「歯磨きってどれくらいの時間磨くのが良いのだろう」
「長ければ長いほど綺麗になるのかな?」
「しっかり歯を磨いているのに虫歯になってしまうのはなぜ?」
というような疑問抱えている人も多いですよね。
結論からいうと、しっかりひとつひとつの歯を磨くには、1回で10分以上かかります。ただし、とりあえず長く磨けば良いという訳ではありません。
時間を確保した上で、歯垢が残らないように丁寧に磨く必要があります。
この記事では、歯磨きに関する以下のポイントを解説しています。
- 歯磨きの時間
- ブラッシングの仕方
- 歯磨き時に意識すること
- デンタルグッズ
詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
1回の歯磨きでは10分以上磨こう
「どれくらいの時間歯を磨けば良いの?」という疑問を持つ方も多いですよね。
結論からいうと、1回の歯磨きで10分以上かけて磨きましょう。時間をかけて丁寧に磨くことで、歯垢や食べカスをしっかり取り除くことができます。
もちろん、ただ時間を長くかければ良いというわけではありません。正しい磨き方を守りながら、ひとつひとつの歯をていねいに磨くことが大切です。
1本ずつの歯に対し、前側・断面・後ろ側を1本ずつ20回往復させるのがポイントです。
▼歯磨きをするタイミングや習慣を解説▼
歯磨きするタイミングはいつがいい?お口の健康を保つブラッシングの習慣とは
歯の部位ごとのブラッシングの仕方
それでは、歯の部位ごとのブラッシング方法を解説します。
磨く際は、基本的には軽い力で1本ずつ小刻みに動かします。磨きにくい部位は角度を45°~90°と調整しましょう。
ただ、磨くのが難しい部分があります。以下の5カ所を磨く際のポイントを紹介するので、参考にしてください。
- 奥歯の噛み合わせの溝
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の間
- 前歯の裏側
- 高さの違う歯
【特に難しい部位1】奥歯の噛み合わせの溝
奥歯の噛み合わせの溝は汚れが溜まりやすいです。
歯を嚙み合わせる場所なので、圧が加わって汚れが固まり、落ちにくくなることもあります。歯ブラシが届きにくかったり、汚れが目では見えにくかったりするので、虫歯にもなりやすい場所です。
食べカスを取り除くには、歯ブラシを歯に垂直に当てて小刻みに動かしましょう。5〜10ミリ程度で細かく磨くのがコツです。
【特に難しい部位2】歯と歯の間
歯と歯の隙間も歯垢が溜まりやすいです。正しく歯ブラシを当てないと、隙間の奥まで磨くことができません。
隙間を狙ってしっかり歯ブラシを当て、5〜10ミリ程度で小刻みに動かしましょう。歯並びに少しでこぼこがある場合は歯ブラシを縦向きにして、隙間に垂直に当てて磨きます。
どうしても汚れが残りやすいので、デンタルフロスや糸ようじを使うことも検討しましょう。
【特に難しい部位3】歯と歯茎の間
歯と歯茎の隙間も歯垢が溜まりやすいです。歯垢をうまく取り除かないと歯周病の原因になってしまいます。
歯と歯茎の隙間を磨く際は歯ブラシを斜めに当てて、角度を45〜90度に調整しながら小刻みに動かします。
なるべく奥まで届くように調整しましょう。
【特に難しい部位4】前歯の裏側
前歯の裏側は歯垢が溜まりやすく、歯石化しやすいので注意が必要です。歯石化してしまうと、歯ブラシでは取り除けません。
前歯の裏側を磨く際は、歯を縦向きにして歯ブラシの先を当て、小刻みに動かしましょう。ブラシの先を、歯と歯茎と間に当てるのがポイントです。
【特に難しい部位5】高さの違う歯
高さが違う歯は、意識せずに磨くと汚れが残りやすくなります。特に、高さが低い方の歯に歯ブラシが当たりにくいです。
高さの低い方は斜め横から歯ブラシを当てて、小刻みに動かしましょう。まとめて磨かず、一本一本汚れを落とすことを特に意識してください。
歯を磨く時に意識すること
歯を磨く際に意識することは、以下の4つです。
- 歯ブラシの持ち方は鉛筆持ち
- 力加減を調整し毛先をあてる
- 自分にあった歯ブラシを選ぶ
- 磨くタイミングは食後
それぞれ解説します。
【意識すること1】歯ブラシの持ち方は鉛筆持ち
鉛筆を持つようにつまんで歯ブラシを持ちましょう。
鉛筆のように歯ブラシを持つことで小刻みに動かしやすくなり、汚れをしっかり落とすことができます。
また、手に力が入り過ぎるのを防ぐ効果もあります。力強く磨くと歯の表面や歯肉にダメージを与えてしまうので、鉛筆持ちにして優しい力で磨くようにしましょう。
【意識すること2】力加減を調整し毛先をあてる
毛先をしっかり磨きたい部分に当てて磨きましょう。当たる部分が悪いと、汚れをしっかり落とすことができません。
歯磨きがうまくできていないと感じるのであれば、毛先が隙間や溝に正しく当たっているか、鏡を見て確認しながら磨くことをおすすめします。
【意識すること3】自分にあった歯ブラシを選ぶ
自分にあった歯ブラシを選びましょう。
ヘッドの大きさや毛の硬さで磨きやすさが変わります。ヘッドは小さいものがおすすめです。小回りがきくため、奥まで磨きやすいからです。毛は普通か柔らかめのものを選ぶと、歯茎を傷つけません。
そのほか、基本的にはご自身が使いやすいと思うもので大丈夫です。好みに合わせて選びましょう。
▼歯ブラシの選び方を解説▼
【歯ブラシの選び方】普段の歯磨き用におすすめの選び方を年齢別に解説
【意識すること4】磨くタイミングは食後
磨くタイミングは食後がすぐがベストです。食事をすると口腔内が酸性になり、歯が溶けやすい状況になります。
歯垢や食べカスなどの汚れは虫歯や歯周病の原因にもなるので、早めに取り除きましょう。
できれば、毎食後すぐに歯磨きを行いたいです。ただ、難しい場合は夜だけでも丁寧に磨きましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減ってしまうので、口内のトラブルが起こる可能性が高いです。
▼歯磨きをするタイミングを解説▼
歯磨きするタイミングはいつがいい?お口の健康を保つブラッシングの習慣とは
磨き残しをなくすために使いたい2つのデンタルグッズ
磨き残しをなくすために、以下のデンタルグッズを使いましょう。
- 歯磨き粉
- デンタルフロス・歯間ブラシ
【デンタルグッズ1】歯磨き粉
歯を磨く際は歯磨き粉を使いましょう。歯磨き粉には以下の4つのメリットがあります。
- 歯垢を効率よく除去できる
- 歯垢をつきにくくする
- 口臭を防げる
- 色素沈着物を除去できる
歯磨き粉を使うと、使わない時よりも歯垢を取り除けたり、歯垢をつきにくくすることがきるというデータが出ています。
フッ素入りのものであれば、再石灰化を促進して虫歯を予防することも可能です。
歯磨き粉を使う際は、毛先の3分の2以上つけるようにしましょう。
【デンタルグッズ2】デンタルフロス・歯間ブラシ
歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯ブラシが届きにくい歯と歯の隙間の歯垢をしっかり取ることができます。
歯間ブラシなどは、薬局やコンビニなどで簡単に購入可能です。1日1回でもいいので、時間をつくってデンタルグッズを使うようにしましょう。
歯科医院の定期検診も活用しよう
この記事では歯磨きの関する以下のポイントを解説しました。
- 歯磨きの時間
- ブラッシングの仕方
- 歯磨き時に意識すること
- デンタルグッズ
歯磨きは10分以上の時間をかけ、丁寧に磨きましょう。磨き残しをなくすためには、デンタルグッズの利用も効果的です。
歯磨きの正しいやり方を知りたい場合は、歯科医院の定期検診をご活用ください。虫歯などのお口のトラブルを早期発見ができ、歯磨きの仕方のアドバイスもできます。3ヶ月に1回くらいのペースで診てもらうようにしましょう。
※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。
当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。