皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
今回は歯周ポケットの掃除方法について解説します。
歯周ポケットは歯と歯の間にある溝です。
小さな隙間なので、掃除できるのか疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
歯周ポケットのケアは、歯周病などのお口の病気を予防することにつながります。
この記事では、歯周ポケットの掃除方法や自宅でできるケアの方法を紹介します。
お口の健康を保ちたいと考えている方は、ぜひご一読ください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
歯周ポケットとは歯と歯茎の間にある溝
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にある溝のことです。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなります。
ポケットが2mm程度の深さなら健康な状態です。
3mm以上になれば、歯周病に対する注意が必要になります。
歯周ポケットが深くなる原因
歯周ポケットが深くなる原因は、お口の細菌によるものです。
口腔内の細菌には、空気が好きな「好気性菌(こうきせいきん)」と空気嫌いな「嫌気性菌(けんきせいきん)」の2種類があります。
嫌気性菌は、空気が届きにくい歯と歯茎のわずかなすき間に居場所を求め、そこからさらに奥へ奥へと入りこみます。
その結果歯周ポケットが深くなります。
歯周ポケットを掃除する方法3選
歯周ポケットは掃除するには、歯科医院で治療を受ける方法があります。
具体的な治療は以下3点です。
- SRP
- デブライドメント
- 歯周外科治療
順番に解説します。
【歯周ポケットの掃除方法1】SRP
SRPとは「スケーリング・ルートプレーニング」の略称です。
目に見えない歯茎の中を掃除する手法です。スケーラーと呼ばれる器具を使用します。
【歯周ポケットの掃除方法2】デブライドメント
デブライドメントとは、プラークを取り除く治療です。
一般的に手動の器具や超音波などを用います。
デブライドメントを行うことによって、歯周ポケットの内部のプラークを除去します。
【歯周ポケットの掃除方法3】歯周外科治療
歯周外科治療は、フラップ手術とも呼ばれます。
進行した歯周病に対しておこなう外科処置です。
部位の歯茎を切開し、深い歯周ポケットに残存しているプラークや歯石などを除去します。
歯周ポケットの掃除で痛みを感じる2つの理由
歯周ポケットの掃除では、主に以下2つの理由から痛みを感じる場合があります。
- 歯周ポケットが深くなっているから
- エナメル質が損傷する可能性があるから
「痛いのは怖い」と感じるかもしれませんが、歯周ポケットの掃除をしないままでいると、さらに強い痛みを味わう恐れがあります。
最悪の場合、自分の歯を失ってしまうことにもなりかねません。
歯周ポケットの掃除での痛みについて不安がある方は、近くに歯科医院で痛みに弱いことを伝えておくと配慮してくれるでしょう。
【痛みを感じる理由1】歯周ポケットが深くなっているから
深くなった歯周ポケットを掃除する際には、痛みを感じやすいです。
特に歯石を取る際には、出血を伴うことも珍しくありません。
日頃から歯磨きや定期健診などのケアを怠っていると、歯に歯垢ができやすくなります。
歯垢を放置することで、自分では取り除けない歯石に変化します。
歯垢や歯石は、歯と歯の間や歯周ポケットにできやすいです。
歯周ポケットが深くなる原因でもあります。
【痛みを感じる理由2】エナメル質を損傷する可能性があるから
歯周ポケットの掃除をしたあとは、痛みを感じてしまう恐れがあります。
長期間放置した歯石を取り除く場合、歯のエナメル質が剥がれてしまう可能性があるためです。
損傷したエナメル質は、自然にミネラル分が再生されます。
そのため、1日から数日程度で痛みを感じなくなりますが、その期間はしみるような感覚があります。
歯周ポケットをケアする3つの方法
歯周ポケットの掃除は、歯科医院での治療を受けることが効果的です。
しかし、掃除をする前に日頃からケアを心がけることも大切です。
この章では、歯周ポケットのケア方法を紹介します。
主に以下3点です。
- 毎日の歯磨き
- 歯間ブラシ・フロスなどの道具を使用する
- 歯科医院で定期健診を受ける
各項目について、詳しく解説します。
【歯周ポケットのケア方法1】毎日の歯磨き
歯周ポケットをケアするには、歯磨きが大切です。
毎日3回食後に行うように心がけましょう。
就寝前は10分間を目安に、念入りなブラッシングが大切です。
就寝中は唾液量が少なくなり、口内の細菌が繁殖しやすいためです。
▼歯磨きのタイミングについて知りたい方はこちら▼
>>歯磨きのタイミングは3つ!食後30分以内は控えたほうが良いのかも解説
【歯周ポケットのケア方法2】歯間ブラシ・フロスなどの道具を使用する
普段の歯磨きに加えて、歯間ブラシやフロスを使用しましょう。
歯と歯の間の歯垢を除去でき、歯石を防ぎます。口臭予防にもつながります。
歯間ブラシやフロスは、歯磨きの後に使用しましょう。
特に就寝前に行うと、お口のトラブルを予防する効果が期待できます。
▼デンタルフロスの使い方について知りたい方はこちら▼
>>デンタルフロスの使い方をタイプ別に紹介!効果を高めるための3つの注意点も紹介
▼フロスと歯間ブラシの使い分けについて知りたい方はこちら▼
>>フロスと歯間ブラシは両方使うべき?特徴や使い方を解説
【歯周ポケットのケア方法3】歯科医院で定期健診を受ける
歯科医院では、歯のクリーニングや歯石除去を行っています。
自宅のケアでは落としきれない汚れを除去できます。
歯科医院では、歯磨き指導も行っています。
ブラッシングに自信がない方に向いています。
お口に異常がない状態でも定期的な検診を受けることが大切です。
3ヶ月に1回のペースで歯の状態を診てもらいましょう。
自宅で歯周ポケットを掃除!正しいセルフケアのコツ
歯周ポケットの掃除は、自宅でも行えます。
普段のブラッシングを意識することが大切です。
この章では、歯磨きする際のコツを3点紹介します。
- ブラシを歯肉との境目に当てる
- ブラシは細かく震わせる
- 歯磨き粉は付けすぎない
今日から行える簡単な方法なので、ぜひ実践してみてください。
【歯周ポケット掃除のコツ1】ブラシを歯肉との境目に当てる
歯周ポケットを掃除するコツは、歯と歯ぐきの境目を中心に歯磨きすることです。
ブラシの毛先を45度の角度にあてましょう。
【歯周ポケット掃除のコツ2】ブラシは細かく震わせる
歯磨きをする際には、ブラシを細かく震わせることが大切です。
1〜2mmほど震わせると毛先が歯間に入ったままなので、歯周ポケットをしっかり狙って磨けます。
【歯周ポケット掃除のコツ3】歯磨き粉は付けすぎない
歯磨き粉は付けすぎないように注意しましょう。
大量につけると清涼感があり、汚れが落ちきっていないのに磨いた気分になってしまうためです。
ブラッシングの際には、少量の歯磨き粉を使うようにしましょう。
歯周ポケットの深さでお悩みなら歯科医院へご相談ください
歯周ポケットを掃除するには、歯科医院での治療と自宅でケアを行う方法があります。
歯周ポケットの深さが3mm以上であれば、歯周病に対する注意が必要になります。口内に異常がないときでも、歯科医院で定期的な検診を受けることが大切です。
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