皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
今回は、虫歯と頭痛の関係について解説します。
この2つの病気は、一見関わりがなさそうに思えますが、虫歯は頭痛の原因になる場合があります。
さらに、放っておくと症状が悪化してしまう可能性もあります。
本記事では、虫歯が頭痛を引き起こす原因や対処法についてお話していきます。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
虫歯と頭痛の原因になる!こめかみの痛みや肩こりに繋がる場合もある
虫歯と頭痛には、深い関わりがあります。
そのため、虫歯が原因で頭が痛くなるケースは珍しくありません。
歯の痛みを伝える「三叉神経」と呼ばれる神経は、頭全体に張り巡らされています。
そのため、こめかみに痛みを感じる場合があります。
また、症状によっては、肩こりや首の痛みを伴うこともあります。
虫歯が原因の頭痛は、かなり症状が進行しているということです。
そのまま放っておくと、痛みが増したり、頭痛以外の症状も出たりすることもあるため危険です。
早めに歯科医院へ足を運び、治療を受けましょう。
虫歯が頭痛を引き起こす原因5選
虫歯が頭痛を引き起こす原因は下記5点です。
- 歯髄炎(しずいえん)
- 歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)
- 歯の嚙み合わせのズレによる筋緊張性頭痛
- 脳炎(のうえん)
- 脳静脈血栓症(のうじょうみゃくけっせんしょう)
ちょっと難しい言葉が多いですね。それぞれの原因について、分かりやすく丁寧に解説していきます!
【頭痛の原因1】歯髄炎(しずいえん)
「歯髄炎(しずいえん)」とは、虫歯が歯髄(神経と血管が集中している場所)まで進行している病気です。
「ズキズキ」とした痛みが特徴です。
炎症がひどくなると、頭痛やひどい口臭の原因になります。
歯に穴が空いていなくても見えない箇所から虫歯が進行して、歯髄炎になっていることもあります。
【頭痛の原因2】歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)
「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」とは、虫歯が進行し、細菌が歯髄から副鼻腔(頬骨の内側にある空間)に入り炎症が起こる病気です。
この病気は、頭痛や頬の痛み、勢いのある鼻水などが症状として挙げられます。
歯が原因ではない上顎洞炎の場合にも同様の症状が起こりますので、きちんとした診断が必要です。
【頭痛の原因3】歯の嚙み合わせのズレによる筋緊張性頭痛
虫歯による歯の嚙み合わせのズレは「筋緊張性頭痛」に繋がります。
筋緊張性頭痛とは、片側の筋肉が緊張し、痛みを伴う病気です。
虫歯がない方の歯ばかりで食事をすると歯がすり減り、嚙み合わせの高さにズレが生じます。
嚙み合わせのズレは頭全体のズレに繋がり、筋緊張性頭痛を引き起こすのです。
頭痛だけでなく、肩こりや首の痛みを伴うこともあります。
【頭痛の原因4】脳炎(のうえん)
脳炎とは、脳内に白血球が入り込んで炎症を起こす病気です。
頭痛だけでなく、首の後ろの痛み・発熱・吐き気・嘔吐といった症状があることが特徴です。
症状の進行に伴い、痙攣や意識障害といった病状が突如として現れる恐ろしい病気です。
脳炎まで進行することは極めてまれですが、虫歯を放置し続けると発症する可能性は否めません。
こうなるまえに、歯科医院を受診しましょう。
【頭痛の原因5】脳静脈血栓症(のうじょうみゃくけっせんしょう)
「脳静脈血栓症(のうじょうみゃくけっせんしょう)」とは、虫歯菌が血液の循環によって脳の静脈へ達し、炎症を起こさせ、血栓を生じさせる病気です。
刺すような強い頭痛が特徴的です。
この病気に進行するのも極めてまれですが、命の問題に関わることもあります。
ここまで進行する前に、早めに歯科医院へ行きましょう。
虫歯以外で頭痛が起きる原因4選
頭痛は虫歯以外でも起きる可能性があります。
主な原因は、以下3点です。
- 歯周病
- 顎関節症
- 根管治療の失敗
- 非歯原性歯痛
順番に解説します。
【頭痛の原因1】歯周病
歯周病とは、お口の中の歯垢や歯石等によって引き起こされる感染症です。
歯周病によって歯茎が炎症を起こすことで、頭痛の原因になる場合があります。
▼歯周病の症状や予防法について知りたい方はこちら▼
>>歯周病の原因とは?症状や治療方法、予防法まで徹底解説
【頭痛の原因2】顎関節症
顎関節症とは、顎が痛んだり、口を開けにくくなったりする病気です。
顎だけでなく、頭や歯にも痛みを感じる場合があります。
虫歯があると虫歯がない反対の顎で噛む癖がつき、顎関節症が発症しやすいといわれています。
【頭痛の原因3】根管治療の失敗
根管治療は、虫歯が重症化したときに行われる治療です。
歯の神経を取り、根元に溜まった膿を除去するように治療します。
根管治療の後に頭痛が起こった場合は、治療が失敗している可能性があります。
膿が取り切れずに残っていたり、詰め物が合っておらず圧迫されていたりすることが考えられます。
▼根管治療について知りたい方はこちら▼
>>歯の神経を抜くとどうなる?根管治療の流れや注意点を解説
【頭痛の原因4】非歯原性歯痛
非歯原性歯痛とは、歯に原因がないのに歯や頭に痛みを感じる症状の総称です。
例えば、筋・筋膜性歯痛や神経障害性歯痛が該当します。
非歯原性歯痛は、原因の特定が難しく、症状が長引いてしまいがちです。
症状の慢性化を防ぐためにも、早めの段階で診断・治療を受けることが大切です。
虫歯による頭痛の治療法とは?
虫歯による頭痛に対しては、主に以下の治療を施します。
- 虫歯の治療を行う
- 噛み合わせの治療を行う
それぞれの治療について、順番に解説します。
【対処法1】虫歯の治療を行う
頭痛の根本の原因は「虫歯」です。
そのため、やはり虫歯を治療することが大切です。
頭痛を引き起こすレベルまできている場合は、かなり症状が進行していることが多いです。
できれば頭痛の症状が出るまえに、早めに歯科医院へ行きましょう。
そのまま放置すると、頭痛以外の症状も出てくる場合があります。
▼虫歯の進行状況に関するコラム▼
>>【早期治療がカギ】虫歯には段階がある?進行状況別に治療内容を紹介
【対処法2】嚙み合わせの治療を行う
筋緊張性頭痛の場合は、虫歯治療と併せて嚙み合わせの治療を行います。
虫歯を治した上で、矯正装置を使ったり、義歯をいれて歯の高さを調整したりして、安定した噛み合わせになるように調整していきます。
嚙み合わせが悪いと、肩こり、腰痛など頭痛以外の症状がでてくることもあります。
早めの治療を心がけましょう。
虫歯による頭痛の応急処置方法
虫歯が原因の場合も、基本的に頭痛の応急処置方法は変わりません。
歯科医院にいくまでの間にすべき応急処置を3つ紹介します。
- 患部を冷やす
- 鎮痛剤を服用する
- 血行を良くする行動を控える
それぞれ解説します。
【応急処置の方法1】患部を冷やす
濡れたタオルや保冷剤、タオルで巻いた氷などで患部を冷やしましょう。
冷やすことで血流を抑え、痛みを和らげられると言われています。
歯と頭、両方に痛みが出てきている場合はどちらも冷やしましょう。
ただし、急激に冷やしたり、冷やしすぎたりしないようにしてください。
かえって痛みが強くなることもあります。
【応急処置の方法2】鎮痛剤を服用
上記の応急処置でも痛みが治らない場合は、鎮痛剤を服用して早目に歯科医院を受診しましょう。
鎮痛剤は歯科で処方されたものである必要はありません。
市販の痛み止めを服用し、痛みを抑えましょう。
【応急処置の方法3】血行を良くする行動を控える
お風呂に入ったりアルコールを服用したりすると、血行が良くなり痛みが増します。
血液の循環を良くする行動は控え、安静にしましょう。
痛みが引いてきた場合も、血行を良くするとまたぶり返すこともあるので気をつけてください。
【放置は危険】虫歯による頭痛は死亡の前兆なのか?
虫歯による頭痛は死亡の前兆という噂を聞いて、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
虫歯によって頭痛が起こる場合、必ずしも死につながるわけではありません。
ただし、リスクがないわけではないので、注意が必要です。
虫歯を放置すると、心筋梗塞や脳梗塞に発展する可能性があります。
まれなケースではありますが、危険性があることは頭に入れておきましょう。
また、頭痛の有無に関わらず、虫歯がある場合は、早めに歯科医院で治療を受けることが大切です。
歯のお悩みはお近くの歯科医院へご相談ください
頭痛の原因になるのは、風邪などの体調不良だけではありません。
虫歯も頭痛を引き起こします。
虫歯による頭痛を放っておくとさらに痛みが増したり、吐き気や発熱などの症状が出たりする可能性もあります。
虫歯による頭痛はかなり症状が悪化している状態です。
お近くの歯科医院へ行き、早めの治療を行いましょう。
また、そもそも虫歯になる前に定期的な検診を受けるのも大切です。
治療や検診に少しでも不安があれば、お近くの歯科医院に相談しましょう。
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