【歯科医院が解説】歯石を放置するリスク4選!予防方法や除去するための治療法も紹介

皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。

今回は、歯石を放置する危険性について解説します。
歯石を放置すると、虫歯や歯周病を始めとしたお口のトラブルの原因となるので、しっかりリスクを理解しましょう。

歯の表面がザラザラすると感じている方は、歯に歯石が付着している可能性があります
なぜ歯石が付いてしますのか、どうやったら除去できるのか知りたいところです。

本記事では放置する危険性だけでなく、具体的な治療方法についても紹介します。
お口の健康を保ちたい方は、ぜひ本コラムを参考にしてみてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

歯石とは歯垢が石灰化したもの

歯石とは、歯垢が石灰化して歯の周りに固まってしまう現象のことです。
歯垢が歯に残ってしまうとできやすくなっています。
歯に歯垢がついてから、48時間後には石灰化が始まると言われています。

歯石には、白いものと黒いものがあります。

白は歯肉縁上歯石と言われており、歯の表面についています。
下前歯の裏側や上奥歯の外側に付きやすいです。

黒い歯石は、歯肉縁下歯石と呼ばれます。
歯周ポケットと呼ばれる歯茎の溝の中に隠れている歯石で、歯周病が進行すると見えるようになります。

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歯石を放置するリスク4選

歯石を放置することは、お口の健康を脅かす原因になります。
具体的な危険性は下記の通りです。

  1. 虫歯や歯周病のリスクが高まる
  2. 歯茎が炎症を起こす
  3. 口臭の原因になる
  4. 見た目の印象が悪くなる

ひとつずつ解説していきます。

【リスク1】虫歯や歯周病のリスクが高まる

虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
歯石には大量の歯周病菌が付着しているからです。

歯周病を発症すると、歯茎が下がったり、歯がぐらついたりします。
最悪の場合、歯が抜けることがあるため、歯石を放置することは危険です。

【リスク2】歯茎が炎症を起こす

歯石が歯と歯茎の間に溜まることによって、歯茎が炎症を起こして出血します。
さらに出血が原因で、歯石ができやすくなったり歯石が黒くなったりする場合があります。

黒くなることで見栄えが悪くなり、人前でしゃべったり笑ったりすることがしにくくなるでしょう。

【リスク3】口臭の原因になる

歯石の中の細菌が硫化水素やメチルメルカプタンというガスを発生させます。
このガスは、腐敗した玉ねぎや卵のような臭いがします。

歯茎の炎症で膿が溜まったり、出血したりすることも口臭の原因です。
口臭を改善するためには、歯石そのものを取り除くことが大切です。

【リスク4】見た目の印象が悪くなる

歯石は目に見えるため、不潔な印象を与えます。
特に黒いものは、見た目が余計気になるでしょう。

周りからの見た目を気にすることで、精神的な負担を感じてしまうでしょう。
歯石を放置することは、お口の健康だけでなく心の健康を損なう原因になります。

歯石が付着しないための3つの方法

歯石が付着しないためには、日々の習慣が大切です。
主に下記3つの方法を心がけましょう。

  1. 毎日の歯磨きを習慣化する
  2. デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
  3. 歯科医院で歯のクリーニングを受ける

それぞれの項目について詳しく解説します。

【方法1】毎日の歯磨きを習慣化する

歯垢が残っていることが原因で歯石ができるため、毎日歯磨きを行いましょう。

特に就寝前は念入りに行い、10分以上時間をかけます。
就寝中は唾液の分泌が少なくなり、細菌が発生しやすくなるためです。

歯科医院では、ブラッシング指導を行っています。
指導を受けることによって、正しい歯磨きの方法が理解できるでしょう。

【方法2】デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯磨きでは取れない歯と歯の間の歯垢が取れます。
ブラッシング後の仕上げとして利用すると良いでしょう。

歯の間が狭ければデンタルフロス広ければ歯間ブラシと使い分けます。
なお歯間ブラシを歯と歯の隙間に無理矢理いれると歯茎を痛める原因になります。
若い方や歯茎が詰まっている方は、デンタルフロスを使用しましょう。

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>>歯間ブラシで血が出る原因とは?2つの対処法と正しい使い方を解説

▼デンタルフロスの使い方について知りたい方はこちら▼
※準備中(内部リンク「デンタルフロス 使い方」)

【方法3】歯科医院で歯のクリーニングを受ける

歯のクリーニングを受けることで、歯磨きでは取り切れない汚れを除去できます。
そのため、歯石が付着することを防ぐ効果が期待できます。

歯のクリーニングは、ヤニや着色汚れを落とす効果もあると言われています。
その他にも、歯の表面が滑らかになる効果が見込まれます。

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歯石を除去するための治療法3選

歯石が付着してしまうと、普段の歯磨きなどでは取れません
そのため、歯科医院で治療を受ける必要があります。

歯石を除去するための治療方法は、下記の3点です。

  1. スケーリング
  2. ルートプレーニング(ディープスケーリング)
  3. フラップ手術(歯周外科手術)

それぞれの施術について、詳しく解説します。

【治療法1】スケーリング

スケーリングは、歯石を取り除く一般的な処置です。
ハンドスケーラーや超音波スケーラーと呼ばれる歯科用の器具を用いて、歯石を除去します。

歯石は1度除去しても、再度付着してしまいます。
そのため、3ヶ月に1回のペースでスケーリングを受けましょう。

▼スケーリングについて知りたい方はこちら▼
>>【お口を清潔に】スケーリングとは?歯石除去の効果や注意点まで詳しく紹介

【治療法2】ルートプレーニング(ディープスケーリング)

ルートプレーニング(ディープスケーリング)とは、歯周ポケットの奥深くにある歯石を除去する処置です。
歯石を取り除くだけでなく、歯周病菌に汚染された歯のセメント質を除去することにも使われる治療法です。

【治療法3】フラップ手術(歯周外科手術)

フラップ手術(歯周外科手術)は、ルートプレーニングなどを行っても歯肉の状態が改善されない場合に行われます。
歯肉を切開し、歯周ポケットの奥にある歯石を直接取り除く治療法です。

歯石のことでお悩みなら歯科医院にお気軽にご相談ください

歯石は一度付着してしまうと、歯磨きなどで除去することはできません
そのため、習慣的に歯をきれいにして、歯石が付かないように心がけることが大切です。

もし付着してしまった場合は、早めに歯科医院での治療を受けましょう
放置しておくことで、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。

歯石のことでお悩みなら、お近くの歯科医院にお気軽にご相談ください。

※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。

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