【応急処置も】子どもの歯茎の腫れはどうしたらいい?原因・対処法を徹底解説

子どもの歯茎が腫れていると気づいたけれども、どうしたらいいかわからない方も多いのではないでしょうか?何かの病気なのか、心配される方もいるでしょう。

歯茎の腫れは放置すると悪化するケースもあるため、原因を知ったうえで適切な処置をしなければなりません。

この記事では、不安な親御様に向け、子どもの歯茎が腫れている原因、トラブルの理由や対処法、応急処置の方法などを解説します。気になる症状がある方は、ぜひお近くの歯科医院にご相談ください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

子どもの歯茎の腫れの原因

まず初めに、子どもの歯茎の腫れの原因を4つご紹介します。

  1. 歯肉炎
  2. ヘルペス性口内炎
  3. フィステル
  4. ストレス・体調不良

【原因1】歯肉炎

まず1つ目は歯肉炎です。

歯肉炎は細菌のかたまりである歯垢が引き起こす歯肉の炎症。一般的に痛みを伴いません。

そのため、自分では気づきにくく歯肉炎を発症しているかわからない場合も

ただし、歯肉炎を放置しておくと歯周炎に悪化する可能性があります。子どもの場合は歯肉炎の段階でとどまっているケースも多いですが、早めに対処しましょう。

【原因2】ヘルペス性口内炎

2つ目はヘルペス性口内炎。

歯茎の腫れだけでなく、発熱や口の周りに水泡ができるなどの症状が出てくるのが特徴です。ヘルペス性口内炎はウイルスが原因で、飛沫感染します。

発症する場合は、一般に高熱が出てきた後に歯茎が腫れるという順番です

高熱が先に出ていた場合は、小児科を受診しましょう。

【原因3】フィステル

3つ目はフィステルです。フィステルは簡単に言うと歯茎のできもの。
歯の根っこに炎症が起こって膿を出し、その出口にできるのが特徴です。

歯茎が腫れたり、歯の根元に白いできものがある場合はフィステルの可能性があります。

フィステルの原因の多くは、虫歯が進行し歯の神経が細菌感染することにより起こります。

フィステルは歯茎がブニブニした感じがするだけで、痛みを感じないことも

しかし、放置すると膿の袋がその周囲に悪影響を与えます。

違和感や口臭の原因になりますので、早めに歯科医院を受診しましょう。

【原因4】ストレス・体調不良

最後の原因はストレスや体調不良によるもの。

子どものストレスや体調不良・寝不足・栄養不足などが原因で、体力や免疫力が落ちた結果、通常は問題ない口腔内の細菌が悪さをして歯茎が腫れることがあります。

このケースでは、体調が復調すれば、おのずと改善することも多いですが判断は難しいと思いますので、不安なようであれば歯科医院を受診しましょう。

子どもの歯肉炎の種類と対処法

子どもの歯茎の腫れの原因である歯肉炎は、発症する時期や理由によりさらに細かい病名がついています。

ここではお子様がかかりやすいものを4つ紹介します。

  1. 不潔性歯肉炎
  2. 萌出性歯肉炎
  3. 思春期性歯肉炎
  4. 若年性歯周炎

それぞれ詳しい理由や対処法を説明しているので、先の説明で歯肉炎かなと思った方はぜひこちらもチェックしてください。

不潔性歯肉炎の原因と対処法

不潔性歯肉炎とは、歯磨きが充分なものでなく歯垢が溜まってしまった結果、引き起こされるもの。

子どもの場合は歯磨きの力加減がわからず歯茎を傷つけることもあり、その傷から発症することもあります。歯が磨けていないことで口内の細菌が増加しているところに、歯茎の傷が作られて、そこから感染するケースが多いです。

対処法は、歯の周りについた歯垢を取り除くこと。また、感染のきっかけとなる傷を作らないために、歯磨きを強くしすぎないことも大切です。

気になる方は歯科医院で歯磨きの指導を受け、適切な力加減で歯垢を落とす方法を学ぶとよいでしょう。

萌出性歯肉炎の原因と対処法

萌出性歯肉炎とは、永久歯が生えかけのときの歯磨き不足が原因で起こります。

永久歯が完全に生えるまでは一部が歯茎の中で隠れているため、歯磨きが難しくなります。そのため、磨き残しが出てきて歯周炎になってしまうのです。特に奥歯は歯磨きしにくいので注意しましょう。

歯が生え変わってくるにつれて症状はおさまってきます。

しかし、萌出性歯肉炎になると歯磨きのときに痛みを感じることもあるので、そもそもかからないように予防することをおすすめします。

こちらも対処法は、丁寧に歯磨きをすること。特に生え変わりの時期は普段より意識して、しっかりと歯を磨くようにしてください。

思春期性歯肉炎の原因と対処法

思春期性歯肉炎とは、思春期特有のホルモン分泌変化によって炎症が引き起こされるものです。主な原因が歯垢であることは変わりませんが、どれだけ清潔にしていても起こる可能性があります。

特に女性ホルモンの影響を受けるため、発症するのは女子のほうが多いです。思春期の子どもの約20%がかかると言われているので、珍しいものではありません。

対処法は、しっかり歯垢を取り除き溜めないこと。清潔にしても完全に防ぐことはできませんが、悪化しにくくなります。また、ホルモンバランスを整えることも大切です。

栄養バランスのとれた食事や、生活習慣を整えると予防効果が見込めます。

若年性歯周炎の原因と対処法

若年性歯周炎とは、子どもの頃にできた歯肉炎を放置した結果発症するもの。歯周炎は中高年の病気というイメージがあるかもしれませんが、13歳から15歳程でも発症する可能性があります。

若年性歯周炎は、急速に進行することが特徴です。

対処法は、子どもの頃にできた歯肉炎を直しておくこと。もしすでに発症している場合は、早期に歯科医院を受診しましょう。

歯科医院では、歯石の除去・歯磨き指導などの一般的な歯周病治療と並行して、抗生物質による療法をおこないます。

子どもの歯茎の腫れへの応急処置

歯茎が腫れている場合の応急処置は、患部を冷やすこと。冷水に浸したタオルをあてて上げてください。

ただし、氷で急激に冷やすのはNGです。血行不良の原因にもなるので冷やし過ぎてはいけません。また、歯茎をできるだけ刺激しないように、歯ブラシを柔らかめのものに変えましょう。

腫れに痛みが伴う場合は、市販の痛み止めを服用しても大丈夫です。

ただし、早めに歯科医院を受診するようにしてください。

まとめ

子どもの歯茎の腫れの原因は複数あり、ぱっと見ではわかりづらい場合も。

日頃からお子さんの口を観察してていねいに歯を磨けば、違和感に気づきやすくなります。また歯垢を落としてあげればトラブルを未然に防げる可能性があるので、小さなお子様にはぜひ仕上げ磨きをしてあげましょう。

小さなことでも放置しておくと、悪化してしまう場合もあります。

気になることや、わからないことが少しでもあれば、当院の小児歯科もぜひご利用ください。

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