皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
今回は歯ぎしりの原因について解説していきます。
家族やパートナーに指摘され、初めて自分が歯ぎしりをしていることに気づいた方も多いのではないでしょうか。
自覚がないため、おどろいた方も多いでしょう。
そこでこの記事では、歯ぎしりの原因や治療法などについて解説します。
放っておくと、最悪の場合歯を失ってしまうことになります。
歯ぎしりで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。
歯ぎしりの原因5選
歯ぎしりの原因は、主に下記の5つといわれています。
- ストレス
- 食いしばりの習慣化
- 嚙み合わせが悪い
- 日中の癖
- 子どもの成長期によるもの
それぞれの要因について、詳しく解説していきましょう。
【原因1】ストレス
歯ぎしりの原因の大多数がストレスです。
そのため、ストレスを解消することで症状が緩和する場合もあります。
悩みは溜め込まず、誰かに相談したり、趣味に打ち込んだりしてリフレッシュしましょう。
【原因2】食いしばりの習慣化
食いしばりが癖になってしまうと、歯ぎしりを行う可能性があります。
特にスポーツ選手や力仕事など、瞬間的に力を発揮する職業についていると習慣化してしまいやすいです。
【原因3】噛み合わせが悪い
噛み合わせの異常や顎の変位が原因で、歯ぎしりをしてしまうこともあります。
治療後の詰め物が歯に合っていない場合も考えられるでしょう。
使用するにつれて詰め物も劣化するため、最初は噛み合わせがあっていても徐々にズレてくることもありえます。
【原因4】日中の癖
リラックスしているときは、歯が上下に合わさらず、空間がある状態です。
しかし、力仕事やデスクワークをしている日中は、交感神経が優位に働きます。そのため、日中は歯を噛み合わせる状態が続き、知らずのうちに歯ぎしりをしている場合があります。
【原因5】子どもの成長期によるもの
子どもの成長期によって起こる場合もあります。
永久歯と乳歯の入れ替え時期におこる不快感などから、歯ぎしりにつながることもあります。
この場合は、成長に伴って自然に歯ぎしりがおさまることもありえます。
歯ぎしりの3つの種類
歯ぎしりとひとことでまとめても、さまざまな種類があります。
この章では、下記3つの歯ぎしりについて解説していきましょう。
- グラインディング
- クレンチング
- タッピング
概要などをひとつずつ紹介します。
【歯ぎしりの種類1】グラインディング
グラインディングは、歯をギリギリと横にすり合わせる歯ぎしりです。キリキリと音がするため、周囲の人に指摘されて気づくケースが多いです。
歯を滑らせて横にこすり合わせているのでダメージも大きく、徐々にすり減っていきます。
【歯ぎしりの種類2】クレンチング
クレンチングは、音を立てず強く噛み締める歯ぎしりです。食いしばるという言い方をした方がイメージしやすいかもしれません。
日中も無意識のうちに行っていることがあり、自覚しにくいことが特徴です。クレンチングをしていると頬の筋肉に力が入り、固く膨らんで見えることもあります。
【歯ぎしりの種類3】タッピング
タッピングは、上下の歯をカチカチと噛み合わせるタイプです。グラインディングやクレンチングのような、強い力は加わりません。
寒くて震えているときのように、小さな音が出るのが特徴です。
歯ぎしりを放置しておくリスク5選
歯ぎしりを放置しておくことで、さらなる問題につながる可能性があります。
主に下記5点です。
- 歯がすり減る・欠損する
- 歯周病が進行する
- 顎にダメージを与える
- 肩こりや頭痛になる
- インプラントや被せ物に悪影響を及ぼす
それぞれのリスクについて、詳しく解説していきます。
【リスク1】歯がすり減る・欠損する
歯がすり減ったり、欠損したりするリスクがあります。歯ぎしりは、自分の体重の2倍〜5倍の力がかかるといわれているからです。
また、歯がすり減ることで知覚過敏につながる場合もあります。
放置することで歯を失うことにもなりますので、早めの対処が必要です。
【リスク2】歯周病が進行する
歯ぎしりを放置することで、歯周病が進行してしまう場合もあります。大きな力が持続的にかかり、歯茎に負担がかかるためです。
なお歯周病を放っておくと、最悪の場合は歯が抜け落ちることもあります。歯茎が腫れていたり出血していたりしているのは、歯周病の初期症状です。早めに歯科医院で行き、治療を受けましょう。
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【リスク3】顎にダメージを与える
歯ぎしりは顎にダメージを与える行為です。そのため、下記の症状を引き起こす場合があります。
- 顎関節痛:あごや頭、顔が痛む
- 開口障害:口が指1~2本分しか開かない
- 関節雑音:耳の前でカクカク、ガサガサする音がする
これらの症状を放っておくと、食事や会話の妨げになります。普段の生活にも悪影響を及ぼすことがあります。
【リスク4】肩こりや頭痛になる
肩こりや頭痛を引き起こす場合もあります。歯ぎしりをすると、口元の筋肉につながっている首や肩まわり、こめかみなどの筋肉にも炎症が起きやすくなるためです。
【リスク5】インプラントや被せ物に悪影響を及ぼす
インプラントや被せ物をしている場合、欠けたり割れたりしてしまうリスクがあります。場合によっては、痛みを伴うこともあるでしょう。
最悪の場合、インプラントが抜けてしまうこともあります。再度埋め直す必要があるため、治療費が余計にかかってしまいます。
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歯ぎしりの対処法・治し方5選
歯ぎしりは放置してしまうと、大きなリスクがあることが分かっていただけたと思います。しかし、どうしたら良いのか分からない方も多いでしょう。
そこでこの章では、具体的な改善方法を解説していきます。
具体的には、下記5点です。
- 睡眠の質を改善する
- 枕を低くする
- 普段生活から歯ぎしり・食いしばりを控える
- 頬の筋肉をもみほぐす
- 噛み合わせを調節する
それぞれの方法について、詳しく紹介します。
【対処法・治し方1】睡眠の質を改善する
睡眠の質を改善するようにしましょう。
歯ぎしりは睡眠が浅いときに起こるといわれているからです。
例えば、下記の行動は睡眠の質を改善する効果が期待できます。
- 飲酒・喫煙の頻度を減らす
- ストレスを解消する
- 寝る前にストレッチをする
歯ぎしりを改善したいなら、睡眠の質を改めていきましょう。
【対処法・治し方2】枕を低くする
枕を低くすると、頭が少し上を向くため、口が開きやすくなります。
そのため、歯ぎしりをしにくい状況を作れます。
仰向けで寝る場合は、バスタオルをロール状に巻き、長い枕を作るのも良いでしょう。
【対処法・治し方3】普段生活から歯ぎしり・食いしばりを控える
日中無意識に歯ぎしりをおこなっている場合は、普段からしないように注意しましょう。
意識することで、改善につながります。
家族や友人などに協力してもらい、歯ぎしりをしているときは指摘してもらうのも1つの方法です。
無意識にしてしまうものなので最初は大変かもしれませんが、少しずつ改善をこころみましょう。
【対処法・治し方4】頬の筋肉をもみほぐす
歯ぎしりで顎の筋肉がこわばる場合は、マッサージすると良いでしょう。
顎関節症の予防効果もあるといわれています。
しかし、マッサージは歯ぎしりを抑止するものではありません。
あくまでも、凝りかたまった筋肉の痛みをとるための方法と覚えておきましょう。
【対処法・治し方5】噛み合わせを調節する
歯ぎしりの原因は、噛み合わせの異常や顎の変位によるものの場合があります。
そのため、噛み合わせを調節することで、歯ぎしりが治る効果が期待できます。
噛み合わせの調節は、歯科医院で行いましょう。
▼噛み合わせの治療について知りたい方はこちら▼
>>かみ合わせ治療は重要!受けないデメリットや治療方法を解説
寝ているときに歯ぎしりをする人はマウスピース(ナイトガード)をつけましょう
眠りが浅いと、無意識に頬の筋肉に力が入り歯ぎしりを起こしてしまいます。
眠りが浅い原因は、ストレスや飲酒・喫煙などさまざまです。
寝ている間は無意識に歯ぎしりをしているため、自分で止めるのはなかなか難しいです。
そのため、マウスピース(ナイトガード)を装着して、歯を守りましょう。
ギリギリとした、不快な音の抑制にもつながります。
マウスピース(ナイトガード)は、市販のものもありますが、歯科医院で作ってもらうのが好ましいです。
歯科医院では患者さんのお口に合わせて型取りをするため、自分の口に合ったマウスピースを作成してもらえます。
歯ぎしりでお悩みの方は歯科医院へご相談ください
今回は歯ぎしりの原因についてお話しました。
大半はストレスですが、癖や噛み合わせの悪さが要因の場合もあります。
歯ぎしりを放置することはリスクも多く、そのままにしておくとお口の健康を損なってしまいます。
早めに歯医者へ行き、歯の状況を確認してもらったり、自分専用のマウスピースを作ってもらったりしましょう。
歯ぎしりでお悩みの際は、ぜひお近くの歯科医院へご相談ください。
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