抜歯後の過ごし方は?いつまで痛みが続くかや、治るまでの期間も解説

こんにちは、むかえ歯科小児歯科です。

今回は、抜歯後の過ごし方について解説します。歯科医院で抜歯をすると言われて、不安になっている方もいるのではないでしょうか。また、抜歯の痛みがいつ頃ひくのかという疑問もあるでしょう。

そこでこの記事では、

  • 抜歯後のリスク
  • 抜いた歯の穴が治癒するまでの流れ
  • 抜歯後の過ごし方

を紹介します。

抜歯後の過ごし方によって痛みや治癒までの期間が変わってくるため、ぜひご覧ください。

抜歯後のリスク

抜歯は、歯茎を切って歯を抜く治療です。手術を伴うため、どうしても身体に負担がかかり、術後に以下のような症状が出てくる可能性があります。

  • 出血する
  • 腫れる
  • 口が開きにくくなる
  • 周りの歯がしみる
  • あざができる

それぞれ、どれくらいの期間続くのかも含めて解説します。

出血する

抜歯直後から翌日までは、切開した歯茎から血がでることがあります。唾液に血が混ざることもありますが、様子をみて差し支えありません。

 

血が出ている場合はガーゼを噛み、30分程度圧迫すると血は止まります。それでも出血が止まらない場合や、血が大量に出てくる場合は歯科医院にご相談ください。

腫れる

抜歯してから傷が治るまでの間に炎症が起き、腫れや痛みを引き起こします。歯茎を切開したり、骨を削ったりして抜歯をした場合、腫れが出やすいので要注意です。

 

抜歯をしてから半日程度で腫れ始め、1〜2日がピークです。通常、痛みは2〜3日、腫れは1週間前後で引いていきます。

口が開きにくくなる

抜歯後、口が開けづらかったり大きく開かなかったりする方もいます。これは、抜歯による炎症が口の周りの筋肉まで広がっているのが原因です。

 

口の開きにくさは1〜2週間程度でおさまります。

周りの歯がしみる

抜歯をした周りの歯がしみることもあります。特に親知らずが深く埋まっていた場合、抜歯により歯茎が下がって隣の歯の根が露出するのが原因です。

歯の根が歯茎で覆われていくにつれて、徐々に症状が収まってきます。

あざができる

抜歯後、顎周辺にあざができる場合もあります。これは、抜歯によって組織が損傷したり内出血が起きたりして生じるものです。

あざは抜歯当日ではなく、1〜2日後に発生してきます。一過性のもので1〜2週間で消失するので心配はいりません。

抜歯後の穴が治癒するまで

抜歯後にできた穴は、抜歯窩(ばっしか)と呼ばれます。歯を抜いてから抜歯窩が塞がるまでの流れを解説します。

  1. 血餅ができる
  2. 上皮化が始まる
  3. 肉芽組織に変化する
  4. 骨が再生する
  5. 歯茎の穴が完全に埋まる

それぞれ、どのような状態か見ていきましょう。

1. 血餅ができる

歯を抜くと、その部分の歯茎に血がたまり、塊ができます。この血の塊が、この血の塊が血餅(けっぺい)です。血餅は最初は赤黒く、しばらく経つと白いぷにぷにした見た目になります。

 

血餅はかさぶたのようなに、傷口が治癒するまで歯茎を守るものです。見た目が気になるかもしれませんが、剥がさないようにしましょう。

上皮化が始まる

抜歯後3~4日ほどで歯茎が再生する「上皮化(じょうひか」が始まります。傷口が治り始め、この頃には痛みが和らいでいきます。

 

しかし、上皮化した状態ではまだ穴が塞がっているわけではありません。再生したばかりの歯茎はとても柔らかく弱いので、できるだけ触らないようにしましょう。

肉芽組織に変化する

抜歯初期にできた血餅は、1週間ほどで肉芽組織(にくげそしき)に変化します。肉芽組織とは、傷を保護して治すためにできる組織のことです。

 

肉芽組織は血餅より歯茎に定着するため、この時期になると骨が露出するリスクが下がります。

骨が再生する

個人差はありますが、3週間〜1ヶ月ほどで抜歯窩が歯茎で覆われ、骨が再生し始めます。ただし、この時期はまだ歯茎や骨が完全に再生したわけではないため、歯茎の凹みや穴の形が残っています。

人により歯茎が盛り上がってきますが、まだ骨は再生途中の状態です。

歯茎の穴が完全に埋まる

1ヶ月から1ヶ月半で穴は歯茎に覆われます。この後半年から1年ほどで、歯茎の穴が完全に埋まり、骨が再生します。

このまで来ると新たな歯茎や骨が出来上がった状態で、レントゲンで撮影しても映らないくらいになります。

抜歯後は差し歯にできない!治療法も解説

「抜歯後に穴が開いているなら、差し歯にできるのではないか」という相談を受けることがあります。しかし、抜歯した歯には差し歯を使えません。

虫歯などが原因で歯を抜いた場合、差し歯の芯を指す歯根もなくなってしまいます。そのため、歯根がない状態でできる治療法を選ぶ必要があります。

抜歯した時の治療法は以下の3つです。

  • ブリッジ
  • 入れ歯
  • インプラント

なお、親知らず以外の歯を抜いたあとは必ず治療を行いましょう。そのままにすると横の歯が倒れてきてしまったり、顎の骨が吸収されやすくなったりするリスクがあります。

▼それぞれの治療法のメリット・デメリットを解説

>>【保存版】インプラント・ブリッジ・入れ歯治療のメリット・デメリットを徹底解説

抜歯後の過ごし方

抜歯後の痛みを抑え、治癒を妨げないためには、術後の過ごし方が大切です。歯を抜いた後に意識すべきことをまとめて紹介します。

 

  • 抜歯した日は安静にする
  • 抜歯した部分は触らない
  • 刺激物や硬いものを避ける
  • うがいをしすぎない

 

ぜひ、意識してみてください。

抜歯した日は安静にする

抜歯当日はできるだけ安静にしましょう。血行を良くしてしまうと患部から出血したり、痛みが増したりする可能性があります。

運動や長時間の入浴は避け、血行を促進しないようにしましょう。

抜歯した部分は触らない

抜歯した部分が気になる気持ちはわかりますが、できるだけ歯や舌で患部を触らないようにしましょう。抜歯した部分を触るとせっかくできた血餅が取れて骨の表面がむき出しになってしまい、痛みの原因となります。

触った部分から細菌が入ると痛みが長引く原因にもなるため、触れずに過ごしましょう。

刺激物や硬いものを避ける

香辛料やスパイスなどを使った料理は刺激となり、傷口に腫れや痛みを引き起こす原因となります。出血の恐れもあるため、しばらく避けましょう。

特に、抜いた歯の根が露出している場合、強い痛みを感じます。傷口の塞がった状態が定着し始める1週間くらいまでは、刺激物を避けるのがおすすめです。

また、抜歯直後は硬いものも避けましょう。抜歯窩に食べ物が当たり、痛みの原因となります。

うがいをしすぎない

抜歯当日に出血していると、血の味が気になってうがいを頻繁にする方がいますがおすすめしません。うがいの刺激で血餅が剥がれてしまい、治りが遅くなります。

特に血餅ができ始める抜歯当日は、うがいを極力控えましょう。気になる場合は、水を口に含み、吐き出す程度にしてください。2日目以降はうがいできますが、できるだけ優しくするように心がけ、回数も多すぎないようにしてください。

抜歯の不安や抜歯後の悩みは歯科医院でご相談ください

抜歯後の過ごし方で、その後の痛みや治癒のスピードが変わってきます。患部に刺激を与えることがないように、気をつけるようにしましょう。

また、抜歯後は、腫れや痛みが出たり、口が開けにくくなったりすることがあります。どれも一時的なものであるので、まずは様子を見てみてください。もし痛みが長引いたり強まったりしているなどのお悩みが荒れば、ぜひお近くの歯科医院でご相談ください。