皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
今回は、根幹治療を受ける間隔や回数についてお伝えします。
根幹治療は、どうしても通院回数が多くなりがちな治療の一つです。根の殺菌が済むまで治療を繰り返す必要があるため、どれくらいの間隔で歯科医院に通い続けなければいけないかと疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、根幹治療の間隔や、治療を受ける回数の目安をわかりやすく解説します。治療の流れも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
根管治療は複数回の通院が必要
根幹治療では、基本的に複数回の通院が必要となります。
根幹治療は、歯の神経を抜いて終わりではありません。歯の根に感染してしまった細菌を除去するまで、消毒を繰り返す必要があるからです。消毒が不十分だと再感染してしまい、炎症を起こしてしまうため、丁寧に処置をしていきます。
一回で治療が終わるケースは稀であり、基本的に何回か通院しなければいけないと理解しておきましょう。
根管治療の間隔は1〜2週間程度
根管治療をする場合、治療の間隔は症状の程度によって変わります。消毒をしてから2週間程度様子を見て、再度消毒のための薬を入れていくのが一般的です。
中に詰めている薬が効いており、唾液や細菌が浸透してしまう前に次の治療をする必要があるため、4週間以内には再診を受けましょう。
期間を開けすぎると細菌がまた入り込んでしまい、悪化する可能性があるため、期間を開けすぎないように治療していきます。
根管治療の一般的な流れ
歯の根に処置をしていく、根管治療の流れを解説します。
大まかな流れは以下の通りです。
- 虫歯の部分を削る
- 神経を取る
- 根管を拡大する
- 根の清掃・消毒をする
- 根管を充填する
- 歯の土台を入れる
詳しく見ていきましょう。
1. 虫歯を削る
虫歯の部分を削ります。
目視やレントゲン、虫歯検知液を使って虫歯の位置を確認し、バーという器具を使って削り、除去します。
2. 神経を取る
次に神経を取っていきます。
歯を削って、神経部分である歯髄を露出させて取り出します。
歯髄を「ファイル」と呼ばれる器具で除去し、さらに根管内の神経も取り除きます。奥歯の場合、神経がより複雑に張り巡らされているので、他の歯よりも時間がかかってしまいます。
3. 根管を拡大する
根管を拡大します。
根管は神経が通っている管のことです。細く曲がっていて、木の枝別れのように複雑な形態になっています。
根管に薬剤がしっかり詰まるように、根管の外側の壁を削り、太くまっすぐなるように整えます。
4. 根を清掃して消毒する
根の洗浄・消毒をして、殺菌します。
菌が残っていると、炎症を起こしてしまう可能性があります。完全に無菌化するこはできませんが、できる限り殺菌していきます。
根の部分に消毒薬をつめて仮の蓋をするという治療を、十分に殺菌されるまで繰り返します。
5. 根管に薬剤を充填する
根を綺麗にしたら、次に根管を充填して隙間を入れます。
根管内に防腐剤などの薬剤を入れて、再び感染しないよう隙間を塞ぐ処置です。糊のようなゲル状のものや、ガッターパーチャという樹脂状の詰め物を詰めていきます。
6. 歯の土台を入れて被せ物をする
最後に歯の被せ物する際に必要なコアと呼ばれる土台を入れます。
虫歯が進行してしまい、被せ物をつけられない状態の際に行われる処置です。
土台に銀合金製のメタルコアやプラスチック製のレジンコアが使われます。コアの芯部分であるポストにはファイバー製や金属製のものが使われます。
根管治療には何回必要?回数が変わる理由も解説
根幹治療にはどれくらい通院を続ける必要があるのか、という疑問にもお答えしていきます。
あくまで症状の進行程度によって回数は変わりますが、一つの目安としてご覧ください。
初回治療は5〜7回程度
初回治療では、前歯の場合で消毒に2〜3回程度かかります。奥歯の治療では、根幹の数が多い分、回数が増える傾向があります。
消毒が終わってから被せ物を作る期間もあるため、全体としては5〜7回程度の通院になるのが一般的です。
再治療の場合は回数が増える
一度根幹治療を行っており、再治療をする場合は、回数が増える傾向があります。再治療の場合は自覚症状が出るのが遅くなるため、初回治療より細菌が広がっていることが多いためです。
治療が遅れるほど回数が増えるため、違和感があれば早めに歯科医院にご相談ください。
症状が重い場合も回数が増える
初回治療でも、症状が重い場合は回数が増えます。神経を除去して膿を取り除いても、さらに膿が出てくることがあるためです。
膿が出ている間は、取り除く処置が継続的に必要になります。根管は枝のように張り巡っており、それらがきれいにならなければ治療を終えられません。
根管治療の回数を減らしたいならば、早期治療をすることが大切です、
細菌感染していなければ1〜2回で治療が終わることもある
根管治療が必要でも、細菌感染していないこともあります。この場合は、消毒の処置がなくなるため、1〜2回で治療が終わることもあります。
感染しているかどうかの判断は歯科医師が行いますので、通院回数は指示に従いましょう。
根管治療の間隔を開けすぎたり治療を途中でやめたりするのはNG
根管治療には回数がかかることも多く、治療に通うのが面倒になってしまったという方もいるでしょう。「忙しい中で定期的に通院の時間を作るのは難しい」という気持ちはわかります。
しかし、根管治療途中の歯は仮の蓋を付けているだけの状態です。そのまま放置してしまうと、細菌がまた入り込み、悪化してしまいます。根管を十分に洗浄し、表面に蓋をするまで治療を続けましょう。
なお、根管治療が必要な歯が自然治癒することはありません。神経を抜くことで一時的に痛みを感じなくなっても、炎症が悪化して膿が貯まれば周りの神経も弱ってしまうため、途中でやめずに通い続けてください。
根管治療は間隔を開けずに歯科医院へ
根管治療は消毒を繰り返す必要があり、時間や回数がかかる治療の一つです。しかし、治療の間隔を開けすぎてしまうと、悪化させてしまう可能性があります。
細菌が広がるのを防ぐために、歯科医師の指示に従って2週間を目処に歯科医院にお越しください。
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