皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。
今回は、インプラントのメンテナンスについて解説します。
インプラントは、一度埋め込めば終わりの治療ではありません。
長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが必要です。
とはいえ「なぜメンテナンスをしなければならないのか」「どんなことをするのか」と疑問を抱いている方もいると思います。
この記事では、インプラントのメンテナンスについて
- 必要性
- 具体的な方法
- 注意すべきこと
などを解説します。
メンテナンスをおこたると、せっかく埋め込んだインプラントが使えなくなってしまう恐れがあります。
頻度や引っ越したときの対処法などを解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
インプラントのメンテナンスが必要な2つの理由
インプラントには、以下2つの理由から定期的なメンテナンスが必要です。
- インプラントの寿命を延ばすため
- インプラント周囲炎を予防するため
「メンテナンスをしなければならない訳を知りたい」と考えている方は、ぜひ確認しておきましょう。
【理由1】インプラントの寿命を延ばすため
インプラントの平均寿命は、上顎は90%、下顎は95%の確率で10年持つとされています。
ただし、このデータは定期的なメンテナンスをおこなったことを想定しています。
メンテナンスをおこたると、10年持たないケースも珍しくありません。
インプラントの寿命を伸ばすためには、定期的なメンテナンスが必要です。
▼インプラントを長持ちさせる方法を知りたい方はこちら▼
>>【10年以上使うために】インプラントを長持ちさせる方法や寿命を縮める原因を解説!
【理由2】インプラント周囲炎を予防するため
インプラントは、人工歯と土台であるアバットメントの境目に汚れが溜まりやすいです。
汚れが溜まった状態を放置すると、歯周病になってしまう恐れがあります。
特に、インプラント周囲炎に注意しなければなりません。
インプラント周囲炎は歯周病に近い病気であり、症状の進行が早いのが特徴です。
放置すると歯茎が腫れたり、膿が出るようになったりして、インプラントの寿命を縮めてしまう原因にもなります。
インプラントのメンテナンス方法4選
インプラントのメンテナンスは、主に以下4つの方法があります。
- 口内・噛み合わせの確認
- レントゲン検査
- ブラッシング指導
- 歯のクリーニング(PMTC)
各メンテナンスについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
【メンテナンス方法1】口内・噛み合わせの確認
インプラントを長く使うためには、口内の状態を確認する必要があります。
具体的には、以下の内容を診ます。
- 歯茎の腫れや炎症はないか
- インプラントはグラグラしていないか
- 虫歯はないか
異常があれば、治療をおこないます。
噛み合わせは、青や赤の色のついた「咬合紙(こうごうし)」を噛んで確認します。
バランスが悪いときは、噛み合わせの調整をおこないます。
【メンテナンス方法2】レントゲン検査
レントゲン検査では、インプラントを支える骨の状態を確認します。
インプラントと周囲の骨の状態や歯槽骨の炎症、骨吸収の有無などを診るためです。
上顎の奥歯にインプラントを入れた場合は、上顎洞炎がないかを確認します。
上顎洞炎とは、鼻の両側にある空洞に炎症が起きることです。
【メンテナンス方法3】ブラッシング指導
インプラントを長持ちさせるには、自宅でのセルフケアが重要です。
ブラッシング指導を受けることで、汚れが残りにくい歯磨きの方法がわかります。
さらに、歯科医院では、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方も教えてくれます。
ブラッシング指導でわからないことがあれば、遠慮なく質問しましょう。
【メンテナンス方法4】歯のクリーニング(PMTC)
PMTCとは、歯科医院が専用の器具を使って行う歯のクリーニングです。
歯磨きでは落としきれない、定着してしまった歯垢や歯石を落とす効果が期待できます。
歯科医院でクリーニングを受けることで、清潔な口内の状態をキープできます。
そのため、インプラントを長持ちさせやすくなります。
▼歯のクリーニングについて知りたい方はこちら▼
>>PMTCとは?歯のクリーニングの必要性と治療の流れを解説
インプラントのメンテナンス以外で注意したいこと3つ
インプラントを長持ちさせるには、メンテナンス以外にも注意すべきことがあります。
主に、以下の3点です。
- 歯ぎしりや噛み合わせの偏り
- 喫煙習慣
- 全身の健康管理
注意しなければ、インプラントの寿命を減らすことにもなります。ぜひ確認しておきましょう。
【注意したいこと1】歯ぎしりや噛み合わせの偏り
歯ぎしりや噛み合わせの偏りがあると、歯にかかる負荷が強くなったり、1ヵ所に集中したりします。
そのため、インプラントの歯の部分が破損する恐れがあります。
また、歯ぎしりや噛み合わせの偏りは、インプラント歯周炎を引き起こす要因でもあります。
▼歯ぎしりを治す方法について知りたい方はこちら▼
>>【歯科医師が解説】歯ぎしりの原因4選!放置しておくリスクや治し方を紹介
【注意したいこと2】喫煙習慣
喫煙をしていると、粘膜に炎症が起こりやすくなります。
そのため、歯槽骨にインプラントが結合しにくくなります。
また、歯周病を発症しやすくなってしまいます。
喫煙の習慣がある方は、インプラントを長持ちさせるため禁煙を検討しましょう。
【注意したいこと3】全身の健康管理
インプラントを長持ちさせるためには、全身の健康管理が大切です。
糖尿病や骨粗鬆症などは、インプラント歯周炎を悪化させる原因になります。
そのため、食生活や生活リズムなどを整えましょう。
インプラントを長持ちさせる方法は、自身の健康と向きあう機会でもあります。
病気の早期発見につながる場合もあるので、ぜひ健康管理にも意識を傾けましょう。
インプラントのメンテナンスに関する疑問
こちらでは、インプラントのメンテナンスに関するよくある質問に回答します。
- メンテナンスはどのくらいの頻度がよい?
- メンテナンス費用の相場は?
- 治療後に引っ越しをした場合のメンテナンスは?
順番にみていきましょう。
【疑問1】メンテナンスはどのくらいの頻度がよい?
歯科医院で受けるメンテナンスの頻度は、3ヵ月に1回程度をおすすめします。
なお、これはあくまでも目安の期間です。
メンテナンスの頻度は、かかりつけの歯科医院と相談して決めるようにしましょう。
【疑問2】メンテナンス費用の相場は?
インプラントのメンテナンスは自費診療です。
歯科医院によって費用にバラつきがあるため「1回あたりいくら」と明言できません。
詳しい費用について知りたい方は、お近くの歯科医院にご相談ください
【疑問3】治療後に引っ越しをした場合のメンテナンスは?
通える距離なのであれば、インプラントを入れた歯科医院でメンテナンスを受けましょう。
口内の状況をわかっている状態なので、なにかトラブルがあった際でも素早い処置が期待できます。
インプラントと一言でまとめても、さまざまなメーカーがあったり、直径や長さが異なったりします。
そのため、状況をよく知っているかかりつけの歯科医院で、メンテナンスを受けるのが安心です。
通えない距離の場合は、担当医に紹介状を用意してもらいましょう。
紹介状があれば、使っているインプラントや状況を別の歯科医に伝えてくれるため、引っ越し先でもスムーズにメンテナンスを受けられます。
インプラントを長持ちさせるために歯科医院でメンテナンスを受けましょう
インプラントのメンテナンスを受けることで、寿命を延ばしたり歯周病を予防できたりします。
かかりつけの歯科医院と相談して、決められた頻度で通うようにしましょう。
また、メンテナンスだけでなく、喫煙を控えたり全身の健康管理に気を遣ったりすることが大切です。
注意すべき行動を押さえて、インプラントを長持ちさせましょう。
※コラムをご覧いただいた方からのご連絡が増えており、治療が必要な方のお電話が繋がりにくくなっています。当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。