【加齢だけじゃない】歯茎が下がる原因8選!対策や治療方法を解説

皆さんこんにちは、むかえ歯科・小児歯科です。
今回は、歯茎が下がる原因や治療法についてお話します。

歯茎が下がっていると、笑うときや会話をするときに、人目が気になる方も多いのではないでしょうか。
実は歯茎が下がると、見た目が悪くなるだけでなく、虫歯など病気になりやすかったり、治療費がかさんだりする場合もあります。

そこで本記事では、

  • 歯茎が後退する原因
  • 対策方法
  • 下がった歯茎を修復する治療内容

などを紹介していきます。

お口の健康を長く保ちたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

歯茎下がりをチェックするには?症状のレベルを解説


歯茎が下がっているかどうかは、以下3つの症状レベルによって判断できます。

  1. 初期
  2. 中期
  3. 重度

どのような状態なのか、詳しく解説します。

【症状レベル1】軽度:1~2mm下がっている

初期の症状だと、歯茎は1~2mm程度下がっています。
根元から、歯の黄色い部分である象牙質が見えます

初期の場合、痛みはほとんどありませんが、知覚過敏を伴うこともあります。

【症状レベル2】中度:3~4mm下がっている

歯茎下がりが進行すると、3~4mm程度下がります。
歯茎全体が下がっている場合は、加齢によるものなので、治療の必要がありません。

ただし、一部だけが極端に下がっていると歯周病の疑いがあります。

【症状レベル3】重度:5mm以上下がっている

歯茎が5mm以上下がっているのは、周りの骨も溶けている場合がほとんどです。
この状態になると、歯茎だけでなく、骨の再生治療も行う必要があります。

歯茎が下がるデメリット3選

歯茎が下がることによって、主に3つのデメリットがあります。

  1. 歯が長く見えるため見栄えが悪い
  2. 食べ物が詰まりやすい
  3. 虫歯や知覚過敏になりやすい

それぞれの項目について解説していきましょう。

【歯茎が下がるデメリット1】歯が長く見えるため見栄えが悪い

歯茎が下がると歯が長く見えます。
そのため、見た目が不自然になるのがデメリットです。

その他にも、人との会話に気を使ったり、笑顔に自信が持てなくなったりする可能性もあります。

【歯茎が下がるデメリット2】食べ物が詰まりやすい

歯茎が下がると歯と歯の隙間が広がるため、食べ物が詰まりやすくなります。
結果として、虫歯や歯周病の原因となります。

食べかすは、原因菌の餌です。
食べかすがたまった状態が長く続くことにより、虫歯や歯周病の症状の進行が早まる場合もあるでしょう。

【歯茎が下がるデメリット3】虫歯や知覚過敏になりやすい

歯茎が後退すると歯の根元部分があらわになります。
歯根部分は歯の最も硬いエナメル質がなく、象牙質がむき出しの状態です。
象牙質は柔らかいため虫歯になりやすいです。

さらに、神経に近いため知覚過敏になる可能性もあります。

歯茎が下がる8つの原因と対策方法

歯茎が下がる原因は、主に以下8つです。

  1. 歯周病が進行している
  2. 力強く歯を磨いている
  3. 嚙み合わせが悪い
  4. 矯正治療を受けている
  5. 歯ぎしり・食いしばりをしている
  6. 詰め物や被せ物のサイズが合っていない
  7. 爪を噛む・歯を舌で押す癖がある
  8. 加齢によるもの

それぞれの対処法も併せて紹介します。

【歯茎が下がる原因1】歯周病が進行している

歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が少しずつ溶かされます
顎の骨が減少してしまうと、それを覆っている歯茎も下がりやすいです。

なお、歯周病の治療を行うことで歯茎の後退を予防できる効果が見込まれます。
お口のトラブルがある場合、放っておかずに早めに歯科医院へご相談ください。

▼歯周病の原因・対策について詳しく知りたい方はこちら▼
>>歯周病の原因とは?症状や治療方法、予防法まで徹底解説

【歯茎が下がる原因2】力強く歯を磨いている

力強く歯を磨くクセがある人は、歯茎が傷付く擦過傷(さっかしょう)になりやすいです。
強すぎるブラッシングでは、歯茎が痩せて後退していきます。

対処法としては歯磨きを適度な力で行うことです。
ブラッシングをする際は、毛先が広がらないくらいの強さで磨きます

また、歯茎を傷つけないために、歯ブラシはふつうか柔らかめを選ぶようにしましょう。

▼歯ブラシの選び方について詳しく知りたい方はこちら▼
>>【歯ブラシの選び方】普段の歯磨き用におすすめの選び方を年齢別に解説

【歯茎が下がる原因3】嚙み合わせが悪い

嚙み合わせが悪いと、一部の歯に力が集中します。
過剰な力が加わると、その部分の歯茎も少しずつ後退していくのです。

嚙み合わせを治すためにも、早めに歯科医院へ行きましょう。

【歯茎が下がる原因4】矯正治療

矯正治療により、歯茎が下がることがあります。
歯が移動する際に顎の骨が吸収されることで、後退すると言われています。

歯並びを整えることにより歯茎が下がるかどうか気になる方は、お近くの歯科医院へ相談してみましょう。

【歯茎が下がる原因5】歯ぎしり・食いしばりをしている

歯ぎしりや食いしばりを行うと、歯茎や顎の骨に負担がかかります
その結果、歯茎が下がります。

歯ぎしりや食いしばりは、就寝中に無意識に行ってしまう方が多いです。
歯科医院へ行き、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを作ってもらいましょう。

▼歯ぎしりに悩んでいる方はこちらをチェック▼
>>【歯科医師が解説】歯ぎしりの原因4選!放置しておく5つのリスクも紹介

【歯茎が下がる原因6】詰め物や被せ物のサイズが合っていない

詰め物や被せ物のサイズが合っていないと、歯茎が下がる原因になります。
マージンと呼ばれる縁の部分が当たり、歯茎が炎症を起こす場合があるためです。

詰め物や被せ物のサイズが合っていないと感じる方は、歯科医院で作り直してもらいましょう。

【歯茎が下がる原因7】爪を噛む・歯を舌で押す癖がある

爪を噛んだり、歯を舌で押したりする癖がある場合、歯茎が下がる原因になります。
歯を支えている組織に、負担がかかってしまうためです。

無意識に行ってしまう方が多いと思いますが、できるだけ癖を直すよう心がけましょう。

【歯茎が下がる原因8】加齢によるもの

歯茎が下がる原因のひとつは、加齢によるものです。
お口に異常がなくとも、歯茎の後退が起こってしまう場合があります。

加齢によるものは、対策が困難です。
日々の歯磨きや定期的な検診を受け、症状の進行を抑えるようにしましょう。

下がった歯茎を修復するための2つの治療法

そもそも、下がった歯茎が自力で元に戻ることはありません
そのため治療が必要です。

ここでは、後退した歯茎を修復する方法を紹介していきます。

  1. 溶けた顎の骨を再生させる
  2. 歯茎の再生治療を行う

上記2つについて、詳しく解説していきましょう。

【歯茎を修復する方法1】溶けた顎の骨を再生させる

局所的に顎の骨が下がっている場合は、その部分の再生させることができる場合もあります。

骨が再生すれば歯肉が盛り上がりやすくなり、歯茎を修復する効果があると言われています。
具体的な治療としては、骨移植・GBR法が挙げられます。

ただし、全体が溶けている場合は対応が厳しいです。
顎の再生が可能かどうかは、実際に骨の状態を確認する必要があります

【歯茎を修復する方法2】歯茎の再生治療を行う

繰り返しになりますが、退縮した歯茎は自然に元に戻ることはありません。
そのため、別場所の歯茎を移植したり、同じ歯のものや横の歯茎を引っ張ったりして繰る方法があります。

ただし、こちらはかなりの痛みが伴う治療方法です。
歯茎が下がらないためにも、定期的な検診を受けるなどして予防を行いましょう。

歯茎のことでお悩みなら歯科医院へ

歯茎の健康を保つことは、歯の健康を保つことにも繋がります。
なお修復するには基本的に保険は効かないので、予防が大切です。

歯茎を健康に保ち、歯周病などの病気にならないようにしましょう。

特に歯に異常がないときでも、定期的な検診に行くことも大切です。
お口のことで心配なことがあれば、お近くの歯科医院へご相談ください。

また、当院の歯周病治療もご利用ください。

※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。

当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。