「歯の被せ物が取れてしまったけどどうしたら良いのだろう」と悩んでいる方も多いではないでしょうか。
結論から言うと、できれば当日、遅くても次の日には歯科医院で診察してもらいましょう。
放置すると、被せ物が入れられず作り直しになるほか、かみ合わせにも影響がでてきます。緊急度が高いので、できるだけ早めに歯科医院へいきましょう。
この記事では、詰め物や被せ物が取れてしまった人が気になる以下のポイントを解説します。
- 詰め物や被せ物が取れてしまう原因
- 取れた場合の影響
- 取れた場合に注意すること
- 取れないようにするために大切なこと
ぜひ参考にしてください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
歯の詰め物・被せ物が取れたら放置せず早めに歯科医院へ
詰め物・被せ物が取れたら放置せず、早めに歯科医院で診てもらう必要があります。
被せが取れてしまうと歯と歯の間に隙間ができるので、少しずつ残った歯がその空間に向かって倒れてきてしまうからです。歯が動いてしまうと元の詰め物・被せものを入れることができず、作り直しになってしまいます。
3日もたってしまうと、元の詰め物は入らなくなることが多いです。詰め物・被せ物が取れたら保管し、すぐに歯科医院で治療受けましょう。
歯の詰め物・被せ物が取れてしまう原因5選
歯の詰め物・被せ物が取れてしまう原因は以下の5つです。
- 詰め物・被せ物が劣化している
- 詰め物・被せ物の接着剤が弱まっている
- 詰め物・被せ物の中で虫歯が進行している
- 歯の削り方に問題がある
- 強い衝撃が加わる
【原因1】詰め物・被せ物が劣化している
詰め物や被せ物が劣化していると、取れてしまうことがあります。
銀歯やレジンなどは経年劣化でもろくなりやすく、形も変わりやすいです。
銀歯は3〜7年、レジンは2〜5年で劣化し始めることが多いので、治療から時間が立っている場合は要注意です。定期的に検診を受け、取れる前に劣化している歯を発見することをおすすめします。
【原因2】詰め物・被せ物の接着剤が弱まっている
詰め物や被せ物は薬品で接着しています。そのため、接着力が落ちてしまうと取れやすくなってしまいます。
普通に生活していても、経年劣化で接着力は落ちていきます。
【原因3】詰め物・被せ物の中で虫歯が進行している
被せ物の中で虫歯が進行している場合も、詰め物・被せ物が取れる原因になります。
虫歯で歯が溶けてしまうと、詰め物や被せ物が合わなくなってきてしまいます。結果として、外れてしまうこともあるのです。
虫歯にならないように、毎日ていねいにブラッシングしましょう。
【原因4】歯の削り方に問題がある
詰め物・被せ物をつける際の歯の削り方が悪いと、取れてしまうことがあります。
治療の際には、できる限り歯を削る量が少なくなるように工夫しています。歯の状態によっては、削る量を押さえた結果として、詰め物・被せものが外れやすくなることもあります。
ただし、何度も取れてしまう場合は歯の削り方が良くない可能性があります。再度、歯科医院で相談してみましょう。
【原因5】強い衝撃が加わる
強い衝撃が加わると取れてしまうことがあります。詰め物や被せ物が劣化していたり、接着力が弱まったりしている場合、軽い衝撃で取れてしまうこともあります。
また、歯ぎしりしたり、何かにぶつかった衝撃で歯が割れてしまったり欠けたりした場合も注意が必要です。歯の形が変わってしまい、詰め物・被せ物が取れやすくなってしまいます。
歯の詰め物・被せ物が取れた場合の影響4選【放置すると悪化】
歯の詰め物・被せ物が取れてしまうと、以下のような影響が出てしまいます。
- 噛み合わせが悪くなる
- 歯が割れやすくなる
- 虫歯が進行しやすくなる
- 歯垢が溜まりやすい
【影響1】噛み合わせが悪くなる
詰め物・被せ物が取れてしまうと、噛み合わせが悪くなってしまいます。詰め物によるかみ合わせの調整がなくなるので、高さが合わなくなってしまうこともあります。
歯ぎしりなどで歯が欠けたり、顎への負担が増えたりする原因につながるので注意が必要です。
【影響2】歯が割れやすくなる
被せ物をする際には歯を削っているので、取れたままにしておくと歯が割れやすくなってしまいます。
被せ物が取れると、削った部分がむき出しになっていて弱い状態です。固いものなどを食べると割れてしまう可能性があります。
食事をする際には十分注意しましょう。
【影響3】虫歯が進行しやすくなる
虫歯が進行しやすくなってしまうこともあります。
詰め物などをする際は、虫歯になっている部分を治療するために、歯を覆っているエナメル質を削っていることが多いです。そのため、治療後の歯は守る部分が少ない状態になっています。
そのため、むき出しのまま放置してしまうと、虫歯が悪化する可能性もあります。
【影響4】歯垢が溜まりやすい
詰め物が取れた部分は神経が近く、歯磨きでしみてしまうこともあります。すると、ていねいに歯磨きができないので歯垢が溜まりやすくなってしまいます。また、歯にくぼみができてしまうことが多く、そもそも歯ブラシがうまく届きにくいです。
歯垢がたまると、虫歯・歯周病や口臭の原因になってしまうので気をつけましょう。
詰め物・被せ物が取れてしまった場合に注意すること3選
詰め物・被せ物が取れてしまった場合に注意することは以下の3つです。
- 丁寧に歯磨きをして清潔に保つ
- 固い食べ物を避ける
- 熱いものや冷たいものを避ける
【注意点1】丁寧に歯磨きをして清潔に保つ
丁寧に歯磨きをして清潔に保ちましょう。虫歯になりやすい象牙質という部分がむき出しになってしまっているので、歯垢を溜めないようにしたいです。
ただ、神経が近くなっている場合もあり、歯磨きの際に力を入れ過ぎるとしみてしまうことがあります。力加減に注意しながら、歯磨きを行いましょう。
【注意点2】固い食べ物を避ける
詰め物が取れた歯はもろくなってしまっているので、固い食べ物を控えるようにしたいです。硬いものを噛む衝撃で歯が割れてしまうこともあります。
どうしても何か食べる必要がある時は、詰め物などが取れた歯をなるべく避けて噛むようにしましょう。
【注意点3】熱いものや冷たいものを避ける
飲み物や食べ物で熱いものや冷たいものを避けるようにしましょう。
象牙質がむき出しになっていると神経に刺激が伝わりやすく、知覚過敏になりやすいです。しみたり痛みが出たりする原因になるので、食事の際には注意が必要です。
歯の詰め物・被せ物が取れないように定期検診に行こう
この記事では、詰め物や被せ物が取れてしまった人が気になる以下のポイントを解説しました。
- 詰め物や被せ物が取れてしまう原因
- 取れた場合の影響
- 取れた場合に注意すること
- 取れないようにするために大切なこと
詰め物や被せ物が取れた場合は早急に治療を受けるようにしましょう。
当日にお越しいただければ、元の詰め物や被せものを再度入れられる可能性が高まります。一方で、3日もたてば、作り直しになってしまう可能性が高いです。
そのほか、歯が欠けてしまうなどのリスクも考えられるため、早めに歯科医院へ行きましょう。
また、詰め物や被せ物を入れている場合、2〜3ヶ月に1度のペースで歯科医院に定期検診へ行くようにしましょう。
経年劣化しているかなど状態を確認してもらえるので、急に取れてしまう可能性を減らすことができます。
さらに、詰め物・被せ物の中での虫歯の進行は自分では気づきにくいです。レントゲンなどを使わないと判断できず、痛みが出る頃には重症化していることがあります。
早期で発見できれば、治療も比較的楽に済むことも多いです。
定期的に歯科医院でチェックしてもらい、健康な状態を保っていきましょう。
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