皆さんこんにちは、むかえ歯科・小児歯科です。
今回は歯槽膿漏の治し方について解説していきます。
歯槽膿漏とは歯周病のことです。
お口の健康を妨げ、最終的に歯が抜け落ちる原因にもなる病気なので、治療方法を知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、
- 歯槽膿漏の治し方
- 原因
- 具体的な予防方法
などについて紹介していきます。
お口の健康を保ちたい方は、ぜひご覧ください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
【基礎知識】歯槽膿漏とはどんな病気?歯周病との違いを解説

こちらでは、歯槽膿漏について以下の内容を解説します。
- 主な症状
- 歯周病との違い
歯槽膿漏の基礎的な知識なので、ぜひ確認しておきましょう。
歯槽膿漏の症状
歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが破壊されます。
歯と歯ぐきの境目に細菌が入り、歯ぐきが炎症を起こして赤く腫れる症状が見られます。
なお歯槽膿漏を放っておくと、歯が抜け落ちてしまう場合もあります。
そのため、症状が進行する前に早めに治療を行うことが大切です。
▼歯周病のセルフチェック方法について知りたい方はこちら▼
>>歯周病のセルフチェック項目を紹介!定期的に歯科医院へ行って歯周病を防ごう!
歯周病との違い
歯槽膿漏は、歯周病のなかの1つの症状として呼ばれています。
膿が出たり歯がぐらついたりする「重度の歯周病」であり、症状がかなり悪化している状態です。
なお、歯周病は以下の段階を踏んで進行していきます。
- 歯肉炎(軽度)
- 歯周炎(中等度)
- 歯槽膿漏(重度)
歯肉炎や歯周炎も歯周病に含まれ、症状が悪化しないよう注意しなければなりません。
▼歯槽膿漏と歯周病の違いを知りたい方はこちら▼
>>歯周病と歯槽膿漏の違いって?治療法や予防法を解説!
【2パターンで解説】歯槽膿漏の原因とは?

歯槽膿漏の原因は、以下の2パターンに分けられます。
- 直接的な原因
- 間接的な原因
何気ない行動が歯槽膿漏を引き起こす場合もあります。
トラブルを防ぐためにも、原因や対策を確認しましょう。
直接的な原因
歯槽膿漏の直接的な原因は歯垢です。
つまり、歯の汚れがとれていないということになります。
予防法は、しっかり歯磨きを行うことです。
特に汚れが溜まりやすい歯と歯ぐきの間は注意しましょう。
▼歯磨きのタイミングを詳しく知りたい人はこちら▼
>>歯磨きするタイミングはいつがいい?お口の健康を保つブラッシングの習慣とは
間接的な原因
間接的な原因は、
- 口内環境
- 生活習慣
などが原因として挙げられます。
【口内環境】
口内環境は、口呼吸や歯並びの悪さが挙げられます。
歯科医院へ行くことで、症状も改善することが見込まれます。
なお心配なことがあれば、歯科医院へご相談ください。
【生活習慣】
生活習慣を具体的に挙げると、
- ストレス
- 睡眠不足
- 食生活
- 喫煙
などが挙げられます。
お口の健康のためにも、普段の過ごし方を意識することが重要です。十分な睡眠時間を確保したり、バランスの良い食事を摂ったりしましょう。
歯槽膿漏は自宅で治せるのか?

歯槽膿漏は自宅で治療をすることは難しいです。
残念ながら、風邪のように自然治癒することはありません。
なかには「市販のマウスウォッシュや歯磨き粉で治った」という声を聞いた方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際は一時的に症状が収まっている状態で、歯槽膿漏が治ったわけではないのです。
歯槽膿漏が自宅で治せない理由は、病気の原因となる歯垢を取り切れないためです。
歯垢が固まった歯石の状態になってしまえば、歯磨きで取り除くことは困難です。
歯槽膿漏を治すためには、歯科医院で症状を確認し治療を受けることが大切です。
歯槽膿漏の治し方4選

歯槽膿漏治療方法は、主に以下の42点です。
- 歯垢・歯石の除去
- 外科手術
- 歯周組織再生療法
- 骨の移植
なお、歯槽膿漏は自然治癒することがない病気です。
そのため、症状が軽いうちに歯科医院で治療を行いましょう。
【歯槽膿漏の治し方1】歯垢・歯石の除去
歯垢・歯石の除去は歯槽膿漏の基本的な治療法です。
まずは歯槽膿漏によって深まった溝(ポケット)の深さを測定します。
その後、歯垢・歯石の除去を行います。
特徴は、歯や歯根の表面を綺麗にして汚れや毒素を取り除くことです。
この処置により、歯槽膿漏により下がった歯茎が改善されることが見込まれます。
ポケットが浅くなれば、再発防止の治療に切り替えていきます。
なお目安はポケットの深さが2~3mmを維持することです。
【歯槽膿漏の治し方2】外科手術
歯周病が進行してしまい、一般的な歯垢・歯石の除去では改善しないこともあります。
この場合、必要に応じて外科手術を行います。
歯垢・歯石の除去に比べると、身体的にも費用面でも負担が大きくなります。
【歯槽膿漏の治し方3】歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた骨の歯を支えている組織を回復する治療です。細胞の増殖や分化の調節を行う「bFGF」と呼ばれるタンパク質を歯茎に注入します。
歯周組織再生療法は、方法によっては保険が適用される場合があります。
【歯槽膿漏の治し方4】骨の移植
歯周病の症状が進み顎の骨が解けてしまった場合は、自分の骨や人工の骨を移植します。骨が再生されることにより、歯茎が盛り上がったり、歯が長く見えてしまう見た目の問題を改善できたりします。
ただし、移植した骨が顎の骨と結合しない場合もあります。
【予防にも】自宅でできる歯槽膿漏を治す4つの歯磨き方法

歯槽膿漏の主な原因は歯垢です。
そのため歯磨きで、汚れをきちんと落とすことが重要になります。
ここでは、歯槽膿漏に効果的な4つの磨き方を紹介していきましょう。
- フォーンズ法
- スクラビング法
- ローリング法
- バス法
各ブラッシング方法の特徴について、詳しく解説していきます。
【歯槽膿漏に効果的な磨き方1】フォーンズ法
フォーンズ法は、歯ブラシの毛先を歯面に垂直に当てて磨く方法です。
歯ぐきも含めて連続して円を描くようにブラッシングすることが特徴に挙げられます。
歯の裏側は歯ブラシの毛先を歯に当てて、小刻みに前後に動かしてブラッシングしてください。
フォーンズ法は力を入れずに歯磨きができる方法です。
そのため、高齢の方やお子さまにも向いています。
【歯槽膿漏に効果的な磨き方2】スクラビング法

スクラビング法は、歯ブラシの毛先を歯面に垂直に当て、小刻みに横磨きをする磨き方です。
噛む面はブラシを直角に当て、細かく往復運動させます。
小刻みに磨くことで、歯の1本1本を丁寧にブラッシングすることができる方法です。
【歯槽膿漏に効果的な磨き方3】ローリング法

ローリング法は、まず歯ブラシの毛の脇腹を歯と歯ぐきの上に強く当てます。
その後、歯の先の方に回転させるようブラッシングをします。
歯茎がわずかに白くなる程度に圧迫してマッサージを行うことが大切です。
力が強すぎると歯肉を痛めてしまうので気をつけましょう。
【歯槽膿漏に効果的な磨き方4】バス法

バス法をする際には、まず歯ブラシの毛先を45度に当てます。
その後、歯ぐきの溝にブラシを入れるように圧迫しながら横磨きを行います。
注意することは、磨く強さです。
歯ブラシを強く握ってしまうと力が入り、歯肉を傷つけてしまいます。
鉛筆を握る感覚でブラシを持つようにしましょう。
歯槽膿漏は治すには定期健診が重要

歯槽膿漏は、治すことも予防することもできます。
しかし、歯周病の治療を受けても、再発してしまう可能性が高い病気です。
そのため症状が改善しても、定期的に歯科医院で検診を行う必要があります。
なお、メンテナンスによってお口のトラブルの早期発見に繋がることもあります。
3ヶ月に1回を目安に、定期健診を受けましょう。
歯槽膿漏の治療でよくある質問
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こちらでは、歯槽膿漏に関する以下3つの疑問に答えていきます。
- 歯槽膿漏の治療費用はどのくらいかかるのか?
- 歯槽膿漏の市販薬で治せるのか?
- 歯槽膿漏は歯磨きやマウスウォッシュで治せるのか?
ぜひ参考にしてみてください。
【よくある質問1】歯槽膿漏の治療費用はどのくらいかかるのか?
歯槽膿漏の治療費は、金額を断定してお伝えするのが難しいです。
症状や治療内容によって、費用が大きく異なるためです。
特に、歯槽膿漏は通院回数が増える傾向にあり、年に6〜12回かかることも珍しくありません。
治療費について詳しく知りたい場合は、お近くの歯科医院に問い合わせすることをおすすめします。
【よくある質問2】歯槽膿漏の市販薬で治せるのか?
歯槽膿漏は、市販の薬では治せません。
歯槽膿漏の原因である歯垢や歯石を取り除くことはできないためです。
一時的に症状が良くなっても、再発する可能性が高いです。
【よくある質問3】歯槽膿漏は歯磨きやマウスウォッシュで治せるのか?
歯磨きをしたりマウスウォッシュを使用したりしても、歯槽膿漏は治せません。
しかし、歯周病の予防効果は期待できます。
また、マウスウォッシュだけでは歯垢が残ってしまいます。
そのため、歯磨きと併用して使用するようにしましょう。
歯槽膿漏の治し方について不安があれば歯科医院へ

歯槽膿漏は、症状が軽いものであれば、歯垢や歯石の除去で改善することもあります。
しかし、病気が進行すれば、手術をしなければならない場合もでてきます。
歯槽膿漏の症状が悪化する前に、早めに歯科医院で治療を行いましょう。
なお治療後も再発防止のため、定期的な検診が大切です。
歯槽膿漏で不安やお悩みがあれば、お気軽に歯科医院へご相談ください。
※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。
当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。

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