【矯正歯科】子どもの矯正にかかる期間は?小児矯正で使う器具も解説

皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。

今回は子どもの「矯正」にスポットを充てていきます。
お子様の歯並びを気にされ、治療方法を知りたいという親御様もいらっしゃるのではないでしょうか?

本記事では、

  • 矯正治療にかかる期間
  • 治療の種類
  • 子どものうちから矯正をするメリット・デメリット

をご紹介していきます。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
  1. 子どもの矯正治療の期間はどのくらい?
    1. 6~10歳の子どもだと数年かかることも
    2. 11歳以上の子どもだと1年半~2年半
  2. 【子どもの矯正治療の種類】第1期矯正とは
    1. 第1期矯正の目的
    2. 第1期矯正の治療内容
    3. 【第1期矯正の治療内容①】床矯正
    4. 【第1期矯正の治療内容②】ヘッドギア
    5. 【第1期矯正の治療内容③】上顎前方牽引装置
    6. 【第1期矯正の治療内容④】リンガルアーチ
    7. 【第1期矯正の治療内容⑤】MFT(筋機能療法)
  3. 【子供の矯正治療の種類】第2期矯正とは
    1. 第2期矯正の目的
    2. 第2期矯正の治療内容
    3. 【第2期矯正の治療内容①】ワイヤー・ブラケット
    4. 【第2期矯正の治療内容①】マウスピース
  4. 子どもの内から矯正治療をする4つのメリット
    1. 【子どもの内から矯正するメリット①】永久歯を抜かずに矯正できる可能性がある
    2. 【子どもの内から矯正するメリット②】虫歯・歯周病になりにくい
    3. 【子どもの内から矯正するメリット③】笑顔に自信が持てる
    4. 【子どもの内から矯正するメリット④】正しい咀嚼や発音が身に付く
  5. 子どもの内から矯正治療をする2つのデメリット
    1. 【子どもの内から矯正するデメリット①】虫歯・歯肉炎・歯周病のリスクがある
    2. 【子どもの内から矯正するデメリット②】治療期間が長くなることがある
  6. 子どもの矯正治療でお悩みは歯科医院へ!

子どもの矯正治療の期間はどのくらい?

お子様の矯正に治療かかる期間を紹介していきます。
年齢によってかかる年数も変わってくるため、時期ごとに解説していきますね。

6~10歳の子どもだと数年かかることも

6〜10歳のお子様は、第1期矯正・第2期矯正の両方の治療を受けることが多いです。
トータルでは、矯正期間が数年に及ぶこともあります。

この時期のお子様は、乳歯と永久歯がまざっている状態です。
まずは、噛み合わせ調整や歯列を拡大するところからスタートします。
具体的な治療法については、下記で詳しく解説していきますね。

11歳以上の子どもだと1年半~2年半

11歳以上のお子様は、永久歯が生えそろっている時期です。
この場合、第2期矯正の治療だけを受けます。

治療法としては、ブラケットとワイヤーをつける歯列矯正がメイン。
約1年半~2年半で歯並びを整えていくことが多いですが、症例によってはさらに時間が必要な場合もあります。

【子どもの矯正治療の種類】第1期矯正とは

永久歯が生えそろう前におこなうのが第1期矯正です。

治療の目的や具体的な方法を説明していきます。

第1期矯正の目的

第1期矯正の目的は、骨格の成長を正しい状態に誘導し、悪い方向に成長するのを防ぐことです。

また、永久歯が生える土台を作れるのはこの時期だけ。
第1期矯正で顎のベースを整えれば、抜歯せずに治療できる可能性も出てきます。

第1期矯正の治療内容

第1期矯正の具体的な治療内容をご紹介していきます。

主に治療に用いるのは下記5点です。

  1. 床矯正
  2. ヘッドギア
  3. 上顎前方牽引装置
  4. リンガルアーチ
  5. MFT(筋機能療法)

時期やお口の状態によって、器具を取り替えながら矯正を進めます。

当院の場合、第1期矯正の価格は30万円程度です。装置をいくつ取り替えても、最初に提示した治療費が変わることはありません。

【第1期矯正の治療内容①】床矯正

床矯正(しょうきょうせい)とは顎の大きさや形、上下の歯の噛み合わせなどを整えるための治療法です。

取り外しが簡単にできるというメリットがあります。
一方、床矯正では大雑把な歯の移動しかできない点がデメリット。
でこぼこが激しい場合には適応できなかったり、ほかの矯正方法と組み合わせなければいけなかったりします。

【第1期矯正の治療内容②】ヘッドギア

ヘッドギアは、上の臼歯(奥歯)を後方へ移動させるための方法です。

装着すると目立つため、外出時に必ずしも付ける必要はありません。
ただし、12時間以上装着することで効果が見込まれるため、自宅や就寝時に装着するように習慣化するといいでしょう。

【第1期矯正の治療内容③】上顎前方牽引装置

上顎の前方への成長を促すために使用する装置です。
額と顎先を支点にしたマスクを用います。

上顎前方牽引装置は取り外しが可能な装置です。
しかし、ヘッドギアと同様、12時間以上装着することで効果が見込まれます。
長時間付けておく習慣を身に付けておくといいでしょう。

【第1期矯正の治療内容④】リンガルアーチ

リンガルアーチは、取り外しができませんが、持続的に力が加わるため、効率よく歯が横に広がります。

歯の裏側につけるので、目立ちづらい治療方法です。
一方、慣れるまで食事や発音が難しい場合もあります。

【第1期矯正の治療内容⑤】MFT(筋機能療法)

器具を装着せずに筋肉を鍛えることで正しい歯並びにする治療方法です。
舌の悪いクセ「舌癖(ぜつへき)」を治すのことを目的としています。
「プレオルソ」と呼ばれる器具を使用することもあります。

MFTでは、毎日トレーニングを行わなければなりません。
そのため、お子様のやる気を出させるなど、ご家族の協力が必要となります。

【子供の矯正治療の種類】第2期矯正とは

永久歯が生えそろったあとにおこなうのが第2期矯正です。
治療の目的や具体的な方法を説明していきます。

なお、治療価格は45万円程度です。
第2期矯正からはじめた場合でも、第1期矯正と合わせた金額がかかります。

第2期矯正の目的

第2期矯正の目的は、永久歯の歯並びを整えていくことです。
歯を細かく動かして、歯列全体を整えていく治療を行います。

第2期矯正の治療内容

第2期矯正の治療は

  1. ブラケット
  2. マウスピース

の上記2つから選択することがほとんどです。

【第2期矯正の治療内容①】ワイヤー・ブラケット

歯にワイヤーを通すことのできる器具(ブラケット)を装着します。
そこにワイヤーを通し、少しずつ歯を移動する治療方法です。

ブラケットには

  • メタルブラケット
  • クリアブラケット

の2つ種類があります。

それぞれの違いを表にまとめてみました。

素材 特徴
メタルブラケット 金属製 ・丈夫な上、他の矯正装置に比べると安価
・金属アレルギーの心配がある
クリアブラケット セラミックや樹脂 ・透明、白で目立ちにくい
・メタルブラケットより高価で、強度がやや劣る

どちらのブラケットがいいのかは、お子様の状況にもよります。
気軽にお近くの歯科医院へご相談ください。

【第2期矯正の治療内容①】マウスピース

透明なマウスピースを使って歯の矯正を行います。
約2週間毎に新しいマウスピースに交換し、歯を徐々に移動させる治療法です。

目立ちにくい反面、治療できる症例が限られています。
もともとある程度整った歯並びでないと利用できないのがデメリットです。

マウスピースは取り外しが可能ですが、一日20時間以上装着しなければ効果が見込まれません。
食事のとき以外はつけ続けるように、習慣にするといいでしょう。

子どもの内から矯正治療をする4つのメリット

子どもの内から矯正治療をするメリットは以下の4点です。

  1. 永久歯を抜かずに矯正できる可能性がある
  2. 虫歯・歯周病になりにくい
  3. 笑顔に自信が持てる
  4. 正しい咀嚼や発音が身に付く

それぞれの項目について詳しく解説していきます。

【子どもの内から矯正するメリット①】永久歯を抜かずに矯正できる可能性がある

大人になってしまうと、永久歯が生えそろっており、あごの成長も終えている状態です。
そのため、矯正で歯をきれいに並べるスペースを作るには、抜歯が必要になることがあります

一方で、子どものうちに矯正を始めれば、まだあごは成長途中。
あごの成長を促しながらスペースを作れるため、抜歯をせずに矯正ができる場合があります。

【子どもの内から矯正するメリット②】虫歯・歯周病になりにくい

歯並びが悪いと、ブラッシングでは届かない部分が多くなり、歯の磨き残しが目立ちます
そのため、歯垢・プラークが溜まりやすくなることも。

結果として、永久歯の虫歯のリスクがあがります。
お子様の内から矯正治療をすると、将来的にお口のトラブルが少なくなる可能性があるのです。

【子どもの内から矯正するメリット③】笑顔に自信が持てる

歯並びが綺麗だと、歯のことを気にせずに笑えるようになります。

小さい子どものときは歯並びを気にしていなくても、思春期になるにつれて気になることもありえますよね。
早期に矯正をすれば、お口元にずっと自信を持って生活できるようになります。

【子どもの内から矯正するメリット④】正しい咀嚼や発音が身に付く

歯並びを整えることで、正しい咀嚼が身についたり、発音に影響を与えることもあります。

歯並びは、咀嚼・発音と密接な関係があるのです。
例えば、上と下の歯が嚙み合わないと、前歯で食べ物を嚙み切ることが難しくなります。
さらに、前歯が噛み合っていない状態だと発音がしにくくなることも。

歯並びを整えれば、食事のしやすさや滑舌も改善する可能性があります。

子どもの内から矯正治療をする2つのデメリット

一方、子どもの内から矯正治療をすることにはデメリットもあります。

  1. 歯肉炎・歯周病のリスクがある
  2. 治療期間が長くなることがある

主に上記2点です。
それぞれのデメリットについて解説していきます。

【子どもの内から矯正するデメリット①】虫歯・歯肉炎・歯周病のリスクがある

矯正器具を装着することによる歯の磨き残しから、お口の異常が見受けられることもあります。
器具のついているところはどうしても磨きにくくなるため、そこに歯垢が溜まってしまうのです。

そのため、ブラッシングなど歯のケアは念入りに行いましょう。
親御様が仕上げ磨きをしてあげるといいですね。

【子どもの内から矯正するデメリット②】治療期間が長くなることがある

子どもの矯正は、あごの骨の成長が終わる15歳前後まで経過を観察する必要があります。
そのため、矯正期間が長くなる傾向に。

治療が終わる時期は、お子様の年齢やお口の状況によっても変わります
矯正期間がどのくらいになるのか心配…という親御様は、お近くの歯科医院までご相談ください。

子どもの矯正治療でお悩みは歯科医院へ!

今回は子どもの矯正について、期間治療法などをご紹介しました。
お子様のお口の状況や年齢によって、治療内容も変わってきます。

もし子どもの歯並びで気になることがあれば、ぜひお近くの歯科医院へ相談してみましょう。当院の矯正歯科もご利用ください。

※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。

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