20代の2〜3割が歯周病?原因や予防策を解説

「20代でも歯周病になるの?」
「歯周病になるとどのような症状があるのか知りたい」
「歯周病の原因が気になる」
このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

歯周病は20代で発症しても珍しくありません。普段の歯磨きや歯科医院での定期検診で予防をしっかり行い、歯周病を防ぎましょう。

この記事では、20代の歯周病に関する以下のポイントを解説します。

  • 歯周病の段階
  • 原因
  • 治療法
  • 予防法

詳しく解説しますので、参考にしてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

20代の歯周病は珍しくない

20代でも歯周病にかかるのは珍しくありません。

厚生労働省の調査によると、歯周ポケットが4mm以上となっているのは以下の割合です。

  • 15〜24歳:20%弱
  • 25〜34歳:30%以上

歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にある溝のことで、 歯周病が進行すると深くなっていきます。

歯周病とは歯垢などの細菌感染が原因で、歯茎が炎症を起こしている状態です。歯磨きをしていても、うまく歯垢が取れていなかったり、口内環境が悪かったりすると歯周病になります。

早めに治療しないと歯周ポケットが広がり、重症化します。重症化すると、心筋梗塞や肺炎にも関連すると言われているので注意しましょう。

歯周病を段階ごとに解説【20代でも注意】

歯周病は以下の段階に分かれます。

  1. 歯肉炎
  2. 軽度歯周炎
  3. 中度歯槽膿漏
  4. 歯槽膿漏

それぞれ解説します。

【段階1】歯肉炎

歯肉炎は歯周ポケットが2〜3mmの状態です。

歯茎が赤く腫れたり、硬いものを噛むと出血したりする症状があります。自覚症状が少なく、気づかないうちに発症しやすいです。

ブラッシングを丁寧に行い、歯垢を除去すると症状が改善します。

▼歯周病の初期症状について知りたい方はこちら▼
歯周病ははやめの治療が大切!初期症状や3つの予防法も解説

【段階2】軽度歯周炎

軽度歯周炎は歯周ポケットが3〜4mmの状態です。

軽い出血があったり、歯肉が軽く腫れたりする症状があります。軽度歯周炎は痛みがあまりないので気付きにくいです。

ブラッシングを改善し、必要に応じて歯石を除去して治療を行います。

【段階3】中度歯槽膿漏

中度歯槽膿漏は歯周ポケットが4〜7mmで歯槽骨が半分以上溶けている状態です。

以下のような症状が出ます。

  • 歯茎が腫れる
  • 歯がぐらつく
  • 口臭がひどくなる
  • 歯茎から膿が出る

歯周ポケットの歯石を除去して治療を行います。進行度合いによっては、歯茎を切開して歯石を除去します。

【段階4】歯槽膿漏

歯槽膿漏は、歯周ポケットが6mm以上の深さになり、歯槽骨が3分の2以上溶けた状態です。

以下のような症状が出てきます。

  • 歯がぐらつく
  • 口臭がひどい
  • 膿や出血が激しい

放置すると歯が自然と抜け落ちるので、早急に治療が必要です。歯石を除去して改善されなければ、外科的な治療を行います。

▼歯槽膿漏について知りたい方はこちら▼
【お口の健康を保つ】歯槽膿漏の治し方は?原因や予防方法も詳しく解説!

 

歯周病の原因3選

歯周病の原因は以下の3つです。

  1. 歯垢が取れていない
  2. 口内環境が悪い
  3. 生活習慣が乱れている

それぞれ解説します。

【原因1】歯垢が取れていない

歯垢が取れていないと、歯周病が発症します。

口内細菌による炎症が原因で歯周病が引き起こされます。歯垢は口内細菌の塊なので、しっかり除去しましょう。

歯磨きをしなかったり、歯磨きのやり方がうまくなかったりすると歯垢が残りやすいです。

【原因2】口内環境が悪い

口内環境が悪いと歯周病になりやすいです。

口内が乾燥している状態だと唾液が少なくなり、歯周病になりやすくなります。また、歯並びが悪いと歯磨きがしにくく、歯ブラシの届かないところに歯垢が残りやすくなります。

口内環境は癖や生活習慣を整えることで改善できます。しかし、生まれつき歯並びが悪いなどの状態では、正しく治療しないと改善できません。

【原因3】生活習慣が乱れている

生活習慣が乱れていると、歯周病を引き起こしやすいです。

寝不足や不規則な生活を続けていると免疫力が弱くなり、歯周病を引き起こしたり、悪化したりします。また、ストレスを抱え込むのも免疫力が弱くなる原因です。

歯周病の治療法

歯周病の治療法は以下の3つです。

  1. ブラッシング指導
  2. 歯垢・歯石を除去する
  3. 外科手術

それぞれ解説します。

【治療法1】ブラッシング指導

歯周病改善のために、ブラッシング指導を行う治療法です。

歯科医院で、歯科医師や歯科衛生士から歯磨きのやり方を教えてもらい、日々のブラッシングを改善します。正しく磨くことで歯垢や歯石のない口内環境が作れれば、歯周病が改善します。

軽症の場合、ブラッシング指導だけで治療が済むので、早い段階で歯科医院にいくようにしましょう。

【治療法2】歯垢・歯石を除去する

歯周病が進行している場合、歯周ポケットから歯垢・歯石を取り除く治療を行います。

超音波を使って歯垢を取るスケーリングや、歯根を滑らかにするルートプレーニングを行って歯垢を除去します。

歯周ポケットが改善され、3mm程度になれば治療完了です。

【治療法3】外科手術

歯周病が重症化していて回復が見込めない場合は、外科的な処置を行います。

重症化している場合、歯茎を切開し歯垢や歯石を取り除く手術が必要です。また、歯肉自体を元の状態に戻すために取り除く場合もあります。

症状によっては、歯周組織にあたる骨を再生する治療を行います。

歯周病の予防法

歯周病を予防する方法は以下の3つです。

  1. 歯磨きの習慣を改善する
  2. 規則正しい生活を送る
  3. 歯科医院へ定期検診にいく

それぞれ解説します。

【予防法1】歯磨きの習慣を改善する

毎日の歯磨きを丁寧に行うと、歯周病を予防できます。

以下のポイントを意識して歯磨きを行いましょう。

  • 時間をかけて歯を磨く
  • 正しい方法で磨く
  • 歯ブラシが届きにくいところはデンタルグッズを使う

しっかり磨いて歯垢を取り除くことで、歯周病を予防できます。

▼歯磨きの時間について知りたい方はこちら▼
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フロスと歯間ブラシは両方使うべき?特徴や使い方を解説

【予防法2】規則正しい生活を送る

歯周病を予防するために、規則正しい生活を送りましょう。

以下のような習慣を送ることで、抵抗力を高められます。

  • 睡眠をしっかりとる
  • 健康的な食事をとる
  • リラックスする

抵抗力を高めることで、歯周病を引き起こす可能性を減らせます。

【予防法3】歯科医院へ定期検診にいく

歯科医院へ定期検診にいき、歯周病を予防しましょう。

口内の状態を歯科医師に確認してもらえます。また、歯垢を除去してもらえたり、ブラッシング指導を受けたりして、歯周病を防げます。

3ヶ月に一度くらいのペースで通うようにしましょう。

まとめ

この記事では、20代の歯周病に関する以下のポイントを解説しました。

  • 歯周病の段階
  • 原因
  • 治療法
  • 予防法

20代でも歯周病は発症します。ブラッシングを丁寧にしたり、生活習慣を改善したりして、歯周病を予防しましょう。

また、定期的に歯科医院で診てもらうと、歯周病を防げます。ブラッシングの指導を受けたり、専門の器具を使って歯垢を除去してもらったりできます。

歯垢を溜めてしまわないよう、日々のケアを丁寧に行った上で、定期的に歯科医院にいくようにしましょう。

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