歯磨きのタイミングは3つ!食後30分以内は控えたほうが良いのかも解説

皆さんこんにちは、むかえ歯科・小児歯科です。
今回は、歯磨きを行うタイミングについてお話します。

お口の健康を保つために、歯磨きは大切です。
しかし、どのタイミングで行えば良いのか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
「食後30分以内は歯磨きを避けた方が良い」、という意見を聞いたことがある方もいるでしょう。

そこで今回は、歯磨きを行うべき3つのタイミングについて紹介します。
お口のトラブルを予防する方法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

歯磨きを行うべき3つのタイミング

歯磨きを行いたいタイミングは、主に以下の3点です。

  1. 就寝前
  2. 起床直後
  3. 食後

なお、就寝前の歯磨きは、この中でも特に重要です。
各タイミングに行うべき理由など、順番に解説します。

【歯磨きを行うタイミング1】就寝前

就寝前は、念入りに歯磨きを行いましょう。
睡眠中には唾液の量が減り、細菌が繁殖しやすいためです。

虫歯や歯周病などの病気は、寝ている間に進行することがほとんどです。
これにより、就寝前は念入りな歯磨きを行う必要があります。

10分間を目安に、丁寧なブラッシングを心がけましょう。

【歯磨きを行うタイミング2】起床直後

起床直後にも、歯磨きを行いましょう。
就寝中に繁殖した細菌を除去するためです。

起床した後に歯磨きをせずに食事を摂った場合、食べ物に含まれる糖と細菌が結び付きます。
結果として、プラークを大量に作り出すことになります

朝起きたときに口内がネバついていたら、増殖した証拠です。
起床直後は歯磨きを行うようにしましょう。

【歯磨きを行うタイミング3】食後

歯磨きは、食後にも行いましょう。
食事を摂った後は、口腔内が酸性になり、歯が溶けやすい状況になるためです。

食べカスなどの汚れは虫歯菌や歯周病菌の餌となるので、念入りに歯磨きを行います。
朝昼晩それぞれの食後に、ブラッシングを行うことが大切です。

食後30分以内は歯磨きをしない方がいい?

食後の20~30分以内は、歯磨きをしない方が良いという説もあります。
食事の後は口内が酸性になっており、歯のエナメル質が柔らかくなっているためです。

食後すぐに歯磨きを行った場合、エナメル質に傷が付くことがあります
細菌が傷から入り、虫歯の進行を速めることになるケースも考えられます。

ただし、何より大切なのは、歯磨きをすることです。
細かいルールにとらわれてめんどくさくなり、歯を磨くのをサボってしまっては本末転倒です。

食後にゆったり時間を取れない場合は、それほど気にしなくてかまいません。
ランチタイムの後はうがいをするだけでもよいので、お口を清潔に保つ意識をすることが大切です。

1回の歯磨きにかける時間は10分以上を目安に

1回の歯磨きは10分以上を心がけてください。
時間をかけて丁寧に磨くことで、食べかすや歯垢などの汚れを落としやすくなるからです。

もし10分以上の歯磨きが難しい場合は、夜だけでも時間をかけてブラッシングを行うよう心がけましょう。
1日1回プラークが少ない状態にするだけでも、お口のトラブルを防げる可能性があります。

▼正しい歯磨きの方法について知りたい方はこちら▼
>>1回の歯磨きの時間は10分以上必要!正しいブラッシングや意識することを解説

歯磨きができないときの対処法3選

歯磨きは1日3回、10分以上を目安として行うのが望ましいです。
しかし、仕事などでブラッシングができない場合もあるのではないでしょうか。

こちらでは、歯磨きが難しい場合の対処法を3つ紹介します。

  1. 口をすすぐ、うがいをする
  2. ノンシュガー、キシリトール100%のガムを噛む
  3. 指磨きを行う

それぞれの方法について、詳しく解説します。

【歯磨きができないときの対処法1】口をすすぐ、うがいをする

歯磨きが難しい場合は、口をすすいだり、うがいをしたりしましょう。
食べかすを洗い流せるためです。

その他にも、口内が中和され虫歯リスクが低くなる可能性があります。
また、食事中でも水を含み、口内にいきわたるように意識しましょう。

マウスウォッシュを使用すると、口臭予防にも繋がります。

▼マウスウォッシュの使い方について知りたい方はこちら▼
>>歯周病を予防にマウスウォッシュは効果的?デンタルリンスとの違いや使い方を解説

【歯磨きができないときの対処法2】ノンシュガー・キシリトール100%のガムを噛む

歯磨きができないときは、食後にはガムを噛みましょう。
咀嚼によって唾液が分泌され、口内環境を中和させる効果が見込まれます

しかし、噛むガムはなんでも良いという訳ではありません。
砂糖入りのものは、細菌の餌となってしまうので、ノンシュガーを選びましょう。

できれば、キシリトール100%のガムが望ましいです。
キシリトールは、虫歯菌の増殖を抑える効果が見込まれます。

【歯磨きができないときの対処法3】指磨きを行う

指磨きとは、自分の指を使って歯の汚れを落とすことです。
自分の指を使うことで、歯が綺麗になったかどうかを確認しやすいです。

直接指を使うのに抵抗があれば、市販の指磨き用シートを活用すると良いでしょう。

歯磨きに過度な時間をかけるのはやりすぎ?

1回の歯磨きは10分以上が好ましいですが、あまりにも時間をかけすぎると悪い影響がでる場合があるため注意が必要です。

たとえば、歯を傷つけたり、知覚過敏の症状を引き起こしたりする恐れがあります。
また、時間のかけすぎると、歯茎を傷つけ、位置が下がる・縁が盛り上がるなどの症状が見られるケースも見受けられます。

歯磨きは、10分以上を目安にていねいにブラッシングすることが大切です。
しかし、30分や1時間など極端に時間をかけすぎると、かえって悪影響が見られる場合があります。

歯磨きのタイミング以外で気を付けたい4つのポイント

お口の健康を保つために気をつけていただきたいポイントがあります。

主に、下記4点です。

  1. 時間よりも磨き方を意識する
  2. 夜寝る前の歯磨きは念入りに行う
  3. デンタルフロスや歯間ブラシを活用する
  4. 定期的な検診に行く

それぞれの項目について解説していきます。

【ポイント1】時間よりも磨き方を意識する

1回の歯磨きにかける時間は、10分以上が好ましいです。

しかし、いくら時間をかけたとしても、口内に汚れが残っていては意味がありません。
そのため、時間よりも磨き方に意識をむけましょう

磨く際には、1本の歯に対して前側や断面、後ろ側をそれぞれ20回往復します。

特に、奥歯や前歯の裏などは汚れが残りやすい部分です。
歯ブラシを細かく動かし、1本1本の汚れを落とすようにしてみてください。

【ポイント2】寝る前の歯磨きは念入りに行う

繰り返しになりますが、夜寝ている間は唾液の分泌量が減り虫歯菌は増えやすい状態です。
そのため、寝る前(夕食後)の歯磨きは必ず行うように心がけましょう。

【ポイント3】デンタルフロスや歯間ブラシを活用する

デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯の間の歯垢を取り除くことができます。
歯磨きでは届きにくい部分も綺麗にできるため、丁寧なブラッシングと並行して行うようにしましょう。

余談ではありますが、アメリカでは「fross or die」という言葉があります。
ざっくり紹介すると「フロスを使いますか?それとも死にますか?」という意味です。
極端な言葉かもしれませんが、それほどフロスが重要ということです。
お口の健康のためにも、ぜひ活用しましょう。

▼歯間ブラシやフロスの使い方を知りたい方はこちら▼
>>フロスと歯間ブラシは両方使うべき?特徴や使い方を解説

【ポイント4】定期的な検診に行く

歯医者に行くのは、お口のトラブルが見つかったときという方も多いのではないでしょうか。

しかし、には特に異常がない状態でも、定期的に足を運びましょう
病気を早めに見つけたり、普段の歯磨きでは落としきれない汚れを除去できたりします。

3か月に1回を目安に、定期的な検診を受けましょう。
また、お口のことで何かお悩みがあれば、お近くの歯科医院へご相談ください。

お口のことでお悩みの場合は、歯科医院へご相談ください

就寝前や起床直後、食後には、歯磨きを行うようにしましょう。
丁寧なブラッシングを行うことで、歯の健康を保つことに繋がります。
正しい知識を身につけて、お口のトラブルを防ぐことが大切です。

なお、お口のことでお悩みの際には、お近くの歯科医院へ気軽にご相談ください。
また、当院の予防歯科でもブラッシング方法を指導しています。

※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。

当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。