がかかります。

根管を拡大する

神経を取り出したら、根管の外の壁を削っていきます。これは、後に充填する薬剤がしっかり奥まで詰まるようにするためです。

根管は細く曲がっているため、そのままの状態では先まで薬剤が入りません。削って太くまっすぐにして、薬剤が届かない箇所がなくなるように処置します。

根の清掃・消毒する

根管を拡大したら、根の洗浄、消毒をします。

菌が残るとその部分から炎症を起こす可能性があるため、殺菌が必要です。ここでは完全に無菌化することはできませんが、できる限り消毒し、殺菌します。

根管を充填

根がきれいになったら、根管に薬剤を充填して隙間を塞ぎます。充填のときにも根管長測定器を用いて、薬剤が先端まで届くようにしています。

薬剤で先端までしっかり塞げれば、再感染を防げます。

歯の土台を入れる

根管を充填したら、歯の被せ物をするための土台(コア)を入れて、治療を完了します。

土台には、銀合金製のメタルコアやプラスチック製のレジンコアが使われます。コアの芯部分であるポストにはファイバー製や金属製のものが使われます。

根管治療中のピピピ音はトラブルではないのでご安心ください

根管治療中のピピピという音は根管長測定器によるものです。歯の根の長さを計るためのものであり、音が鳴るのは正常なので心配はいりません。

根管長測定器を使うと、歯の根の先端までしっかりと治療ができるのがメリットです。ピピピ音以外にも、治療中気になる点があれば、ぜひ治療を担当している歯科医師にご確認ください。

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