歯周病と発熱の関係|歯茎が腫れたときに要注意の症状と4つの予防法

「歯周病が原因で発熱することがあるのだろうか」
「風邪の症状はないのに熱がある」
「歯周病が大きな病気に発展することはあるのか」
と疑問に思っている方がいるのではないでしょうか。

歯周病自体が発熱を引き起こすことはありません、しかし、歯周病が原因で他の病気や炎症を引き起こした場合は、発熱することがあります。重症化する可能性もあるので、早めに歯周病の治療を行いましょう。

この記事では、歯周病での発熱に関する以下のポイントを解説しています。

  • 歯周病が原因で発熱している場合に考えられる病気
  • 歯周病の予防法

それぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

歯周病が進行して他の病気を引き起こすと発熱することがある

歯周病そのものに発熱する要因はありません。しかし、歯周病が原因で骨髄炎などの歯性感染症になると発熱する可能性があります。また、歯周病の菌が肺に入り、下性肺炎などが発症した場合も発熱することがあります。

歯周病になっている状態で発熱したら早めに病院へ行きましょう。風邪が原因でないのであれば、歯周病による病気の可能性があるので、歯科医院も受診して原因を早めに見つけることで、重症化を回避できます。

歯周病が原因で発熱している場合に考えられる病気

歯周病が原因で発熱している場合に考えられる病気は、以下の3つです。

  1. 誤嚥性肺炎
  2. 歯性感染症
  3. 感染性心内膜炎

それぞれ解説します。

【病気1】誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、唾液に含まれている歯周病菌を誤って飲み込んでしまった場合に発症する病気です。また、食べ物をうまく飲み込めず、気道に流れ込んでしまった場合に発症するこもあります。

主な症状は以下の通りです。

  • 発熱
  • 激しい咳

抗生物を投与して治療を行います。高齢者になると誤嚥が治りにくいので、嚥下機能を鍛える治療を平行して行うこともあります。また、口腔ケアをして歯周病菌を減らすことで症状の改善を可能です。

【病気2】歯性感染症

歯性感染症は、歯周ポケットから細菌が感染し、口内の組織に炎症が起こる病気です。

歯槽骨や顎骨に炎症が起こり、顔まわりが腫れたり、熱が出たりする症状があります。高熱が出ることもあるので、早めに病院へいきましょう。

【病気3】感染性心内膜炎

感染性心内膜炎は、血液を経由して全身に歯周病菌が行き渡ることで起こる炎症です。その中でも、心臓内で炎症を起こすと心内膜炎を引き起こし発熱することがあります。

抗生物質を静脈内に投与して治療を行いますが、重症化している場合は外科手術を行う場合もあります。

歯周病の予防法4選

歯周病の予防法は以下の4つです。

  1. 生活習慣を改善して抵抗力を高める
  2. ブラッシングを丁寧に行う
  3. デンタルグッズを使って歯垢を取り除く
  4. 歯科医院へ定期検診に行く

それぞれ解説します。

【予防法1】生活習慣を改善して抵抗力を高める

生活習慣を見直して抵抗力を高めましょう。体の抵抗力を高めることで、病気などの症状を引き起こしにくくなります。以下のような生活を心がけ、健康的な生活を送りましょう。

  • 十分な睡眠をとる
  • 栄養バランスの取れた健康的な食事をとる
  • お風呂にゆっくり浸かる
  • リラックスする時間をとる

【予防法2】ブラッシングを丁寧に行う

歯周ポケットを意識して正しい方法でブラッシングを行いましょう。正しく磨けていないと、歯磨きをしても歯垢が残り歯周病に繋がります。

以下のようなポイントを意識して磨きましょう。

  • 食後に10分以上丁寧に磨く
  • 自分にあった歯ブラシを使う

歯科医院でブラッシング指導を受けられるので、一度相談してみましょう。

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1回の歯磨きの時間は10分以上必要!正しいブラッシングや意識することを解説

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【歯ブラシの選び方】普段の歯磨き用におすすめの選び方を年齢別に解説

【予防法3】デンタルグッズを使って歯垢を取り除く

デンタルフロスや歯間ブラシなどのデンタルグッズを使用することで、歯周病を防げます

歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間にある歯垢を取り除きにくいです。デンタルフロスを使うとで、歯ブラシだけでは届きにくい部分まで綺麗にすることができます。薬局やコンビニで簡単に買えるので、歯磨き後に使いましょう。

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フロスと歯間ブラシは両方使うべき?特徴や使い方を解説

【予防法4】歯科医院へ定期検診に行く

歯科医院へ定期検診にいき、口内をチェックしましょう。専用の器具で歯垢を取り除くことができるので、歯周病を予防できます。

また、ブラッシング指導を受けることも可能です。自分でブラッシングしているだけではうまく歯垢が取れているか分かりにくいので、歯科医院でしっかりチェックしてもらいましょう。

最低でも3ヶ月に1回くらいのペースで通うようにしましょう。

まとめ

この記事では、歯周病での発熱に関する以下のポイントを解説しました。

  • 歯周病が原因で発熱している場合に考えられる病気
  • 歯周病の予防法

歯周病がある状態で発熱している場合、誤嚥性肺炎や歯性感染症など病気が発症している可能性があります。重症化してしまう可能性もあるので早めに治療を進めましょう。

また、普段の歯磨きや生活習慣を改善することで歯周病を予防できます。定期的に歯科医院へ通って口内の状況を改善し、歯周病になりにくい環境をつくりましょう。

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