銀歯がしみる原因3選!対処法や歯科医院での治療方法も解説

銀歯がしみて辛い・・・」と感じている方も多いのではないでしょうか。

銀歯は治療後すぐ、またはしばらくするとしみてしまうことがあります。

特に、治療したばかりの頃は神経が過敏になってしまっているので、症状が出やすいです。その場合は2〜3日で回復します。

ただ、しばらくしてもしみることが続くようでしたら注意が必要です。虫歯や知覚過敏などの異常が起きている可能性があります。

歯科医院で診てもらいましょう。

この記事では、銀歯がしみてしまう状態について以下のポイントを解説しています。

  • 治療後すぐにしみてしまう原因
  • しばらくしてから歯がしみる場合の原因
  • 対処法
  • 治療法
  • 歯がしみないように普段からできること

ぜひ参考にしてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

銀歯は治療後すぐやしばらくするとしみてしまう場合がある

銀歯治療をすると、しみてしまうことがあります。

銀歯は、虫歯治療の際に詰め物や被せ物として使われる金銀パラジウム合金という素材でできた歯です。

保険適用で安価な上、耐久性も高いので利用されることが多いですが、治療後にしみたという声は少なくありません。

実は過去の虫歯治療では安易に歯の神経をとってしまうことが多々ありました。これは、治療後にしみるのを防ぐという意味合いがありました。しかし、現在では歯の神経は可能な限り残すという治療法が主流となっています。これは、歯の神経をとってしまうと歯の寿命が著しく落ちるということが判明しているためです。

歯を削るなどの銀歯をつける際の刺激によって、治療後すぐは神経が過敏になってしまうことがあります。その場合、2〜3日間ほどしみてしまうことがあります。

また、歯に何か異常がある場合、治療後しばらくしてからしみてしまうこともあります。その場合、銀歯の中が虫歯になっていたり、歯が損傷していたりする可能性もあるので注意が必要です。

しみるのが続く場合は、早めに歯科医院へ行って診てもらいましょう。

銀歯治療後すぐにしみてしまう原因3選

銀歯の治療後すぐにしみてしまう原因は以下の3つです。

  1. 神経が過敏になっている
  2. 銀歯の熱伝導率が高い
  3. 神経が弱る

それぞれ解説します。

 

【原因1】神経が過敏になっている

神経が過敏になっていると、しみてしまうことがあります。

虫歯治療をする際の歯を削る刺激や、食べ物の熱などが歯の神経にダメージを与え、神経が過敏になってしまうのです。

しみるのが引くまでに2〜3週間ほど続く場合もあります。

治療方法は特にありません。時間が経つと象牙質が形成されて、しみなくなります。治療後はしばらく様子をみてみましょう。

 

【原因2】銀歯の熱伝導率が高い

銀歯の熱伝導率が高いことが原因で、しみてしまうことがあります

銀歯は金属なので、熱いものや冷たいものの温度を伝えやすく、神経に刺激を与えやすいです。

進行していた虫歯を治療した場合など、銀歯の近くに神経がある際に刺激が伝わりやすく、しみやすくなるものです。治療後に銀歯がしみる一番の原因となっています。

治療で過敏になった神経が回復するとしみにくくなるので、しばらく様子をみてみましょう。

 

【原因3】神経が弱る

神経が弱まっているとしみやすいです

神経への刺激が多かったり、知覚過敏の状態が長く続いたりすると、神経が耐えきれずに弱くなってしまいます。

治療はできるだけ神経を残すようにおこないますが、治療後も弱くなった神経が回復しない場合、根管治療を行い神経を取る必要もあります。

ただし、神経は刺激に慣れてくることがほとんどです。しばらく様子をみて、あまりにもしみる状態が続くようであれば歯科医院で診てもらいましょう。

 

【原因4】銀歯が合ってない

銀歯の大きさや高さが合っていないとしみることがあります。

歯の噛み合わせは非常にシビアで、1ミリずれているだけでも違和感で出てしまいます。特に銀歯を入れたばかりの頃は、銀歯の厚みで高さが変わりやすくしみやすいです。

銀歯を技工士に作ってもらう場合、仮歯や仮詰めをするので違和感が出やすいです。その期間が長くなると、噛み合わせがずれてしまい、しみたり痛んだりしてしまいます。

高さが合ってないと感じる場合は早めに歯科医院で診てもらいましょう。

 

銀歯治療後しばらくしてから歯がしみる場合の原因3選

銀歯の治療後しばらくしてから歯がしみてしまう原因は以下の3つ。

  1. 虫歯になっている
  2. 知覚過敏になっている
  3. 歯ぎしりで歯が損傷している

それぞれ解説します。

 

【原因1】虫歯になっている

銀歯の下が虫歯になってしまっていると、しみる可能性があります。

虫歯が進行していると、歯が溶け出していきます。その結果、噛む刺激や、熱いものや冷たいものの刺激が神経に届きやすくなってしまいます。

被せ物や詰め物をしていると、虫歯になっているかどうか気づきにくいです。違和感が出たときに起こしいただくほか、歯のトラブル発見のために歯科医院へ行くようにしましょう。

 

【原因2】知覚過敏になっている

知覚過敏になっていると、治療後しばらくしてからしみることがあります。

知覚過敏とは歯の内側にある象牙質が露出したり、エナメル質が薄くなってしまったりして、神経を刺激しやすくなった状態です。

歯周病で歯茎が下がってしまっていると象牙質の部分が露出しやすくなり、知覚過敏の原因になります。

歯周病の原因は歯垢です。銀歯治療をすると、銀歯と歯の隙間にある歯垢は取れにくくなってしまい、歯周病になってしまう可能性が高くなってしまいます。

 

【原因3】歯ぎしりで歯が損傷している

歯ぎしりで歯が損傷してしまうと、しみることがあります。

歯ぎしりは60〜100キロほどの力が歯にかかるので、歯の損傷や顎の骨に影響が出る原因になりやすいです。また、力がかかる際に神経が刺激されると、しみたり痛みが出たりすることもあります。

また、銀歯の高さがあっていないことが原因で力の加わり方が変わり、欠けたり折れたりする可能性もあります。

 

銀歯がしみる場合の対処法

銀歯がしみる場合の対処法を以下の状況ごとに紹介します。

  • 治療してすぐしみる場合
  • 治療後しばらくしてからしみる場合

 

【治療してすぐしみる場合】3日ほど経過観察する

治療後すぐにしみている場合は、3日ほど経過観察しましょう。

銀歯治療をした直後は神経が過敏な状態で、しみることが多いです。さらに、銀歯を固定する薬剤がしみている場合もあります。

これらが原因であれば、2、3日経過観察すると回復する場合が多いです。

もし、数日たっても回復しなかったり、痛みが出てきたりした場合は歯科医院で診てもらいましょう。

 

【治療後しばらくしてからしみる場合】すぐに歯科医院に行く

銀歯の治療をしてしばらくしてからしみる場合はすぐに歯科医院へ行きましょう。

虫歯や知覚過敏が重症化して、しみている可能性が高いです。進行している場合、1度銀歯を外して治療を進める場合こともあります。

自然治癒はしないので歯科医院で必ず治療するようにしましょう。

 

銀歯がしみてしまう場合の治療方法5選

銀歯がしみてしまう場合の治療法は以下の5つです。

  1. 銀歯を別の素材に変える
  2. 根管治療を行う
  3. マウスピースを使用
  4. 噛み合わせを調整する
  5. 歯周病治療をする

 

【治療方法1】銀歯を別の素材に変える

銀歯をセラミックやジルコニアなどの素材に変えることで、しみるのを防ぎます。

銀歯と違って変形しにくい素材なので、被せ物と歯の間に隙間ができにくいのがメリットです。他にも、金属アレルギーを防げたり、審美性が高かったりするという利点もあります。

ただ、保険適用外の治療なので費用が高くなるというデメリットもあります。

歯科医師と相談して使う素材を決めていきましょう。

内部リンク:歯 ジルコニア

 

【治療方法2】根管治療を行う

神経がむき出しになるほど虫歯が進行しているのであれば、神経を取る根管治療を行います。また、銀歯の治療後に神経が過敏になっている状態が回復しない場合も、根管治療を検討します。

最初の段階では、歯の神経を残せる可能性がある場合は残す治療を優先します。しかし、刺激を既に多く受けた神経は治療の刺激に耐えきれず、回復できないこともあります。その場合は改めて根管治療をおこないます。

歯の神経を抜くとしみなくなりますが、歯の色が変わってしまったり、寿命を短くしたりするなどのデメリットもあります。自分の症状の進行状態を踏まえ、歯科医師と相談して治療を進めましょう。

▼歯の神経を抜く治療について知りたい方はこちら▼
>>歯の神経を抜くとどうなる?根管治療の流れや注意点を解説

 

【治療方法3】マウスピースを使用

歯ぎしりが酷い場合はマウスピースを処方して銀歯や歯を守ります。

歯ぎしりは、「睡眠関連運動異常症」という睡眠障害の一種で、原因はストレスと言われています。治療には、原因であるストレスを減らしていくことが大切です。

歯科医院に相談すれば、自分の歯にあった専用のマウスピースを作ることができます。歯ぎしりがひどい場合は、歯科医院で相談してみましょう。

 

【治療方法4】噛み合わせを調整する

噛み合わせを調整する場合もあります。

噛み合わせが悪いと、歯が磨耗して知覚過敏の症状が出やすくなってしまうのです。

詰め物・被せ物の位置や高さを調整するのですが、もし調整できないほど重症であれば矯正治療も検討します。

噛み合わせが悪いと、軽い歯ぎしりでも歯がかけてしまうことがあるので、マウスピースを処方することもあります。

 

【治療方法5】歯周病治療をする

歯周病治療を行う場合もあります。

歯周病が進行すると、歯茎が下がり象牙質が露出して知覚過敏になりやすくなってしまいます。

歯周病の原因は歯石や歯垢です。スケーラーという専門の器具を使って歯石・歯垢を除去することで歯周病を治療します。

歯石化すると、歯磨きだけでは取れません。専門の器具を使う必要があるので、歯科医院で治療を行いましょう。

▼歯周病の治療の流れについて知りたい方はこちら▼
歯周病治療の流れや期間を4ステップで解説【治療後も注意】

 

銀歯がしみなくなるようにするために普段からできること4選

銀歯がしみなくなるようにするために、普段からできることは以下の4つです。

  1. 正しく歯磨きを行う
  2. デンタルグッズを使う
  3. ストレスを減らす
  4. 定期的に歯科医院へいく

 

【普段からできること1】正しく歯磨きを行う

歯磨きを丁寧に行い、歯垢を溜めないようにしましょう。歯石になる前の歯垢の状態であれば、歯磨きで除去することが可能です。

普段の歯磨きのやり方を改善して、歯垢をきれいに取り除きましょう。

歯磨きの正しいやり方が分からないようであれば、歯科医院で相談することもできます。

また、歯ブラシの選び方も大切です。毛は普通の硬さでヘッドが小さいものだと磨きやすいのでおすすめです。

▼歯ブラシの選び方について知りたい方はこちら▼
【歯ブラシの選び方】普段の歯磨き用におすすめの選び方を年齢別に解説

 

【普段からできること2】デンタルグッズを使う

歯垢を除去するために、デンタルグッズを使いましょう。

歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯ブラシが届きにくい部分の歯垢も除去できます。

歯ブラシだけだと、歯垢除去率は約60%しかありません。歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、除去率を90%まで高めることができます。

薬局でも簡単に買えるので、1日1回は歯磨き後に使うようにしましょう。

 

【普段からできること3】ストレスを減らす

ストレスを減らすことができれば、歯ぎしりを防ぐことができます。

しっかり睡眠を取ったり、ゆっくりお風呂に入ったりしてリラックスする時間を取りましょう。

ストレスが多いなと感じているのであれば、生活習慣を根本から見直す必要もあります。

歯ぎしりだけでなく、他の病気を引き起こす可能性もあるので、できるだけ減らしていきましょう。

 

【普段からできること4】定期的に歯科医院へいく

定期的に歯科医院でクリーニングを行いましょう。

普段の歯磨きを丁寧に行っていても、歯垢が口内に残ってしまうこともあります。自分の目では歯垢や歯石は見えにくいので、定期的に歯科医院で口内をチェックしてもらいましょう。

また、被せ物や詰め物の中に溜まっている歯垢は、レントゲンを撮らないと分かりにくいです。3ヶ月に1回程度のペースで通い、しっかりチェックしてもらいましょう。

 

銀歯治療後に経過観察してもしみるようであれば歯科医院で相談しよう

この記事では、銀歯がしみてしまう状態について以下のポイントを解説しました。

  • 治療後すぐにしみてしまう原因
  • しばらくしてから歯がしみる場合の原因
  • 対処法
  • 治療法
  • 歯がしみないように普段からできること

 

治療後すぐは神経が過敏になりやすく、しみやすいので様子をみましょう。ただ、経過観察してもしみ続ける場合は、歯科医院で相談してください。

また、銀歯治療後しばらくしてからしみている場合は要注意です。虫歯や知覚過敏が重症化している可能性があるので、早めに歯科医院でみてもらいましょう。

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