歯磨きで歯が痛いと感じる原因は知覚過敏?虫歯?早めに歯科医院で治療しよう

「普段は気にならないのに、歯磨きしているとなんとなく歯が痛い」とお悩みの方に向けて書いたコラムです。

歯が痛むと、お口の状態が気になり、不安になりますよね。普段は痛くないから様子を見るべきか、歯科医院にいくべきかという疑問もあるでしょう。

そこでこの記事では、

  • 歯磨きで歯が痛いと感じる原因
  • 治療方法
  • 予防方法

をわかりやすくまとめています。

原因不明の歯の痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

歯磨き時に歯が痛いと感じる原因

歯磨きをしているときだけ歯が痛い場合、2つの原因が考えられます。

  • 知覚過敏になっている
  • 虫歯が進行している

それぞれ解説します。

【原因1】知覚過敏になっている

知覚過敏は、虫歯や歯の神経の炎症などのトラブルがないものの痛みを感じる状態です。

歯の一番外側を形成するエナメル質は、削れても痛みを感じません。しかし、エナメル質が薄くなってしまうと、その内側にある象牙質が露出します。

象牙質がむき出しになった状態では、歯の神経を刺激しやすくなってしまい、知覚過敏の症状が現れることがあります。

象牙質が出てきてしまう原因の一つとして、歯周病があげられます。歯周病で歯茎が下がってしまうと象牙質が露出しやすくなってしまい、冷たいものや歯磨きなどの刺激で痛みを感じることがあります。

▼象牙質について詳しく解説▼

【歯科医院監修】象牙質とは?役割や虫歯が進行した場合の症状を解説

【原因2】虫歯が進行している

虫歯が進行していると、歯磨きでも痛みを感じることがあります。

虫歯によって歯に穴が空いてしまうと、歯ブラシや食べ物によって刺激を受ける部分と神経の距離が近づきます。結果として、痛みを感じやすくなるのです。

歯磨きをしているときに関わらず、虫歯で痛みを感じる場合はすでに症状が進んでいる可能性が高いです。早めに歯科医院に行き、治療をすすめましょう。

▼虫歯の段階を詳しく解説▼
【早期治療がカギ】虫歯には段階がある?進行状況別に治療内容を紹介

歯磨き時に歯が痛いと感じる知覚過敏の症状

「私は知覚過敏かもしれない」と不安になった方に向けて、よくある症状をまとめます。当てはまるかどうか確認してみてください。

  1. 冷たいもの熱いものを食べると歯がしみる
  2. 甘いものがしみる気がする
  3. 痛みは一時的である
  4. 歯を叩いても痛みは感じない

知覚過敏の特徴は、症状が一時的であることです。一日中、歯が痛むわけではありません。また、指でトントン歯を叩いても痛みを感じないならば、知覚過敏の可能性が高いです。

虫歯の場合、響くような痛みを感じます。

歯が痛い原因が知覚過敏の場合の治療法

知覚過敏で歯が痛んでいる場合の治療法を紹介していきます。進行度合いによって治療方法は変わります。

軽症〜中等症

まだ軽度の場合は、薬を塗ったりコーティング剤を使ったりします。

知覚過敏はエナメル質が削れてしまっており、象牙質がむき出しになることで痛みを感じる状態です。そのため、薬やコーティング剤を使って象牙質を守ってあげることで、歯の痛みを抑える効果が期待できます。

薬の場合は、一日に数回塗布する必要があります。一方でコーティングをすれば、毎日のメンテナンスは抑えられますが、歯を磨くごとに少しずつ削れてしまうので、数カ月後には効果がなくなります。

薬やコーティングを使っている間にエナメル質の修復がすすめば、知覚過敏が改善していくでしょう。

なお、初期の頃ならば、ご家庭で知覚過敏用の歯磨き粉を使ってみてもよいです。歯磨き粉に入っている薬用成分が象牙質をカバーしてくれる効果を期待できるためです。

ただし、自己判断が誤っていて重症化するリスクもあるので、まずは歯科医院にいって正確な診断を受けるのをおすすめします。

重症

重症化している場合は、歯の神経を抜く根管治療を行うこともあります。これにより痛みは収まりますが、神経を抜いた歯は黒ずんでしまい見た目が悪くなります。

歯が健康なうちに治療するに越したことはありません。ぜひ知覚過敏が気になったら重症化する前にご相談下さい。

虫歯が原因で歯磨き時に歯が痛い場合の治療法

虫歯が原因で歯磨き時に痛みが出る場合は、ある程度その虫歯が進行している状態です。
具体的にはエナメル質を超え、さらに歯の内部の象牙質までダメージを受けています。

象牙質で止まっている段階であれば、虫歯になった部分を削り、詰め物をして治療します。もし、さらに進行が進んでしまっている状態であれば、神経を取り除く根管治療や抜歯することもあります。

歯磨きで歯が痛いと感じるのを予防する方法

歯磨きをしていて歯が痛いと、ブラッシングも憂鬱になるかもしれません。その結果、お口の状態が悪化しかねないので、そもそも予防に努めましょう。

具体的には

  1. 定期的に歯科医院に行く
  2. ブラッシングでしっかり歯垢を取り除く

の2点を意識してみてください。

【予防法1】定期的に歯科医院へいく

歯医者に行くのはお口のトラブルがあった際という人も多いでしょう。
しかし、歯科医院ではお口の状態チェックや歯磨き指導も行っています。そのため、虫歯がない状態でも検診に行くと良いです。

普段の歯磨きで取り除けなかった歯垢・歯石をケアしてもらうことで、虫歯や知覚過敏の原因となる歯周病になりにくくできます。また、定期的な検診を受けることで、虫歯やお口のトラブルの早期発見に繫がります。

定期検診のペースは3ヶ月に1回がおすすめです。お口のことで何かお悩みがあれば、お近くの歯科医院へご相談ください。

【予防法2】歯垢を取り除く

普段の歯磨きでは歯垢をしっかり取り除いて、虫歯・歯周病を防ぎましょう。

特に、夜の歯磨きだけでも10分以上かけて念入りに行なってください。寝ている間は唾液の分泌量が減ってしまい、虫歯菌が増えやすくなるからです。

また、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯の間の歯垢を取り除くことができます。
歯磨きでは届きにくい部分も綺麗にできるため、丁寧なブラッシングと並行して行うようにしましょう。

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定期的に歯科医院へ行き、歯磨き時の痛みを予防しよう

歯磨き時に歯が痛む原因は、知覚過敏か虫歯が考えられます。そのままにしておくと症状が悪化していまい、最終的に神経を取り除いたり抜歯したりする可能性もあります。

早期の治療であれば、歯を残せる可能性は上がります。痛みを感じたら放置せず、ぜひ歯科医院に起こしください。

また、普段から定期検診を活用すると、お口のトラブルを見つけやすくなります。3ヶ月に1回のペースを目安に、ぜひお近くの歯科医院に足を運んでみましょう。

 

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