歯茎のできものは早めに治療しよう!原因と治療法を解説

こんにちは、むかえ歯科です。

歯茎にできものができてしまうと、食事のときに気になりますよね。噛むときに違和感が出てくるので、早く治したいと思う方も多いでしょう。

また、そもそも歯茎のできものはなぜできてしまうか気になる方もいますよね。この記事では、

  • 歯茎のできものの種類
  • できものの原因
  • 治療法

を解説します。ぜひ参考にしてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

歯茎のできものの種類

歯茎のできものには、2つの種類があります。

  1. 口内炎
  2. フィステル

それぞれどんなものか解説していきます。

【種類1】口内炎

頬の内側や唇の裏側など、口内にできる炎症を総称して口内炎と呼びます。お口にポツッと腫れができたことがある方も多いのではないでしょうか。

口内炎は、多くの場合痛みを伴います。赤い腫れや、白い腫瘍ができ、重度になるとただれる場合もあります。

口内炎は、通常1〜2週間ほどで自然に治っていくものです。生活習慣や栄養バランスが乱れていると口内炎ができやすくなります。

【種類2】フィステル

フィステルは、歯根の先端に膿が溜まって膨れたできものです。白いニキビのような見た目をしています。

フィステルは、歯根に溜まった膿を排出するためにできるものです。痛みはほとんどありません。

膨らんだり潰れたりを繰り返すケースが多く、膿が出る原因自体の治療をしないと再発してしまいます。

歯茎にできもの(フィステル)ができる4つの原因

ここでは、できもののなかでもフィステルの原因として考えられるものを解説します。

  1. 虫歯が進行して歯根に膿が溜まっている
  2. 根管治療をした部分に膿が溜まっている
  3. 歯根破折
  4. 衝撃で神経が壊死している

順番に解説します。

【原因1】虫歯が進行して歯根に膿が溜まっている

虫歯が進行して歯の根の先にまで感染することにより、歯の神経が死んでしまいます。

そのまま放置すると、歯根にある膿の袋が膨らみ、フィステルができてしまいます。治療するには、歯根の中の神経や血管が通っている根管を清掃する「根管治療」が必要です。さらに、傷んだ歯髄を除去しなければいけません。

自然治癒しないので、歯科医院で処置を受けましょう。

▼根管治療について詳しく知りたい方はこちら▼

歯の神経を抜くとどうなる?根管治療の流れや注意点を解説

【原因2】根管治療をした部分に膿が溜まっている

根管治療をしたにも関わらず、フィステルができることもあります。これは、根管治療をした部分に細菌が残っており、再び炎症を起こしてしまうのが原因です。

根管治療後にフィステルができた場合は、もう一度根管治療をやり直す必要があります。

【原因3】歯根破折

歯に強い力がかかり、歯が折れたり割れたりすることを、歯の破折と言います。この割れた部分に細菌が入ってしまうことにより、炎症を起こします。

そこから膿が出て、フィステルができる場合があるのです。

物を噛むと痛みがあったり、不自然に歯がグラグラする症状が伴ったりする場合、歯の破折の可能性があります。このまま放置してしまうと歯周病や、根尖性歯周炎の原因にもなります。破折している部分によっては、抜歯を伴う治療が必要です。

細菌が入り込める隙間をなくさなければ何度も化膿してしまうため、歯をぶつけてしまったり、強い衝撃を与えてしまったりした場合は、早めに歯科医にご相談ください。

【原因4】大きな衝撃を受けて神経が壊死している

歯が折れていなくても、大きな衝撃を受けることで神経が壊死してしまうこともあります。

その場合、歯根の先端に膿が溜まってしまうので、フィステルができる原因となります。

歯茎のできもの(フィステル)の治療法

歯茎のできものの治療法は、大きく分けて2つです。

  1. 根管治療
  2. 歯根端切除術

それぞれ解説します。

【治療法1】根管治療

歯の神経を取り除き、清掃・消毒をして細菌の再侵入を防ぐ治療です。歯を削って神経だけを取り除き、削った部分を薬剤で埋め直すことで歯を残せる方法です。

神経とともに細菌をしっかりと取り除けば、徐々に歯根の炎症がおさまります。最終的に膿が溜まらなくなれば、フィステルもなくなります。

【治療法2】歯根端切除術

根管治療を行っても症状が改善しなかったり、そもそも根管治療ができなかったりするときは、歯根端切除術という外科的手術を行います。

歯根端切除術では、歯茎を切開して歯を支えている骨に穴を開けます。そして、膿が溜まっている部分を歯根の先端とともに取り除きます。

一般的には前歯や小臼歯などに行われる治療法です。

歯茎のできものを予防する方法

ここまで歯のできものの原因や治療法を説明してきました。しかし、治療するより、そもそもできものが発生しないように予防したいですよね。

ここでは、予防法を2つ紹介します。

  1. 定期的に歯科医院に行く
  2. 健康的な生活を送る

ぜひ参考にしてください。

【予防法1】定期的に歯科医院へいく

定期的に歯科医院に来ていただき、お口の状態を健康に保つのが一番です。定期検診では、初期の虫歯や歯周病を発見できる可能性があります。

初期の頃にトラブルを見つければ、早めに対策が取れます。虫歯が進行してしまって、フィステルが発生するのを防げるかもしれません。

そのほか、歯磨きの仕方など、お家のお手入れの方法にアドバイスもいたしますので、お口を清潔に保てるようになるでしょう。

なお、定期検診は3ヶ月に1回ペースで通うことをおすすめしています。

【予防法2】健康的な生活を送る

口内炎ができにくい環境を作るには、健康的な生活を送るのも大切です。口内炎は生活リズムが乱れたり、ストレスが溜まったりした環境でできやすくなります。

まずは生活習慣を見直し、健康的な食生活を目指したうえで十分な睡眠をとって免疫力を高めましょう。また、ストレスをためないように、趣味の時間をとったり湯船に使ったりしてリラックスすることも大切です。

定期的に歯科医院へ行き歯のできものを防ごう

歯のできものは大きく分けると2種類あります。フィステルの場合は、歯根に炎症を起こし、膿が発生した結果できるものです。

歯への衝撃がきっかけとなることもありますが、進行した虫歯が原因となることもあります。歯科医院に定期的に通うことで、虫歯が悪化する前に発見しやすくなります。

ぜひ定期検診を活用して、お口の状態を健康に保ちましょう。

※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。