奥歯が痛いのはどうして?歯医者が原因と対処法を解説

皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。

今回は、奥歯が痛くなる原因を解説します。奥歯が痛いと食事が難しかったり、ものごとに集中できなかったりと困る場合も多いと思います。

そこでこの記事では、奥歯が痛くなる原因や対処法を紹介します。放置しておくと歯を失ってしまう場合があるので、早めの治療が大切です。

お口の健康を保ちたい方は、ぜひご一読ください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

奥歯が痛くなる原因は虫歯の可能性が高い

奥歯が痛くなる原因は、虫歯である可能性が高いです。
奥歯には他の歯と違い、溝があります。
そのため、食べかすが溜まりやすくなっています

歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多い部分でもあります。
そのため、奥歯は他の歯に比べると虫歯になりやすい歯といえます。

なお、治療を終えている虫歯であっても、詰めものや被せものの下で症状が再発して痛みを感じる場合があります。

▼虫歯の段階について知りたい方はこちら▼
>>【早期治療がカギ】虫歯には段階がある?進行状況別に治療内容を紹介

虫歯じゃないのに奥歯が痛いときに考えられる6つの原因

奥歯が痛くなるのは虫歯が関係していることが多いです。
しかし、状況によっては、虫歯でなくても痛みを感じる場合があります

こちらでは、虫歯以外に考えられる奥歯が痛い原因を6つ紹介します。

  1. 歯髄炎
  2. 歯周病
  3. 親知らず
  4. 肩こり
  5. 歯ぎしり・食いしばり
  6. 頭痛

順番にみていきましょう。

【奥歯が痛い原因1】歯髄炎

歯髄炎とは、神経と血管が通っている歯の中心部の歯髄で起こる炎症です。

歯髄炎の種類は、可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎にわけられます。

<可逆性歯髄炎>
炎症によって歯髄内の毛細血管が拡張している状態です。「歯髄充血」とも呼ばれています。可逆性歯髄炎の場合、歯髄を除去しなくても回復が見込まれます。

<不可逆性歯髄炎>
歯髄の損傷が広範囲にわたるため、回復は期待できません。不可逆性歯髄炎の処置としては、根管治療で歯髄を除去する、抜歯するなどが挙げられます。

▼根管治療について知りたい方はこちら▼
>>歯の神経を抜くとどうなる?根管治療の流れや注意点を解説

【奥歯が痛い原因2】歯周病

歯周病は、細菌感染によって歯茎に炎症が起きている状態です。

初期症状では痛みを感じにくいですが、重度の状態になると歯茎が赤く腫れたり歯がぐらぐらしたりして痛みを感じます。

歯周病は、日本の成人の約80%が発症していると言われている病気です。歯を失う原因にもなるので、早めの治療がカギとなります。

▼歯周病の症状や予防方法について知りたい方はこちら▼
>>歯周病ははやめの治療が大切!初期症状や3つの予防法も解説

【奥歯が痛い原因3】親知らず

親知らずが生えてくるとき、歯茎や横の歯を押すことがあります。このとき、奥歯に痛みを感じやすいです。

親知らずがまっすぐに生えてこないと、歯と歯のすき間に汚れが溜まります。結果として、細菌が増え智歯周囲炎(ちししゅういえん)という病気になることもあります。

▼親知らずが痛む理由について知りたい方はこちら▼
>>【放置は危険】親知らずが痛い原因4選!抜歯すべき2つのパターンを紹介

【奥歯が痛い原因4】肩こり

奥歯と直接関係ないような肩こりも、痛みの原因となる場合があります。

肩こりになる原因のひとつは、首が前傾する「ストレートネック」と呼ばれる状態によるものです。デスクワークやスマホの見すぎでなると言われています。

首が前傾して頭が体幹の軸からはずれると、肩と首の筋肉が緊張します。首が前傾すると、下あごが後方に引っ張られる状態になります。その結果、上の歯とのかみ合わせが悪くなり、奥歯に痛みを感じます。

【奥歯が痛い原因5】歯ぎしり・食いしばり

奥歯に強い力がかかることで、奥歯に痛みを感じることがあります。放置しておくと、歯周病が進行したり顎関節症になったりします。

歯ぎしりや食いしばりは、就寝時に起こる場合がほとんどです。無意識のうちにしてしまう方が多く、自分の意志では対処しにくくなっています。

そのため、歯科医院で「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを作ってもらいましょう。就寝時に装着することで、歯や顎へのダメージを軽減します。

▼歯ぎしりの原因について知りたい方はこちら▼
>>【歯科医師が解説】歯ぎしりの原因4選!放置しておく5つのリスクも紹介

【奥歯が痛い原因6】頭痛

群発頭痛や片頭痛によって、奥歯が痛む場合があります。

群発頭痛は、上あご奥歯に痛みを感じます。
痛みは15〜180分の感覚で起こり、突然感じなくなるのが特徴です。

片頭痛も、群発頭痛と同様に上あごの奥歯に痛みを感じることが多いです。
同時に、下顎の犬歯が痛む場合があります。

▼歯と頭痛の関係性について知りたい方はこちら▼
>>噛み合わせが悪いと頭痛がでる?定期的に歯科医院へ行って歯並びを改善しよう

【対処法】奥歯が痛いときはお近くの歯科医院へ

奥歯が痛いときは、まず近くの歯科医院へ症状を診てもらうようにしましょう。

痛みがでる原因によって対処法が異なるためです。原因がわかれば、症状にあった治療をおこないます。

▼歯医者へいくのが怖い方へ読んでいただきたいコラム▼
>>虫歯だらけで歯医者にいく勇気がない?歯科医が本音を紹介!【恥ずかしいことじゃない】

歯科医院へいけないときの応急処置4選

奥歯が痛むときは、歯医者へ症状を診てもらうことで原因や治療法が明確になります。
しかし、夜間などでどうしても歯科医院へいけないときもあると思います。

そこでこちらでは、奥歯が痛むときの応急処置を4つ紹介します。

  1. 痛みを感じる部分を冷やす
  2. 痛み止めを服用する
  3. ツボを押す
  4. 口内を清潔にする

順番に解説します。

【応急処置1】痛みを感じる部分を冷やす

応急処置として、痛む部分を冷やす方法があります。
血流の流れが緩やかになり、痛みが緩和する場合があります。

冷却シートを貼ったり、氷を巻いたタオルを当てたりすると良いでしょう。

【応急処置2】痛み止めを服用する

痛みが激しい場合は、市販の痛み止めを服用する方法もあります。
しかし、効果が出るまでには時間がかかる場合があります。

【応急処置3】ツボを押す

ツボを押すことで、奥歯の痛みが緩和する場合があります。
合谷(ごうこく)と呼ばれる、親指と人差し指の間にあるツボを押しましょう。

患部を冷やすものや痛み止めがない場合に使える方法です。

【応急処置4】口内を清潔にする

奥歯が痛むときは、口内を清潔にするのも方法のひとつです。
炎症を抑える効果が期待できます。

歯磨きやうがいをして、口内の汚れを取り除きましょう。

奥歯が痛むときは歯科医院へご相談ください

奥歯が痛むときは、虫歯や歯周病などさまざまな理由が考えられます。
原因によって治療方法が異なるため、まずか歯科医院に行き口内の状況を診てもらいましょう。

また奥歯が痛くなる前に歯医者で定期的な検診を受けることが大切です。
病気の早期発見につながり、痛みをあまり感じずに治療できる場合もあります。

※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。