皆さんこんにちは、むかえ歯科・小児歯科です。
今回はお口のにおいと歯周病の関係について解説していきます。
自分では気が付きにくい分、口臭に問題がないか不安になることもあると思います。
その他にも他人とおしゃべりするときに、お口がくさくないか心配になる人もいるでしょう。
実は、口臭の原因は歯周病であることが多いです。
そこでこの記事では、
- 歯周病のにおいの特徴
- 口臭を防ぐ方法
などを紹介していきます。
余談ではありますが、日本人は世界で最も口が臭いと言われています。
そのため、しっかりにおいのケアをおこなっていきましょう。
自分のお口のにおいが気になっている方はぜひご覧ください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
【基礎知識】お口のにおいの種類と原因
口臭とひとことでまとめても種類は様々です。
そのため、ここではお口のにおいのタイプを解説していきます。
口臭には主に下記の3種類があります。
- 病的口臭
- 生理的口臭
- 飲食物・嗜好品による口臭
種類別の原因も併せて紹介していきます。
【お口のにおいの種類1】病的口臭
まず紹介するのは病的口臭です。
これは何らかの病気が原因でおこる口のにおいです。
なお、歯周病によるにおいは病的口臭に分類されます。
その他にも、虫歯や消化器、呼吸器の病気が要因となることもあります。
【お口のにおいの種類2】生理的口臭
生理的口臭は、人間誰にでもあるお口のにおいです。
特に、起床時や就寝時が目立ちます。
要因としては、唾液の分泌が少なくなることが挙げられます。
女性の生理・妊娠時などホルモンバランスの変化によるお口のにおいも、生理的口臭に分類されます。
【お口のにおいの種類3】飲食物・嗜好品による口臭
最後に紹介するのは飲食物・嗜好品による口臭です。
ニンニク、ネギ、酒、タバコなどが要因とされています。
この口臭のタイプの特徴は、一時的なものであることです。
そのため、時間が経つとにおいが軽減されることが特徴です。
【口臭】歯周病でお口のにおいが気になる原因とは?
歯周病で口臭が気になる大きな原因が、揮発性硫黄化合物(VSC)です。
揮発性硫黄化合物(VSC)が発生してしまうメカニズムを解説します。
そもそも歯周病は、細菌によって歯茎が炎症を起こす病気です。
この炎症により、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなり、細菌が発生しやすくなります。
お口の細菌が増加すると食べかすを分解して、揮発性硫黄化合物(VSC)を作り出してしまうのです。
その他にも歯周病が激しく進むことにより、膿が出ていることも口臭の原因です。
▼歯茎からの膿について知りたい方はこちら▼
歯茎の膿はどうしたらいい?原因・治療法とともに応急処置の方法まで紹介
歯周病のお口のにおい特徴3選
歯周病が口臭の原因となることが分かっていただけたかと思います。
ここでは、歯周病によるお口のにおいの特徴を3つ紹介してます。
- 生臭い、魚や野菜が腐ったようなにおい
- 卵が腐敗したにおい
- 生ごみのようなにおい
なおお口のにおいの原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)の中にも、歯周病の要因となる成分があります。
その成分にも着目して解説していきます。
【歯周病のにおい1】生臭い、魚や野菜が腐ったようなにおい
歯周病の口臭の特徴は生臭い、魚や野菜が腐ったようなにおいです。
代表的な歯周病のにおいといわれています。
玉ねぎが腐敗したような悪臭と例えられることもあります。
生臭い、魚や野菜が腐ったようなにおいは「メチルメルカプタン」という成分が原因です。
なおメチルメルカプタンは毒性が強いです。
そのため、歯周病の症状を進行させてしまう要因となります。
【歯周病のにおい2】卵が腐敗したにおい
卵が腐敗したにおいも歯周病の口臭の特徴です。
これは「硫化水素」が原因です。
実際に卵が腐ったときにも硫化水素が発生するため、このように表現されることがあります。
なお舌苔(ぜったい)という舌の汚れでも発生しやすい成分です。
【歯周病のにおい3】生ごみのようなにおい
最後に紹介する歯周病のにおいは、生ごみのようなツンと鼻につくものです。
この口臭の原因は「ジメルサルファイド」という成分によるものです。
歯周病でないのに生ごみのようなにおいがした場合、内臓疾患の可能性もあります。
歯周病のにおいを確認する4つの方法
歯周病のにおいの特徴を紹介しました。
生ごみや腐敗したものなど、かなりの悪臭がすることが分かっていただけたでしょう。
しかし、自分の口臭には気が付きにくいです。
そのため、ここでは歯周病のにおいを確認する方法を紹介していきます。
- 人に確認してもらう
- セルフチェック
- 口臭測定器を使用する
- 口腔内検査を受ける
上記4点について解説していきます。
【歯周病のにおいの確認方法1】人に確認してもらう
歯周病のにおいは、人に確認してもらうことができます。
自分の口臭には気が付きにくいので、においが分からない人も多いです。
なおこの方法で確認する場合、家族や友人など信頼できる人に頼むと良いでしょう。
【歯周病のにおいの確認方法2】セルフチェック
人に確かめてもらうのが恥ずかしい場合は、セルフチェックすることもできます。
まず紙コップやビニール袋に息を吹き込みます。
続いて中に残ったにおいを確認しましょう。
上記で紹介したにおいの特徴がある場合は、歯周病を疑った方がいいかもしれません。
【歯周病のにおいの確認方法3】口臭測定器を使用する
お口のにおいを数値化できる口臭測定器を使う方法もあります。
商品にもよりますが、数千円で購入することができます。
ただし、起床時や空腹時など測定した日時やホルモンバランスによって、結果が異なることもあります。
そのため、数値はあくまでも目安に捉えておくとよいでしょう。
【歯周病のにおいの確認方法4】口腔内検査を受ける
最後に紹介するのは、歯科医院で口腔内検査を受けるという方法です。
口臭だけでなく、お口の状況を確認してもらえます。
なお当院では口腔内検査は採用しておりません。
このような方法もあるということを理解していただければと思います。
歯周病のにおいを改善するには早めの治療を!
歯周病のにおいを改善するには、早めに治療を受けることが大切です。
ガムをかんだり、マウスウォッシュを使用したりすることで口臭は軽減します。
しかしお口のにおいの根本的な解決にはなりません。
口臭を改善したいなら、歯科医院で早めの治療を受けましょう。
症状を放っておくと口臭が悪化するだけでなく、歯がなくなるリスクもあります。
【お口のにおい対策にも】歯周病を予防する3つの方法
歯周病のにおいを予防するためには、歯周病になることを防ぐことが大切です。
ここでは予防方法を紹介していきます。
- 毎日の歯磨き
- 免疫力をアップさせる
- 歯科医院で定期的な検診を受ける
今すぐにでもできる簡単なものもあるので、ぜひ今日から試してみてください。
【歯周病の予防法1】毎日の歯磨き
歯周病予防には毎日の歯磨きが欠かせません。
歯周病になる原因の1つがお口の汚れだからです。
毎日3回、食後にブラッシングをするように心がけましょう。
特に夜寝る前は念入りに行ってください。
▼歯磨きのタイミングについて詳しい知りたい方はこちら▼
歯磨きするタイミングはいつがいい?お口の健康を保つブラッシングの習慣とは
【歯周病の予防法2】免疫力をアップさせる
免疫力をアップさせることも歯周病予防になります。
疲れやストレス溜まっていたり、生活習慣が乱れたりすると免疫が弱まり、歯周病にかかりやすくなるためです。
特に、以下3点に注意して生活するようにしましょう。
- バランスのとれた食事を心掛ける
- 飲酒・喫煙は控える
- 十分な睡眠をとって体を休ませる
お口だけでなく、体の健康のためにも注意しましょう。
【歯周病の予防法3】歯科医院で定期的な検診を受ける
歯周病を予防するには、定期的な検診も大切です。
歯科医院では、ブラッシング指導や歯のクリーニングも行っています。
なお定期健診によって、お口のトラブルの早期発見にも繋がります。
そのため特に異常がなくても、3ヶ月に1回程度は歯科医院で歯の状態を診てもらいましょう。
歯周病のお口のにおいでお悩みの場合は歯科医院へ
今回は歯周病とお口のにおいについて紹介しました。
歯周病は生ごみや腐敗した卵など、かなりの悪臭がします。
なお歯周病によるトラブルは、口臭だけではありません。
歯茎から出血が見られることもあります。
最悪の場合は、歯を失ってしまうリスクもある病気です。
繰り返しになりますが、歯周病を改善するには歯科医院での早めの治療が大切です。
特にお口に異常が見られなくても、定期的に検診を心がけましょう。
歯周病や口臭についてお悩みがあれば、お気軽に歯科医院へご相談ください。
※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。
当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。