皆さんこんにちは、むかえ歯科・小児歯科です。
本記事では、インプラントのリスクと失敗例について解説していきます。
インプラント治療には外科手術を伴うので、事前にリスクも知りたいという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、
- 知っておくべきリスク
- 実際にあった失敗例
- 具体的な対処法
についてお話をしていきます。
なお当院、むかえ歯科・小児歯科のリスクを低減する対策も紹介していきます。
インプラント治療を検討されている方は、ぜひご覧ください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
【失敗しないために】インプラントで知っておくべきリスク
インプラントで知っておくべきリスクを紹介します。以下7点です。
- 神経や血管を傷つけてしまう
- 上顎洞に穴が開く
- 骨の細胞が死滅する
- 見た目が悪くなる
- 金属アレルギー症状が出る
- 骨と結合しない
- インプラント周囲炎になる
これらが起きる可能性はゼロではないので、理解しておきましょう。
【インプラントのリスク1】神経や血管を傷つけてしまう
インプラント治療の際には、ドリルで骨に穴を空けます。
その際にあやまって神経や血管を傷つけてしまう可能性があります。
神経を傷つけてしまうと、麻痺がおこってしまい、唇やほっぺたの感覚がにぶったりしびれたりすることもあります。
ただし、ちゃんとした診断を行い、しかるべき器具を用意している普通の歯科医院で起こる可能性はまずありません。
念のため、頭に入れておきましょう。
【インプラントのリスク2】上顎洞に穴が開く
上顎にインプラントを入れる場合、上顎洞という空洞に穴を空けてしまう可能性があります。
これもリスク1と同様に、通常ではまず起こりません。
【インプラントのリスク3】骨の細胞が死滅する
骨の細胞が死滅することがあります。
インプラント手術で顎の骨に穴を空ける時には、ドリルや骨が熱を持たない様に注水を行います。
この注水が不足すると、骨の細胞が熱によって死んでしまう可能性があります。
骨の細胞が死んでしまうと、インプラントとの結合が出来なくなってしまいます。
【インプラントのリスク4】見た目が悪くなる
インプラントを行うことで、見た目が悪くなるリスクがあります。
例えば、以下のようなものです。
- 周囲の歯よりも人工歯が長く見えてしまう
- 歯肉が薄く金属の歯根部分が透けて見える
手術前にお口の状態を歯科医院で確認し、リスクの程度を確認しましょう。
【インプラントのリスク5】金属アレルギー症状が出る
インプラントは顎の骨に金属を埋め込む治療法です。
そのため、金属アレルギーの症状がでる可能性があります。
なお、インプラントはチタン合金を使うことがほとんどです。
これは医科の現場でも使われる人工関節とほぼ同様の素材です。
このように、安全に体の中に入れられるものを使用しています。
それでもチタンについてアレルギーの心配がある場合は、歯科医院へ相談してください。
【インプラントのリスク6】骨と結合しない
骨の厚みが足りない場合、インプラントと上手く結合しないことがあります。
なお、手術後にインプラントの周囲が細菌に感染した場合にも結合しません。
骨の厚みなどは治療前のヒアリングで、しっかりと確認していきます。
【インプラントのリスク7】インプラント周囲炎になる
最後に紹介するリスクは、インプラント周囲炎という、歯周病のような病気になる可能性があることです。
歯垢や歯石が溜まってインプラントや周囲の粘膜で炎症を起こす場合があります。
毎日の歯磨きが不十分なことや、手術後にメンテナンスを受けていないことが原因です。
最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまう場合も。
毎日のブラッシングや定期的な検診を心がけましょう。
▼歯周病の原因について詳しく知りたい方はこちら▼
>>歯周病の原因とは?症状や治療方法、予防法まで徹底解説
インプラント手術のリスクを上げる要因
続いて紹介するのは、インプラントのリスクを上げてしまう要因です。
生活習慣や持病によっては、注意すべき点もあります。
- 顎の骨の厚み不足
- 喫煙
- 心臓病
- 糖尿病
上記4点について、詳しく解説していきましょう。
【要因1】顎の骨の厚み不足
最初に紹介する要因は、顎の骨の厚みが足りないことです。
上記でも少しお話しましたが、骨密度や骨量の不足によってインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
顎の骨が少なくなる最大の要因は歯周病です。
常日頃から歯科医院で歯石除去をして歯周病にならないように心がけましょう。
【要因2】喫煙
喫煙もインプラントのリスクを上げる要因です。
たばこを吸うことによって、血管が収縮して血流が悪くなり、血中の酸素や栄養分が減少。
酸素や栄養分が不足すると、インプラントと骨が結合しにくくなります。
なお、手術後の傷の治りも悪くなるリスクもあります。
インプラント治療には原則として禁煙が必要です。
【要因3】心臓病
過去に狭心症や心筋梗塞の既往がある方は注意が必要です。
薬の作用によって、インプラントの手術中に出血が止まらないことがあります。
上記の病歴がある方は、事前に歯科医院へ相談しましょう。
【要因4】糖尿病
糖尿病によって手術が難しくなるリスクがあります。
血糖値が高い状態が続いていると傷が治りにくくなるため、インプラント治療は難しい場合があります。
なお、高血糖の状態では免疫系細胞の活動が低下するため、歯周病菌への感染リスクが高くなります。
糖尿病を治療中という方は、事前に歯科医院へ相談しましょう。
インプラント治療の4つの失敗とそれぞれの対処法
この章では、インプラントの失敗例と対処法を紹介していきます。
代表的な事例は以下4点です。
- インプラントの埋め込みが上手くいかない
- 骨と結合ができていなかった
- 腫れ・痛み・しびれが続く
- 人工歯の破損
それぞれの対処法も併せて解説していきます。
【インプラントの失敗例1】インプラントの埋め込みが上手くいかない
インプラントの埋め込みが上手くいかなかった事例です。
上顎洞に穴を空けてしまった、顎の骨に対して斜めに埋め込んでしまったなどが挙げられます。
歯科医院の対策としては、歯科用CT撮影をして神経や血管の立体的な位置を把握すること。
位置を把握することで、インプラントを安全な位置に埋入しやすくなります。
【インプラントの失敗例2】骨と結合ができていなかった
続いて紹介するのは、インプラントと骨が結合せずに固定されなかった失敗例です。
原因としては、手術中に器具が熱を持ってしまったほか、メンテナンス不足による歯周病の可能性も考えられます。
お口の状態が影響するため、定期的な検診や毎日の歯磨きが大切です。
【インプラントの失敗例3】腫れ・痛み・しびれが続く
インプラントでは歯茎を切開します。
そのため、手術後に腫れ・痛み・しびれが続くことも。
なお、ある程度時間が経つと、症状が落ち着く場合があります。
一方、どんどん悪化しているのであれば、別のトラブルの可能性があります。
インプラントが適切に埋め込まれていなかったり、細菌が感染していたりすることが考えられます。
この場合は早めに歯科医院へ行き、原因を対処しましょう。
【インプラントの失敗例4】人工歯の破損
インプラント体の上に被せる人工歯が破損することもあります。
嚙み合わせが悪かったり、十分に締め付けていなかったりすることが原因です。
インプラントの治療後も、通常の歯と同様に定期的なメンテナンスが必要になります。
1シーズンに1回のペースで、健診に行くよう心がけましょう。
インプラントリスクを低減する当院の対策
ここでは、むかえ歯科・小児歯科が行っているインプラントリスクを低減する対策をご紹介します。
下記4点です。
- 安全性の高いインプラントを使用
- 歯科用CTの完備
- 治療前の準備
- インプラントの専門医が担当
なおインプラント治療で不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
【当院での対策1】安全性の高いインプラントを使用
当院では、アストラテック社のインプラントを使用しています。
こちらはスウェーデン製のもので、世界4大メーカーの1つです。
長い実績があり、かつ、安全性が高いことが分かっているインプラントです。
▼インプラントの種類について知りたい方はこちら▼
>>【覚えておこう】インプラントには種類がある?4つの観点から特徴を解説!
【当院での対策2】歯科用CTを完備
当院では歯科用CTを完備しています。
そのため、お口の状態をしっかりと把握した上で手術に臨めます。
顎の骨や神経などの状態や位置をCT検査で確認したうえで、インプラントの精密な治療をおこなえるのも特長です。
【当院での対策3】治療前の準備
当院では治療前の準備にも力を入れています。
いきなりインプラント治療から始めることはありません。
患者さまへのカウンセリングと検査から、お口の中の状況や生活習慣を把握し、改善するところからスタートします。
むし歯や歯周病でお口の中の環境が整わないままインプラント治療を始めてしまうと、歯が傾いてきたり痛みが現れたりすることも。
そのため、先に治療してからインプラントを行うようにしています。
【当院での対策4】インプラントの専門医が担当
インプラントはかなり専門的な知識・技術が必要です。
そのため、当院の治療では外部から専門医をお呼びして治療をおこないます。
患者さまに安心して治療を受けていただけるように配慮しています。
インプラント治療のリスクや失敗について心配ごとがあれば歯科医院へ
今回はインプラント治療のリスクや失敗例について紹介しました。
中には、定期的な検診や毎日の歯磨きで対策できるものもあります。
治療後もお口の健康を保つため、メンテナンスは欠かせません。
インプラントの治療について不安なことがあれば、お気軽に歯科医院へご相談ください。
※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。
当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。