皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
今回は、デンタルフロスの使い方について解説します。
デンタルフロスを正しく使うことで、お口の健康を保つ効果が期待できます。
しかし、具体的な使用方法が分からずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、デンタルフロスの種類別に使い方を紹介していきます。
フロスの重要性についても分かりやすく解説していきます。
余談ではありますが、アメリカでは「fross or die」という言葉があります。
ざっくり紹介すると「フロスを使いますか?それとも死にますか?」という意味です。
極端な言葉かもしれませんが、それほどデンタルフロスが重要ということです。
お口の健康を保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
デンタルフロスの種類2選
デンタルフロスとひとことでまとめても、いくつかの種類があります。
大きく分けると下記2つです。
- ホルダータイプ(糸ようじ)
- ロールタイプ
それぞれのデンタルフロスについて、詳しく解説していきます。
【デンタルフロスの種類1】ホルダータイプ(糸ようじ)
ホルダータイプ(糸ようじ)は、ホルダーにフロスが取り付けてあるタイプです。
持ち手があってすぐに使えるので、デンタルフロスを初めて利用する人に向いているでしょう。
ホルダータイプ(糸ようじ)には、前歯に使いやすい「F字型」と、挿入しにくい奥歯にも前歯にも使いやすい「Y字型」があります。
【デンタルフロスの種類2】ロールタイプ
ロールタイプは、必要な長さのフロスを切り取り、指に巻きつけて使用するデンタルフロスです。
初めは少し扱いにくいと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単に使用できます。ロールタイプは、経済的で持ち運びが便利な点が特徴です。
ロールタイプのデンタルフロスは、ワックスタイプとノンワックスタイプに分けられます。
ワックスタイプは、繊維がワックスでコーティングされているものです。
歯と歯の間に挿入しやすく、フロスが切れたりバラバラになったりしにくいです。初めての方や詰めものを使用している人に向いているデンタルフロスです。
ノンワックスタイプは、繊維がワックスで固められていないデンタルフロスです。繊維が広がって歯の表面にフィットするので、歯垢除去の効果が高いと言われています。
しかし、ノンワックスタイプは引っかかると切れたりばらけたりしやすいです。歯の側面までかぶさっている大きな詰めものなどがない方に人に向いているでしょう。
ホルダータイプデンタルフロス(糸ようじ)の使い方
ホルダータイプの使い方を紹介します。
具体的には、下記3ステップで行っていきましょう。
- デンタルフロスを歯と歯の間に入れる
- 上下に動かして歯垢を除去する
- 横にスライドしながら取り出す
手順ごとに詳しく解説します。
【手順1】デンタルフロスを歯と歯の間に入れる
まずは歯と歯の間にデンタルフロスをあて、前後に動かしながら、ゆっくり歯と歯の間に入れます。このとき、鏡で場所を確認しながらおこないましょう。
【手順2】上下に動かして歯垢を除去する
デンタルフロスを入れられたら、上下に動かして、歯と歯の間の両面を磨きます。
強くこすると歯肉を傷つける可能性があるため、動かす際には注意しましょう。
【手順3】横にスライドしながら取り出す
歯と歯の隙間が磨けたら、横にスライドさせながら取り出します。
このときゆっくりと静かに動かすように意識しましょう。
ロールタイプデンタルフロスの使い方
ロールタイプのデンタルフロスは、主に下記3ステップで行っていきます。
- ケースから取り出し、指に巻きつける
- デンタルフロスを歯と歯の間に入れる
- 横にスライドしながら取り出す
ひとつずつ詳しく解説していきましょう。
【手順1】ケースから取り出し、指に巻きつける
まずは、1回の使用分のデンタルフロスをケースから取り出します。
1回分は約40㎝で、指から肘までの長さが目安です。
左右の中指に2〜3回巻きつけ、中指と中指の間を10~15cmの長さにします。
実際に使用するときには親指と人差し指でつまみ、1~2cmの長さにしましょう。
前歯をおこなう際は、片方の親指と片方の人差し指で下から持ち上げるようにして持ちます。
奥歯は中指に巻きつけた糸を、両手の人差し指で下から持ち上げるようにして持つようにしましょう。
【手順2】デンタルフロスを歯と歯の間に入れる
歯と歯の間にデンタルフロスをあて、横に動かしながら、ゆっくり歯と歯の間に入れます。
鏡で場所を確認しながら行いましょう。
一度歯茎に当たるところまで下ろします。
このときデンタルフロスはぴんと張った状態を維持しておきましょう。
勢いよくおろしてしまうと歯茎を傷つける原因になるので、注意してください。
【手順3】横にスライドしながら取り出す
片方の歯に沿わせてスライドさせます。
このとき歯の表面をこするイメージで、2~3回スライドさせると歯垢が取れやすいです。
そのあとはデンタルフロスを横にスライドさせながらゆっくり取り出します。
次の歯と歯の間を清掃するときは、使用した部分をずらして使用するようにしましょう。
デンタルフロスが重要な4つの理由
デンタルフロスが重要である理由は、下記の4点です。
- 歯垢を除去するのに効果的
- 虫歯や歯周病の予防につながる
- 口臭の予防・改善効果が期待できる
- お口のトラブルを早めに見つけられる
お口の健康を保つために、デンタルフロスの習慣化は重要です。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
【理由1】歯垢を除去するのに効果的
デンタルフロスを使用することで、歯磨きでは取り切れない歯垢を除去できます。
ブラッシングのみの歯垢の除去率は約60%ですが、デンタルフロスを併用することで約80%まであがると言われています。
【理由2】虫歯や歯周病の予防につながる
歯垢除去することで虫歯・歯周病予防になります。
特に虫歯は歯と歯の間で起こりやすい病気です。
デンタルフロスを行うことで予防効果が期待できるでしょう。
▼虫歯の段階について知りたい方はこちら▼
>>【早期治療がカギ】虫歯には段階がある?進行状況別に治療内容を紹介
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【理由3】口臭の予防・改善効果が期待できる
デンタルフロスを使用することで、口臭の予防や改善効果が期待できます。
歯垢は口臭の原因になるためです。
使用したデンタルフロスから異臭を感じたら、口臭が発生しているかもしれません。
余談ですが、日本人は世界で最も口が臭いと言われています。
デンタルフロスは、お口の健康を保つだけでなく、口臭を予防する効果も見込めます。
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【理由4】お口のトラブルを早めに見つけられる
デンタルフロスを使用すると、お口のトラブルを早めに見つけられる場合があります。
例えば、歯の表面をこするように動かしたとき、ざらつく感じや引っ掛かりがあると虫歯になっている可能性があります。
また、デンタルフロスを行い出血があった場合は、歯周病の可能性があります。
さらに、被せ物や詰め物が入っている歯にフロスを通した際に切れたり引っかかったりする場合は、詰めたものが合わなくなっているケースが考えられます。
デンタルフロスを使用することで、口内トラブルの早期発見につながります。
【効果を高めるために】デンタルフロスの注意点3選
デンタルフロスの使用は、お口の健康を保つためには大切なことです。
しかし、使い方に気を付けなければ逆効果になる場合があります。
この章では、デンタルフロスの注意点を紹介していきます。具体的には、下記3点です。
- 歯茎を傷つけないように使用する
- 1日1回の頻度で就寝前に使う
- 毎回新しいものを使用する
ひとつずつ解説していきます。
【注意点1】歯茎を傷つけないように使用する
デンタルフロスを歯と歯の間に入れる際に勢いをつけてしまうと、歯茎を傷つけることがあります。
歯茎が傷つくと、傷から細菌が入ったり歯茎が下がったりする場合があるため注意が必要です。
そのため、デンタルフロスを使用する際には鏡を見ながら行いましょう。
もし使い方が分からない場合は、歯科医院で指導を受けると良いでしょう。
【注意点2】1日1回の頻度で就寝前に使う
デンタルフロスは、1日1回の頻度で行います。
取り残した歯垢は2~3日で石灰化が始まり、徐々に取りにくくなるためです。
歯ブラシで取れる汚れは取ってしまい、歯ブラシでは取れなかった汚れをデンタルフロスで落とすようにしましょう。
使用するタイミングとしては就職前がおすすめです。
寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、口の中の細菌が増殖しやすいためです。
【注意点3】毎回新しいものを使用する
毎回新しいものを使用しましょう。
デンタルフロスは基本的に使い捨てのものだからです。
使い回すことで、細菌が広がってしまう可能性があります。
デンタルフロスは衛生上毎回新しいものを使用するようにしましょう。
デンタルフロスと歯間ブラシの違い
歯間ブラシとは、歯と歯の隙間が広い部分や、ブリッジをしている部分の清掃に適した小さなブラシです。
歯間ブラシは、歯の間が空いてしまっている人が使用するものです。
若い人や歯茎が詰まっている人は、デンタルフロスを使用しましょう。
歯間ブラシを歯と歯の間に無理矢理入れることによって、歯茎を痛めてしまう危険性があります。
▼歯間ブラシで出血する理由を知りたい方はこちら▼
>>歯間ブラシで血が出る原因とは?2つの対処法と正しい使い方を解説
▼デンタルフロスと歯間ブラシの違いについて知りたい方はこちら▼
※準備中(内部リンク「フロス 歯間ブラシ」)
デンタルフロス使用時に違和感があれば歯科医院で状態を確認しましょう
デンタルフロスを使っている最中に、歯に引っかかったりほつれたりする場合は歯科医院に相談しましょう。
歯と歯の間に虫歯や歯石が付いている場合があるためです。
放置しておくことで、症状が悪化したり口臭がひどくなったりします。
虫歯が進行すると歯を失う場合があるため、早めの治療が大切です。
また、口内の健康を保つためには、歯科医院で定期的に検診を受けましょう。
お口にトラブルがないときでも3ヶ月に1回のペースで受診し、お口の健康を守ることをおすすめします。
デンタルフロスの使い方でお悩みなら歯科医院へ
今回はデンタルフロスの使い方について解説しました。
デンタルフロスを正しく使用することで、お口の健康を保つ効果が期待できます。
しかし使い方を間違ってしまうと歯茎を痛めるなど逆効果になってしまいます。
デンタルフロスを利用する際には、本記事で紹介した使用方法をぜひ参考にしてみてください。
口内の健康を保つなら、定期的な検診も合わせて心がけましょう。
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