銀歯の治療における5つのデメリットとは?メリットや他の素材も解説

「銀歯にはデメリットもあるのかな」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

銀歯は、保険適用のため虫歯治療でよく使われます。

ただ、銀歯の下が虫歯になりやすかったり、金属アレルギーの原因になったりするなどのデメリットも存在します。

メリット・デメリットをしっかり把握した上で、使用を検討しましょう。

この記事では、銀歯治療について以下のポイントを解説しています。

  • 銀歯のメリット・デメリット
  • 銀歯以外で使う素材
  • セラミックのメリット・デメリット
  • それぞれの特徴を比較

詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

銀歯のデメリット

銀歯のデメリットは以下の5つです。

  1. 銀歯の下が虫歯になりやすい
  2. 見た目が目立つ
  3. メタルタトゥーが出てしまうことがある
  4. 金属アレルギーになってしまうことがある
  5. 劣化しやすい

それぞれ解説します。

 

【デメリット1】銀歯の下が虫歯になりやすい

銀歯の下が虫歯になりやすいというデメリットがあります。

銀歯は金属であるため、噛む力によって徐々に変形をします。そのため、装着してから時間がたつと銀歯と歯の間に隙間が生じてしまい歯垢が溜まりやすくなります。また、見た目にも虫歯がわかりにくいので、進行して重症化しやすくなってしまいます。

なお、1度治療した歯がまた虫歯になってしまうことを2次カリエスと言います。銀歯は歯垢ケアが難しく、もう1度虫歯になってしまう可能性が高いです。

 

【デメリット2】見た目が目立つ

銀歯治療をすると、非常に治療部分が目立ってしまいます。

銀色なので他の歯の色と違うのがすぐに分かり、治療痕がコンプレックスになってしまうこともあります。

銀歯で治療を行う際は、避けられない部分です。

 

【デメリット3】メタルタトゥーが出てしまうことがある

メタルタトゥーが出てしまうこともあります。メタルタトゥーとは、金属が錆びて溶け出し、歯ぐきに沈着してしまうことです。

銀歯は錆びやすいため、少しずつ金属が溶け出して歯ぐきの色が変わってしまうことがあります。こうなってしまうと、表面の歯茎をピーリングで剥がすほか色を戻す方法はありません。

メタルタトゥーの治療では、薬剤やレーザーで歯茎の表層を剥がします。しかし、銀歯を他の素材に変えなければ、再発する可能性があります。

▼歯が赤黒い原因と治療法ついて知りたい方はこちら▼
>> 歯茎が赤黒いと危険?症状の5つの原因と治療法を解説

 

【デメリット4】金属アレルギーになってしまうことがある

金銀パラジウム合金で作られた銀歯を入れた場合、アレルギー症状が起きる可能性があります。

銀歯の金属イオンが溶け出すと、唾液と一緒に飲んでしまいます。結果、体内に蓄積されていくとアレルギー化する可能性があるので注意しましょう。

今まで症状が無くても、突然金属アレルギーになることもあります。皮膚炎などの症状が出てしまうこともあるので注意が必要です。

 

【デメリット5】劣化しやすい

銀歯は3〜5年で劣化してしまいます。

劣化すると金属イオンが溶け出し、ここまで紹介してきたメタルタトゥーや金属アレルギーの原因になってしまうこともあります。

定期的に歯科医院でチェックし、劣化する前に対処しましょう。

銀歯を使うメリット

デメリットを紹介しましたが、銀歯を使うメリットも2つ紹介します。

  1. 保険適用可能
  2. 丈夫な素材

 

【メリット1】保険適用可能

銀歯を使った治療は保険適用が可能です。

銀歯以外の素材を使うと保険適用外になってしまうので、費用が高くなってしまいます。ただし、前述したデメリットがあるので費用と内容をよく検討し、歯科医院で相談した上で治療を進めましょう。

 

【メリット2】丈夫な素材

銀歯に使われる金銀パラジウム合金は丈夫な素材なので、割れたり欠けたりする可能性が低いです。壊れる可能性が低いので安心して食事をすることができます。

ただし、銀歯は使用するにつれて変形していきます。そのため、定期的なメンテナンスは必要です。

 

デメリットの多い銀歯を避けるならセラミックも検討

銀歯のデメリットが気になるのであれば、セラミック素材の被せ物や詰め物を使うこともできます。

セラミック素材のメリット・デメリットを解説します。

 

メリット

セラミックのメリットは以下の5つです。

  1. 目立ちにくい
  2. 虫歯になりにくい
  3. 種類が豊富
  4. 長持ちする
  5. 金属アレルギーやメタルタトゥーのリスクが少ない

 

【メリット1】目立ちにくい

セラミックは審美性が高く、歯の色に近いので目立ちにくいです。

自分の歯の色に合わせて数種類の中から色味を選ぶことができるので、見ただけでは歯の治療をしているか分かりにくくなります。

見た目を気にする必要がないので、治療痕がコンプレックスになりにくいです。

 

【メリット2】虫歯になりにくい

セラミックは銀歯に比べて虫歯になりにくいです。

セラミックは銀歯とは違い、変形をしません。そのため、セラミックと歯が接着する部分に隙間ができにくいので、歯垢が溜まりにくいためです。

 

【メリット3】種類が豊富

セラミックには以下のような種類があります。

  • オールセラミック
  • ハイブリッドセラミック
  • ジルコニアセラミック
  • メタルボンド

 

硬さや色味などを自分の希望に合わせて素材を選ぶことが可能です。

 

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【メリット4】長持ちする

セラミックは手入れをすれば平均10〜20年は持つとされています。

毎日歯磨きするなどのケアは必須ですが、劣化する可能性が低いので安心して生活することが可能です。

ただ、異常が起きる可能性は0ではありません。定期的に歯科医院で診てもらうようにしましょう。

 

【メリット5】金属アレルギーやメタルタトゥーのリスクが少ない

金属部品を使わないので、金属アレルギーやメタルタトゥーを起こすことがありません。

なお、メタルボンドという種類のセラミックのみ金属素材があります。ただし、この金属素材は金銀パラジウム合金ではなく、高純度の金合金なのでアレルギーのリスクは低いと考えられます。それ以外の素材は金属アレルギーの方でも安心して利用することが可能です。

 

デメリット

デメリットは以下の2つです。

  1. 保険適用外
  2. 割れたり欠けたりすることがある

【デメリット1】保険適用外

セラミックは自由診療となり保険適用外です。銀歯と違って高額になってしまうので、歯科医院としっかり相談して進める必要があります。

 

【デメリット2】割れたり欠けたりすることがある

強度がそこまで高くないので、割れたり欠けたりする可能性があります。

強い衝撃が加わったり、歯ぎしりが強かったりするとセラミックに影響が出てしまうので注意が必要です。

不安事項がある人はセラミックを検討する際に歯科医院で相談しましょう。

 

銀歯とセラミックを比較【メリット・デメリット】

銀歯とセラミックの特徴を表で比較しました。

銀歯 セラミック
保険 適用可 適用不可
見た目 目立つ 目立ちにくい
耐久性 平均3〜5年 平均10〜20年
種類 1つしかない 多い
病気・症状 金属アレルギー ほとんどない

 

保険適用外で費用がかかってしまいますが、セラミック素材であれば見た目も良く、アレルギーを起こす可能性がほとんどありません。

また、審美性が高いので、見た目を気にする人にも良いでしょう。

なお、どちらの素材であれ、定期的なメンテナンスが必要です。3ヶ月に1度くらいのペースで歯科医院へ通い、歯の状態をチェックしてもらいましょう。

 

銀歯などの詰め物・被せ物のメリット・デメリットを理解して治療を進めよう

この記事では、銀歯などの詰め物・被せ物治療について、以下のポイントを解説しました。

  • 銀歯のメリット・デメリット
  • 銀歯以外で使う素材
  • セラミックのメリット・デメリット
  • それぞれの特徴を比較

銀歯・セラミックでそれぞれ特徴が異なります。自分がどんな治療をしたいのか、歯科医師と相談しながら進めていきましょう。

また、どちらの素材も人工物なのでメンテナンスは必須です。毎日の歯磨きはもちろんのこと、定期的に歯科医院で歯の状態をチェックしてもらいましょう。

何か異常があった際でも、早期発見できれば治療は比較的楽に済むことが多いです。3ヶ月に1度のペースで定期検診にいきましょう。

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